スイスワインの紹介① OEIL-DE-PERDORIX
このスイスワインは、アジア圏の料理、つまり和食、韓国料理、中華、
タイ、ベトナム料理にもよく合う万能ワインだと個人的には感じます。
Oeil-de-Perdrixとは
Neuchâtel州発祥のOeil-de-Perdrixは、ソムリエ教本にも書かれる
あまり熟成していないピノ・ノワールから造られる
個性的で繊細なスイスのロゼワイン
この名前は、Oeil-de-Perdrix(ヤマウズラの目)の意味なのですが、
調べていくと死に瀕するヤマウズラの目がピンク色であることに由来する
らしく、虚を突かれました。
作り方は生産者さんによって異なりますが、調べた限りの
伝統的な製法は、直接圧搾法のようでした。
そのため、一般的なOEIL-DE-PERDRIXは赤い果実のアロマと、さわやかな酸味、フレッシュでタンニンが少なめの味わいです。
Neuchâtel州が発祥の地
Neuchâtel州でこの作り方が確立されたのは、19世紀半ばと言われて
います。
第二次世界大戦後(1945年以降)に、Neuchâtel以外のレマン湖沿岸
以降の州にもこのワインの製法が広がりました。
原産地統制呼称(AOC)の制度が始まった際、NeuchâtelはOeil-de-Perdrixの
独占使用を希望しましたが、却下されてしまいました。
そのため、現在でも同様の製造方法・名前のœil-de-perdrixが
AOC NEUCHATEL, AOC VAUD, AOC VALAIS, AOC GENEVA
として販売されています。
どちらの生産者さんも自分のAOCに誇りを持っていらっしゃいます。
PERDORIX BLANCHE(ペルドリ・ブランシュ)
œil-de-perdrix(ウイユ・ドゥ・ペルドリ)をNeuchâtel州(カントン)の
特産品として保護する活動は失敗に終わってしまいました。
そのため、Neuchâtelのワイン生産者たちはPERDORIX BLANCHEを開発し、
保護するために迅速な行動を起こしました。
PERDORI BLANCHはPinot Noirから作られた白ワイン(若干ピンクが買っているものも)で、現在、Neuchâtel州だけの特産品です。
私個人としては、ロゼのPERDORIXのほうがおいしいと感じています。
フランスのシャンパーニュ地方とのつながり
Oeil de Perdrixの製法は、中世(14世紀まで)にフランスのシャンパーニュ地方で生まれたと考えられています。
この時代、シャンパーニュ地方はパリという有利な市場を獲得するために、
ブルゴーニュ地方とフランス王家からの寵愛を競い合っていました。
しかし当時は赤ワインの人気の方が高く、まだスパークリング・シャンパーニュが発明されていないシャンパーニュ地方の白ワインは、フルボディのブルゴーニュワインに対抗することが難しかったのです。
そのため、特に苦しんでいたシャンパーニュ北部マルヌ県アイのワイン生産者たちは、赤ワイン用のブドウから、独自のフルボディの白ワインを造る実験を始めました。
努力は実らず、黒ブドウから真に「白」ワインを造ることはできなかったものの、代わりに「œil de Perdrix」が知られるようになったとされます。
なお、それから数世紀後、ベネディクト派の修道士ドン・ペリニヨン(1638-1715)が、黒ブドウから白ワインを造る方法を完成させ、
それがスパークリング・シャンパーニュの成功に不可欠な要素となりました。
アメリカのWhite Zinfandelとのつながり
White Zinfandelとはロゼワインの一種で、若干辛口~甘口の中間に位置するアメリカのワインです。一般的に、フルボディでスパイシーなワインが作られるブドウ、Zinfandelを用いて作成されます。
起源はSutter Home Family VineyardのBob Trincheroさんが、 1975年にœil de Perdrixスタイルのワインを作ろうとしたことに遡るとされます。
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