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Kujiraチェーンと収益源 解説 #Cosmos

お久しぶりです。
すいすいです。

今回はKujiraがL1となって復活したので、
新しい収益源と今後の開発予定、便利なツールなどについて簡単に解説していこうと思います。
本格的に稼働し出したらもっと詳しい収益計算などはまとめようと思います。

Kujiraはもともとはレンディング清算効率化botとして作られました。
それについての解説は以下の記事を読んでいただければと思います。
Anchorへの入札は今は無くなってしまいましたが、どこのレンディングと接続しても基本的な動きは同じになります。

Terra崩壊→Cosmosの星として転生

もともとTerra上に構築されたdAppsだったKujiraですが、皆さんご存知の通りTerraは5月にTITTANしました。

Kujiraの主な収益源はTerraのレンディングプロトコルであるAnchorからのローン清算手数料でしたし、流動性もUSTと組まれていたのでKUJI価格も崩壊。
Terraと共に爆死です。

しかし主な収入源がAnchorではありましたが、すでにマルチチェーンの清算に対応し出していてKujiraが活動するのにTerraにこだわる必要はありませんでした。

Kujiraのチームは崩壊から数日でCosmosのL1としてKujiraチェーンを立ち上げることをアナウンスし、そこから2ヶ月かからずにメインネットを稼働させました。
正直早すぎて事故が怖いですが、今の所は問題は発生していないようです。

Terra時代にKUJIを保有していた人はここからKUJIを引き継ぎ出来ます。

Kujira収益源

Kujiraの収益は全てKUJIをバリデーターにデリゲートしているKUJIステーカーへ支払われます。
開発チームへも直接的な割り当てはなく、彼らが保有するKUJIをステークして一般ホルダーと同じ流れで報酬を受け取っています。

私がKujiraに注目しているのはこの報酬が全てプロトコル収益からのみ分配されていて、トークンのインフレに頼っていないところです。

現在ほとんど全てのDefiプロジェクトは報酬分配をガバナンストークンの新規発行に頼っていて、BSCで1番の取引ボリュームのあるパンケーキスワップですらCAKEのバーンが追いついておらずCAKEが希釈され続けています。

インフレトークンによる報酬分配は持続可能なものでは無い可能性が高いと僕は考えています。

持続可能な収益とは
これは人によって考え方が異なってくるとは思うのですが、

僕は新規のガバナンストークンの発行に頼らず、運営やユーザーに利益を発生させられることだと思っています。

現在のDefiではUniswapなどの一部のプロジェクトを除き、ほとんどが新規のトークン発行によってユーザーへインセンティブを与えています。

つまりほとんどのDefiプロジェクトのインセンティブは、

そのトークンを持っている全ての人達から少しずつお金を分けて貰って支払われていることと同じという訳です。

https://note.com/suisui000/n/nccd523c9f3da

KUJIのトークン設計ですがTerraから転生したことで発行枚数などわずかに変更がありますが、基本的にはTerra時代と変わりはないので私の過去記事を読んでいただけたらと思います。

L1として再出発した後の総発行枚数の予定は以下の通りです。
ダッシュボードにも記載がありますが、ゼロインフレで運営されています。


現在発生中の収益

今の所発生している収益は、

  1. Kujiraチェーンでトランザクション時に支払うガス代

  2. 100%オンチェーン板取引DEXであるFINでのスワップ手数料0.15%の半分に当たる0.075%(残り半分は板のメイカー報酬)

この2つだけです。
現在この2つでAPR2.67%を出しています。

発生した収益がそのままKUJIステーカーへ還元されるので、そのアセットそのまま受け取ります。
以下がステーク報酬の画像です。

ちなみにDEXのFINにLP供給という考え方はなく、板取引のみとなっており流動性提供報酬は取引手数料0.15%の半分の0.075%だけです。
通常のDEXのようにボーナスでガバナンストークンはもらえず、実際の収益からのみ報酬を発生させています。

売買したい人は売買したい価格で板を作っておく。
すぐに売買したい人はすでにある板から成り行きで売買することもできます。

今後発生する予定の収益

そしてこれから稼働予定の機能で発生予定の収益ですが、

  1. 独自ステーブルコインUSKの発行手数料0.5%

  2. USKの借り入れ金利5%

  3. レンディングの清算手数料1%

  4. ORCAの引き出し手数料0.5%

  5. レバレッジトレードの利用手数料(未定)

  6. KujiraのdAppsからの収益(現在分かっているのはBlack Whaleの収益の50%、Local Moneyの収益の10%)

この中でも大きな収益を生み出す可能性があるのが2と4だと思っています。

USKについて

USKは過剰担保型のステーブルコインで最初はATOMだけが担保として使えます。
その後価格参照先の問題をクリアできるとKUJIも担保として追加される予定で、他の通貨も諸問題をクリアすると担保資産に追加されていくと思います。

最初は担保に対して最大60%の借り入れが可能です。
清算ラインを超えた場合、ORCAによって清算されます。
この清算では3と4の収益が発生します。

ちなみに清算を判断するためのATOMの価格はFINでの価格ではなく、
バイナンス、コインベース、クラーケンの売買高加重平均価格で実行されます。

僕が気になるのは、ATOMを担保として差し出してまでUSKが欲しいか? ということです。
ATOMはインフレトークンなので持ってるだけで価値が希釈されていきますし、CosmosHubでステークすればAPR20%が貰えます。さらにエアドロが受け取れる可能性もありますから正直Kujiraでロックするのはもったいない気がします。

Kujiraにロックする際にせめて20%のステーク報酬を還元する仕組みが必要だと思います。
パッと思いつくのはTerraのAnchorでやっていたようなbLunaのような仕組みですが、他にも色々やりようはあるようです。

USKの発行が増えるとKUJIの収益が爆発的に増えます。
USK時価総額の5%が金利で課せられるのは相当大きいと思います。
しかしUSK発行者は永久的にこの金利を払う必要があるわけですから、それなりにこれの用途が魅力的である必要があると思います。

多分USKじゃないとORCAに入札できないとかそういう風になると予想できるので、USKは1ドルをオーバーペグするのではないかと考えています。そんでもってUSKはKujiraの清算オラクル内で常に1ドルとして扱われるはずですので、オーバーペグはするものの、moonするようなことにはならないはずです。
あんまり高額で買ってORCAに入札しても旨味がないですからね、多分いいとこ1.1USDCくらいじゃないでしょうか。1.1にもなると少し無理矢理にはなりますがその値段で買う人に売りつけて利益を出す方法があります。

KujiraチェーンのdApps

KujiraはスマコンチェーンなのでdAppsを乗せることができます。
ただし通常のBSCやPolygon、イーサリアムと違って誰でも勝手にチェーンにデプロイできるわけではなく、Kujiraのガバナンス投票で可決されたものだけがKujiraチェーンに乗せることができます。

まだ可決されたものは2つだけですが、いくつか開発中のものがあるようです。
これらのプロジェクトはKujiraの持続可能なDefiの思想に同意していて、トークンのインフレに頼らずに実収益から報酬を分配する仕組みを目指しているようです。

コミュニテファンドからも出資を受けていたりするのですが、持続可能なものを目指してないと出資のプロポは可決されないと思います。KUJIホルダーが持続可能のものを求めているからですね。

そういう文化が築かれそうな雰囲気なので、KujiraのdAppsは持続可能なものを目指していないとデプロイのプロポが通らないと思います。

便利ツールリンク

まずは公式のダッシュボード
ステークのAPRなど色々な情報が見れます。
今後KUJIステーク枚数に応じてプレミアムダッシュボードなどが実装されると思います。


公式トランザクション確認ツール


バリデーター情報
アンデリゲートの状況なども確認できます。
KUJIの購入を検討するなら必ずチェックする必要があると思います。

こんな具合で価格下落予想に役立つ可能性があります。


KUJIの自動コンパウンド
1日2回ステーク報酬のKUJIをコンパウンドしてくれて複利で運用できます。
ただしKUJI以外のアセットはウォレットに送られるだけで複利にはできず、現状KUJIも大した枚数が稼げないので僕はまだ使っていないです。


IBC転送を簡単に出来るKujira公式ツール
なんだかんだ手動でやると少しめんどくさいIBC転送を簡単に実行できる。
現状はKujiraへの出し入れしか利用できない。
KUJIを買う場合はこれでATOMかUSDCを持ってくるのがおすすめ。


ツールではないですが、ネイティブトークンのKUJI以外をガス支払いに使うための手順。
現状5種類の通貨でガス支払いができる。
最初にガス購入で困る心配がありません。


まだ使用できませんがFINに板を自動で作ってくれてLP供給みたいなことができるツール。
開発中で後1−2ヶ月で一般に解放される予定。
今動いてるのは開発チームのテスト中のもの。

10/25追記
すでに稼働しており好調。
解説記事はこちら


公式ディスコード
日本語チャンネルもあります。


ORCAの精算時に通知してくれるbot
必須ツール!


僕のツイッター
役にたつかは置いておいて基本的にKujiraのことしか呟いてないです。


まとめ

分かりづらい文章になってしまいましたがKujiraについて簡単な解説になります。
Kujiraが持続可能なDeFiをどのように実現しようとしているかが伝わっていれば幸いです。

よく分からなかったところがあったりもっと詳しいことが知りたい人は公式ディスコードの日本語チャンネルや僕のツイッターなどで話しかけていただければと思います。

もしUSKが1.1USDC以上ににオーバーペグして、僕の考え通り利益が出せたらまた有料記事でも書こうと思います。
1.1を超えるかは分かりませんが、ATOMを担保にするリスクが高い以上自分で借り入れるより市場で買おうとする動きが強い気がするので、オーバーペグ自体はすると思っています。

USKが本格的に動き出したら収益計算やKUJI価格予想なども記事にしてみたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました!


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