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20世紀最後のボンボン 第十部 ヨーロッパ テーマ旅行  第六章 エジプトでのタイ人の話 





まだスフィンクスやツタンカーメンの話は残っているものの、
今回はエジプトでのタイ人の話が中心です。
エジプトでの最初の晩にタイの料理を食べたからなのか、
二日目にピラミッドなどを見に行った後、
暑さ負けした私はスパに行って、すこし、気持ちを
一新しようと予約の電話を入れました。
するとほとんどの時間帯がいっぱいでした。
観光客もほとんど見ないのに、いったい誰がそんなにスパに行くのかがまず大きな謎でした。
三日目に時間通りスパに行くと、英語を流ちょうに話すタイ女性が
出てきてくれました。その人にどうしてそんなに混んでいるのかと尋ねると、信じられない答えが返ってきました。

アラビアの男性がたくさんスパを利用しているので、女性客の相手をしている暇がないというのです。

何じゃーそりゃー?と誰でも思うと思います。
世の中が変わったのか私がただ無知なのか。
後者なんでしょう。

逆になんでこの時期に観光に来たかと聞かれました。
エジプトはこの時期とても暑いので、日本人は観光に来ないと。
あーそーなの?でも私たちはカリフォルニアに住んでいる日本人だからそういう情報はないの。というと、自分は遺跡にはほとんど興味はないがと断りつつも、いろいろ観光にいい場所を教えてくれました。
それから日本の食べ物の話になって、
タイでは味の素が人気があるということでした。日本の番組もよく知っていましたし、レトルト食品もよく試しているようでした。
でも高級品だから、なかなか手に入らないといってました。

私は彼女に「ここに住んで仕事をしていて楽しいか」と
尋ねてみました。それは以前、アメリカに留学してくるアジア人の学生は
楽しいなんて思う暇なく勉強していると聞いたことがあったからです。彼女は留学しているわけではないですが、一応、きいてみたかったので。
するとまだそんなに住んでいないからわからないが、仕事があるから、まだしばらくいると思う、という答えでした。
初めはタイ人の彼がいたが、別れて今はエジプト人と付き合っているということでした。
でも昨日どこかのお土産屋で働いていた日本人女性が国立大学(お茶の水)を出ていたんだけど、エジプト人と結婚したから、イスラム教に改宗して、子供をエジプトで育てながら、早稲田の理工に行かせたからまだ自分はお土産屋で働くのだといっていたのを思い出して、「あなたも改宗するつもりがあるか?」と尋ねると、それはあまりにも難しい問題だといっていました。
私がサンフランシスコで、彫刻のクラスを取っていた時に、インドネシアから来ていたすごい美人といつもランチを食べていたのですが、その彼女はなかなかアメリカ人の男性とは続かないといっていたのを思い出しました。イスラム教では、婚前交渉は禁止されていると。けれども、その美人はドイツ人とインドネシア人のハーフだから、アメリカ人の宗教も理解している、と。けれども自分は宗教に従わないといけないから、いつももめて、恋人がなかなか続かないと。
その話を両方ともタイ人のエステティシャンにすると、「うーん、難しすぎる」といってました。まだ結婚とかそういうレベルではないのかとも思いました。あ、でも、そのお土産屋の日本人女性がイスラム教では甲斐性があれば、男性は奥さんを複数持てるといっていたことも思い出し、そういうのはどう思う?と尋ねると、「わからない」とあっさり答えてました。

他にもいろいろ話しているうちに、カイロはあまり今状況がよくないことが感じられて(やっと?)本当はあと2日いる予定だったんですが、急遽、次の朝、ギリシアに向かうことにしました。

翌朝、空港ではエジプト航空のフライトがいくつかキャンセルになっており、結局、ギリシアに着いたのは夜でした。
そしてその数日後、エジプトの空港が封鎖になったと聞きました。

20世紀 最後のボンボン 第十部 ヨーロッパ テーマ旅行 第七章
に続く

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