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12月1日

5時過ぎに息苦しさで目覚める。また鼻がクソで詰まっていた。
夢を見たが失念。〝富士湖〟で自殺しようとした男に意見したような気がするが、その男は自分だったかも知れず。
「夢を定着させる」とTさんから聞かされたことがあった。記録するのではない。頭で反芻して記憶に定着させるのだという。そんなことを訓練するように毎日続けて習得したらしい。
夢の世界とつながって次元の裏から人生を覗いていたからか、欲というものに執着しないひとだった。もちろん食に関してもそうで、「ほとんど食べないのよ」と奥さんはこぼしていらした。その埋め合わせのように、酒をちびちびやっていた。彼の享年を超えて、吾もまた食の欲は薄れてきた。残念ながら色の部門もまた。
世の片隅で夫婦仲良くひっそり暮らしているようなTさんだったが、晩年のある時期、家を出て世田谷だったか妹さんのもとに身を寄せていたことがあった。訪ねていったときにもその理由は質さなかったが、たぶん奥さんとの諍いが原因だったのだろう。長い人生を共にするということは、些細な溝が知らず知らず深くなっていくことでもある。いつからか何事もなかったかのように、また栗の木の下の小さな家でふたり仲良く暮らされていた。時を経ず癌との闘病生活となられたが、死へと向かう人生の締めくくりを共に過ごすためにヨリをもどされたのだろう。はたから見ていても、好もしいご夫婦だった。
6時半過ぎから執筆。30分ほど。その後、某出版企画の打ち合わせ用資料作り。
10時前にチャリで市内にでて、企画の打ち合わせ。
午後2時過ぎに帰途に着いたが、寒風が身にも心にもしみて、横川のギャラリー「カモメのばぁばぁ」で2杯、近くの立ち飲み屋で2杯、焼酎の湯割りでからだを温めてから帰る。
夕方から映画「ノマドランド」を観る。主人公の女性がいう「ホームレスじゃないの、ハウスレスよ」の車生活がまた恋しくなった。


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