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20世紀最後のボンボン  第一部 東京篇  第七章 もともと結婚式をしようと思っていなかった。


今までのまとめ

 

今までの流れをちょっとまとめます。

 

これはすべてSUJI ATHERTONが30歳の年に

 

起きた話を記録していく試みです。

 

 

SUJIは20歳の時から、ひたすら、プロ家庭教師として、

 

夏休みもお正月もなく働いていましたが、30歳になる年は

 

年初から何か変わったことが起きました。

 

 

西新宿の地下道で、表札を作る職人に出会ったり、

 

通りすがりの占い師に、今後のことを予言されたり、

 

しているうちに西新宿のマンションに引っ越します。

 

そこからは神社が見えました。そして、運命の糸に

 

操られるかのように、SUJIの目の前には

 

予想だにしない新しい未来が広がっていきます。

 

20世紀最後のボンボン

 

第一部 東京篇

 

第七章 もともと結婚式をしようと思っていなかった。

写真 お借りしました。

 

リカちゃん人形で遊んできたわけなので、

 

当然、ウエディングドレスとか着せて、思いをはせた幼少時が

 

あったはずなんですが、結婚式は

 

恥ずかしい儀式だと思えてならなかったのです。

 

いい大人がガンクビ揃えて、新郎新婦についての

 

エピソードを語る。新婦の両親への涙のあいさつ。

 

いやいや、それはないでしょ。建前そんなに整えて、

 

そこにそこまで力入れてどうするの?ってずっと思っていました。

 

どこか冷めてました。

 

たぶん本の読みすぎです。

 

頭だけで考えてます。

 

でもボンボンにはそれがとても新鮮だったんだと思います。

 

ボンボンにとっては3回目の結婚だったし、それまで有名な教会で

 

厳かに式をしたり、神前で、誓ってもダメなものはダメだったわけで、

 

何が披露宴だというのはあったわけです。

 

第一、年齢的にも、あと何年結婚しているんだろう、という計算も

 

あったかもしれないですね。

 

30才でも無邪気な子供だった私にはそこまで読めてなかったと思います。

 

でも、人類学でいえば、新婦は家から家への贈与で、だからきれいに

 

飾って送り出す、と私は解釈していたので、それは自分に対する侮辱、

 

をわざわざ公衆の面前で演じれば大人になれるのか?と相当

 

こじらせていたと思います。

 

 

ただ今回は相手が、私が何をこじらせても、面白いとか新鮮だと感じる

 

絶妙な相性だったので、全部コインがひっくり返ったということだと思います。

 

結婚は望まれてするべきなのだとつくづく思います。

 

結局、結婚式は2回しました。

 

 

1回目は運命の10月12日から半年ほどたったころ、

 

新婚旅行もかねて

 

(新婚旅行も行きたいと私はいいませんでしたが)

 

アメリカ西海岸のサンフランシスコ近くの

 

サウサリートというリゾート地で。

 

 2回目はボンボンが手掛け始めていた仕事の紹介もかねて、

 

ホテルオークラの花屋からお花を運ばせて、

 

ホテルニューオータニで立食パーティー形式で。けれども私は

 

ウエデイングドレスを着ました。

 

もともとは二人で遊びに行った目黒雅叙園で、偶然、

 

結婚式のデモンストレーションがあったときに

 

私が遠巻きにそれを眺めていたのをボンボンが見て、

 

とてもかわいそうになったそうで、

 

それがきっかけで結婚式を挙げることになったようです。

 

私はただ毎日、いろいろ話をできる相手が見つかって、

 

うれしくて、それ以外のことは、だいたいどうでもいいというか、

 

あまり興味がないというか。

 

本当に人生というのは、一歩踏み出した方向で、全く違う世界に

 

行ってしまうものですね。そして目の前のものをどういう風にとらえるか

 

その見方一つで、人生は全く変わってしまいますね。

 

 第八章 毎日続けていたこと

つづく

 

What an amazing choice you made! Thank you very much. Let's fly over the rainbow together!