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  • [辞典]スイスのブドウ品種

    フランス語、ドイツ語の記事を参照して、スイスのブドウ品種を調べました。

  • ⦅ABCシリーズ⦆スイスワイン

    スイスワインの概要をまとめています。

  • <6エリアのみ>スイスのワイン産地

    スイスワインは6エリアのみ覚えれば楽しめます。 ①Valais ②Vaud ③ドイツ語圏 ④Geneva ⑤Ticino ⑥3つの湖エリア

最近の記事

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⦅G⦆REETINGS:ご挨拶

私のスイスワイン体験は、京都大学からスイス連邦工科大学 ローザンヌ校(EPFL)に交換留学をしていた2021年秋、 LAVAUXでのLes Caves Ouvertes Vaudoisesから始まりました。 指定のグラスを持ち世界遺産の美しい風景の中に点在する200以上の 生産者さんを歩いて回る、夢のような飲み放題祭でした。 帰国してからも何度となくワイン祭や留学全体を通して得た知見を思い返していた中で、以下の仮説にいきつきました。 例えば、場合によってはスイスワインは単

    • 2024年のスイスVAUDのブドウ収穫状況

      2024年10月31日に、スイスの中でも思い入れの強い地域、VAUDの2024年の収穫がクライマックスを迎えました。 今年は、過去2年(2022年、2023年)と異なる 「絶妙に複雑な収穫の年」だったようです。 2022年、2023年はスイスなのか疑うほど暑い高温と乾燥の年だったのです。 2024年のスイス VAUDエリアのブドウの現状とワインの予想 VAUDの多様なテロワールとワインの特性が際立つ Oenologist のヴィンテージではなく、ワイン生産者の年 (努力

      • スイスのブドウ品種⑥ HIMBERTSCHA:ヒンバーツァ 

        Himbertscha(ヒンバーツァ)は「失われた品種」とされたブドウ品種です。 1970年代にJosef-Marie Chantonによって再発見されたため、ほぼChantonの畑でしか作られていません。 ワインとして販売されるのはChantonのみ、今は、息子のMarioさんが父が発見したブドウを守ってワインの生産を続けています。 春の野草やハーブを思わせる風味で、辛口だが豊か 鯖のへしこと大変良く合う スイス最高標高とされるVisperterminenの畑で作られ

        • ⦅I⦆nfluence of Tempereture:ワインを保管する温度と温度によるワインの変化

          周りの方のワインセラーの故障が続いたため ・ワインを保管する温度は結局何度なのか について調べました。 オープンアクセスが中心ではあるものの、できるだけ査読付きの論文を参照しています。 ワインが変化する理由は温度だけではなく紫外線、振動等他にもあるものの今回は温度に焦点を絞っています。 ワインを保管する際の参考にしていただけましたら幸いです。 ワインを保管する温度の結論:     保管(したい)期間によって許容温度は異なる。 短期間(数か月で飲む)なら20℃まで

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        ⦅G⦆REETINGS:ご挨拶

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        • [辞典]スイスのブドウ品種
          6本
        • ⦅ABCシリーズ⦆スイスワイン
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        • <6エリアのみ>スイスのワイン産地
          6本

        記事

          ⦅T⦆ECHNICAL TERMs:スイスワインの専門用語まとめ

          こちらでは、たびたび登場する解説用語をまとめて随意更新します。 アカサ行Agroscope スイス連邦経済省 ( EVD/DFE ) 管轄下の農業関連研究所 アルプスのフェーン風 アルプス山脈で、風が山を越えるときに発生する暖かく乾燥した風を指す。 1.湿った空気が山の風上側(風が当たる側)を上昇   空気が冷やされ、上昇に伴い水蒸気が凝結、雲が形成されて   雨や雪として降水する。 2.乾燥した空気が山を下る   空気は降水を終えて乾燥した状態になり、山の風下側に下

          ⦅T⦆ECHNICAL TERMs:スイスワインの専門用語まとめ

          スイスのブドウ品種⑤ PETITE ARVINE:プティ・アーヴァイン 

          スイス国内のブドウ畑の約1.5ー2%である約250haしか作られておらず どの言語で検索しても情報があまり出てこないブドウ品種です。 ワインの作り方によって辛口から甘口まで、幅広い表現が可能 典型的なアロマも様々なため、ワイン生産者さんの探求心をくすぐる バランスが取れた構成になりやすくそれを欠いたワインは稀な、安定感 ヴァレーで作られていて、弱く、栽培条件が難しいために 『要求が厳しすぎる領主』に例えたがる専門家もいるとか。 これからの発展が楽しみなブドウ品種の一

          スイスのブドウ品種⑤ PETITE ARVINE:プティ・アーヴァイン 

          スイスワインの紹介① OEIL-DE-PERDORIX

          このスイスワインは、アジア圏の料理、つまり和食、韓国料理、中華、 タイ、ベトナム料理にもよく合う万能ワインだと個人的には感じます。 Oeil-de-Perdrixとは Neuchâtel州発祥のOeil-de-Perdrixは、ソムリエ教本にも書かれる あまり熟成していないピノ・ノワールから造られる 個性的で繊細なスイスのロゼワイン この名前は、Oeil-de-Perdrix(ヤマウズラの目)の意味なのですが、 調べていくと死に瀕するヤマウズラの目がピンク色であること

          スイスワインの紹介① OEIL-DE-PERDORIX

          スイスのブドウ品種④ RÄUSCHLING:ラウシュリング

          スイスのドイツ語圏で、27haしか生産されていない白ブドウです。 その面積の約半分は、チューリッヒ湖周辺に存在しています。 他にも、St. Gallen(ザンクト・ガレン)やSchwyz(シュヴィーツ)でもブドウ畑を見つけることができます。 個人的には、中華の前菜など、オイルのまろやかな雰囲気とこの白ブドウの持つ柑橘が合うように思います。 原産地 RÄUSCHLINGはドイツが原産です。 西暦1000年頃にDrava(Drau)川を経て 南チロル、チューレティエン(C

          スイスのブドウ品種④ RÄUSCHLING:ラウシュリング

          スイスのブドウ品種③ COMPLETER:コンプリター

          スイスでも珍しいブドウ品種です。 2007年のスイス全体の栽培面積はわずか2.58haでしたが、その魅力が認められつつあり、2022年には10ha程度まで増加しています。 その珍しさと歴史性 複雑なアロマと豊かな骨格 辛口で比較的酸度が高いため、熟成に向いている 原産地 ブドウ品種DNA分析学者José Vouillamoz博士による調査によれば、 Completerの起源はイタリアとフランスの国境付近です。 Graubündenに持ち込まれた経緯にはいくつか説

          スイスのブドウ品種③ COMPLETER:コンプリター

          スイスのブドウ品種② HEIDA:ハイダ

          スイスのワイン生産者の中で、新星として大注目をされているHEIDA。 結論から述べると、HEIDAは以下3点において特徴的なようです。 柑橘類やエキゾチックな果実、青いナッツやはちみつの香り ワインの骨格がしっかりしており、20年の熟成も可能 古代品種であるその珍しさと希少性 子世代ブドウが有名なため、親世代を味わう楽しみ 諸注意 まず、自身のメモ用に覚えるべきはよく使われるシノニム(別名)です。 TRAMINERはピノ系(ピノノワールやシャルドネ)と近縁ですか

          スイスのブドウ品種② HEIDA:ハイダ

          スイスのブドウ品種① CHASSELAS / FENDANT:シャスラ

          第一にお伝えしたいのはChasselasはそのまま、皮ごと食べても 甘くて美味しいブドウである、という点です。 そのため、何故辛口且つアルコール度数が低いワインが作られるのか 疑問に思っており、後日調べる予定です。 スイスを代表する、レマン湖エリア発祥の古い白ブドウ品種 土地の特徴を如実に表現するブドウの反映力と飲み比べの興味深さ アジア圏の食事にもあうその包容力 景色や歴史と味わう楽しさ 原産地 2009年に、正式にChasselasの原産地がVaudであると証

          スイスのブドウ品種① CHASSELAS / FENDANT:シャスラ

          ⦅T⦆HE GRAPE VARIETY:スイスワインのブドウ品種

          スイスで栽培されるブドウは黒/赤が57%、白が43%です。 スイスのブドウ畑は約15,000haであり、世界のブドウ畑の0.2%を占めるにすぎません。 スイスのブドウ品種、252品種のうち168品種が連邦統計局(OFS)によってカントン(州)のAOCとして認められています。 スイスのブドウ品種は、3つのカテゴリーに分類されます。 それぞれのスイスのブドウ品種について、徐々に充実させる予定です。 おすすめ品種 5.(白)PETIT ARVINE 6.(白)HIMBERT

          ⦅T⦆HE GRAPE VARIETY:スイスワインのブドウ品種

          スイスワインの地⑥ DREI-SEEN:3つの湖

          3つの湖沿いにあるブドウ畑はなだらかな丘陵地帯に広がっていて、 4つのAOCを持ちます。 ※AOCとは”Appelation d'Origine Controlee”の頭文字。日本語で『原産地統制呼称』の意味。 湖があるために気温を和らぎ日光を反射させるので、夏のピークの暑さは軽減され、ブドウの木への霜の影響は緩和されるエリアです。 また、Molasseと粘土質土壌により、質の良いPinot Noirの生産に成功しています。 三つの湖の生産地について AOCを面積の広

          スイスワインの地⑥ DREI-SEEN:3つの湖

          スイスワインの地⑤ Ticino:ティチーノ

          ローマ時代からワインが作られていたとされるイタリア語圏のTicino。 Ticinoなら絶対にメルローを探求したいところです。 余談ではありますが、Ticinoには船に乗ってしか行けないとても小さな税関ミュージアムあります。 イタリアと面しているからこそ戦時中はお米の密輸等が行われていたとのこと。Ticinoの陽気さ・朗らかさの一面だけではなく、ほの暗い歴史も感じられます。 Ticinoのスイスワインについて Ticinoで最も知られているのは何といっても黒ブドウのM

          スイスワインの地⑤ Ticino:ティチーノ

          スイスワインの地④ Geneva:ジュネーブ

          ジュネーヴは都会と郊外が混ざり合った土地で、国連本部やWTO本部から わずか10キロのところにもワイン区画が点在します。 ただ、バスを使って向かおうと思うと1時間程度かかるため可能ならば 車が便利なエリアではあります。 個人的にはこのエリアでは、アリゴテやシャルドネ等を楽しみたいです。 Genevaのスイスワインについて Geneva広域のAOCと22のAOC Premier Cru 小規模生産者が中心 土壌が不均一のため、GameyやChasselasといった伝

          スイスワインの地④ Geneva:ジュネーブ

          スイスワインの地③ DEUTSCHSCHWEIZ:ドイツ語圏

          スイス人口、面積の約7割がドイツ語圏とされます。 そのため都会、郊外、文化的エリア、歴史的エリアと多様性には枚挙に暇はありません。 このエリアでは、断然Pinot Noirの開拓を行うべきです。 ドイツ語圏では約25%がPinot Noirが生産されていて、小規模生産者さんによる所謂”隠された宝石(hidden jem)”が眠っています。 いくつかここぞは、というワイナリーを見つけているので落ち着いたら 買い出しに行きたいところです。 ドイツ語圏のスイスワインについて

          スイスワインの地③ DEUTSCHSCHWEIZ:ドイツ語圏