非常時の非常識カープ
新型コロナウイルスの感染症の影響にともなって、全国各地でマラソン、フェス、博覧会などのイベントや講習会、合同説明会から市民講座まで、あいついで中止や延期となるなか、広島東洋カープは当初の予定通りに公式戦入場券販売抽選券の配布を実施するという。
前述したように大人数を集めるイベントに限らず、小さな集まりについても市町村や主催者が、いち早く中止や無期延期を決定している。もちろんそのためのリスク、経済的な損失はふまえてのことだ。
その判断の背景には自治体として、あるいは企業や団体としての社会的な責任感があることはいうまでもない。この非常時に、主催者のエゴは通用しないということだ。
こんな状況下にあってもなお、カープ球団は何万人が押し寄せてどんな混乱を招くかもしれない抽選券配布を強行するという。
想像だにしたくない修羅場でコロナウイルスが飛び交っている様を思うだけでも、気が遠くなりそうだ。
前年、通常時であれだけ社会に迷惑をかけながら、この予測不能の非常時においても粛々と実施するというのだから、球団には先の失態がまったく教訓になっていないようだ。
こんな事態になって配布の是非を真剣に検討し対応策を練ったのかも疑わしい。
先のリンク記事には、こうあった。
お越しの際には、新型コロナウイルスやインフルエンザ等の感染症予防のため、周りの方との距離を大きく(出来れば2m以上)空けていただきますようお願いいたします。
ズムスタ周辺の限られたスペースに、カープの予想では20万人以上が殺到するかもしれないのだ。
その群衆に「出来れば2m以上あけてください」は、まったくの危機意識の欠如、ブラックジョークというほかはない。
こんな悠長な予想・発想で抽選券の配布を強行しようとしているかと思えば、怒りを通り越して呆れるばかりだ。
そもそも、この抽選券の配布方式自体が意味があるとは思えない。いたずらに社会的な混乱を招き、ファンに犠牲を強いるばかり。チケットを完売したいがためだけの、まさに球団エゴが顕著にあらわれた例だ。
このコロナウイルス騒動を機に、撤回した方が良かったのではないか。
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