2024/1 ゲーム


映画

・笑いのカイブツ

爽快さはなく、ひたすらつらく永劫に続くような苦しさがあった。ツチヤタカユキのあの「人間関係不得意」は完璧主義の表れなのかなと思った。人はどうでもいい会話・つまらないくだらないやり取りを何度も繰り返して、時々人を誤って傷つけてしまったり、関係を修復したり、逆に偶然面白い会話になったりしながら対人スキルを育てていく。でも、ツチヤタカユキは「おもろさ」に物凄くこだわりがあって、たぶん「おもろないことをしゃべるぐらいなら、いっそ何も言わん方がましや」ってかなり早い段階で考えてしまったんじゃないかな。だから、30歳近くで東京に出てきて「食事が終わったらごちそうさまと言え。朝来たらおはようございます、帰るときにはお疲れさまでしたと言え」と教えを受ける。そのあと家で「おはようございます」を練習しているカットがあって、挨拶の必要を知っていてやらないことを選んでいるのではなくて、そもそも必要性を知らないのだと感じた。でも、これお母さんに言われても絶対言うこと聞かなかっただろうな。自分が心底「おもろい」と思い尊敬している人間が言ったから実行したんだろうな。
ピンク(菅田将暉)の声が画面外から聞こえて、フレームインしてきたとき急に自分の意識の覚醒度がガッと引き上げられたのがわかっておもしろかった。いや、それまでもしっかり見ていたんだけれど、さらに世界の解像度が上がった感覚。

ゲーム
・クラッシュ・バンディクー ブッとび三段盛り!

おすすめ度(1,2未クリア)
難易度★★★★★
ムッッッッズ!!!!特に1が難しい。一面終わったところでもういいや…ってなった。色々救済措置があるにも関わらず難しい。長押しジャンプが一回転すること、動き出しまでにタイムラグがあること、止まる時に滑ることの難しさと、純粋にステージの殺意が高い。
3も難しいけど、リンゴバズーカなどがあるので1よりはマシ。1-1がちゃんと1-1してる。

・IT TAKES TWO

おすすめ度★★★★★
難易度★★★☆☆
協力型二人プレイ専用ゲーム。2021年のGame of the Year受賞作。すごい完成度のアクションゲームで、とっても楽しい。ステージごとにプレイ感が異なりシューティングゲームになったり、パルクールゲームになったり、横スクロールアクションになったり、見下ろし型アクションRPGになったりする。一度に出てくる能力は1つか2つなので操作もそれほど難しくない。2人で声かけし合いながらステージを進んでいくのが楽しかった。走る速度もかなり速くサクサク感もあり、ステージとステージの間のジェットコースターみたいなスピード感ある移動も爽快だった。

・いけにえと雪のセツナ

おすすめ度(未クリア)
難易度★★★★☆
雰囲気はめっちゃいい。雪の積もった世界、ピアノBGM、生贄として死ぬために旅をする切ない雰囲気。クリアしたかったけど、小・中ボスの攻撃力の高さであっという間にゲームオーバーになるストレスに耐えられなかった。本当に命の溶け方がすごい。昔懐かしのRPG世代にはあの雰囲気や難易度が刺さると思う。懐かしい〜って。
もしかしたら、自分はアクティブタイムバトルが苦手かもしれないと気づいた。複数人行動可能になった時に「回復が必要になるまでこの人は行動させないでおいて、キャラ選択して、、あっ行動させちゃった!」事故が頻発する。そんで回復間に合わなくて全滅するんだ。世知辛いね。
本当に丁寧にテーマを貫いて、雰囲気にこだわって作られてるから良いゲームではあると思う!ぬるま湯育ちにはきついのと、そのきつさを超えたいおもしろさがあるかと言われると微妙。なんかダルい……

・HUMANITY

おすすめ度(未クリア)
難易度★★★★☆
犬が人類を光の柱へ導くパズルゲーム。また気が向いた時にやるかもしれないけど、なんか、そんなに人類を導きたくないかも。足場からなんの躊躇いもなく雪崩のように群衆が落ちていく絵面の方が好きですね。

・PowerWash Simulator

おすすめ度★★★★☆
難易度★☆☆☆☆
時間が溶けていく、危険すぎるお掃除ゲーム。何も考えたくない、ぼーっとしたい、嫌な記憶が無限に再生されて苦しい時におすすめ。何が楽しいのか?それは仕事なのでは?は本当にその通りなんだけど、脳のキャパが著しく低下して何もできないけど、何もしていないと考え事をしてしまって苦しいときには救われる。
細かく部位が分かれていて、その部分部分を綺麗にすると「チャリーン」と音が鳴って該当部位が光る。それがちょうど良いレベルの気持ちよさを与えてくれる。
あと、ごく短いテキストなんだけど、清掃を進めていくと興味深い事件の片鱗が見えてくるのが地味〜に気になってくる。総合すると楽しいです。

・まぼろしキャラバン

おすすめ度★★★☆☆
難易度★☆☆☆☆
本物の「放置」ゲーム。砂漠に囚われた魂を拾って歩くキャラバンを眺める上位者になれる。魂を実体化させること、実体化した魂に時が来たら解放することがあなたのお仕事です。
キャラバンの行先を決めたりとかはできないようになっている。
読書も映画も何もできない、なにかゲームっぽいことはしたいけど普通のゲームはキャパオーバーな時、ぼーっとしたい時向け。シンプルなドット絵の多種族キャラバンが砂漠を歩いていくのをぼんやり眺めて癒される。

・HAVEN

おすすめ度★★★★★
難易度★★★☆☆
管理社会ディストピアで強制的に別の相手と結婚させられそうになった2人が一か八かで逃げ出して、なんとか「ソース」という星に不時着したところから始まる物語。
最初にゲーム側から「高難易度ゲームではありません」ってアナウンスされるが、私は一回2人を全滅させたし、ケイは数え切れないほど倒れた。アクティブタイムバトルで、逃走コマンドが無いので敵がわらわらいるところでの緊張感はかなりある。一応さらに簡単にするモードがあるので詰むことは無いはず。
ラインに沿って上手く移動できないと辿り着けない場所があるんですが、まあ諦めましたね。そこができなくてもクリアはできます。
 あと、絶対1人でやった方がいい!主人公2人が本当にずっとイチャイチャしている。カップルの性別は選べるのでGL, HL, BLの3パターンあります。GLの場合だけかもしれないけど、ロード画面で明らかに最中の絵が出てくる。それ以外で直接描写は無いけど、隙あらばキスしたりハグしたりセックスに誘ったりしている。でも、この「ふたりの世界」みたいな自分とあなたしか見えてない感じが恋ではないですか?という思想を感じて、その潔さが良かった。戦闘でレベルはほとんど上がらず、会話イベントや食事イベント、就寝時イベントでレベルアップしていくのも思想とシステムが一致している。
 甘々な2人のやりとりに砂糖を吐きつつも、なんか真っ直ぐに相手を求めているケイとユウが可愛くなってきて応援したくなるゲームだった。

・アナザーコード リコレクション 二つの記憶/記憶の扉

おすすめ度★★★★★
難易度★★☆☆☆
すっっごく良かった。ADVの宿命として何が良いかを説明しようとするとネタバレになるんだけど、本当にすごく良かったです。
人の感情の機微の描き方がすごく良い。無個性な良い人ばかりなんじゃなくて、それぞれ性格が違って過去も違うから仲良くなれなかったり嫌な言葉を使う人もいる。アシュレイ自身も聖人みたいな良い子なわけじゃなくて喜怒哀楽があってムカついたりケンカしたりもする、どちらかというと結構気が強い子。でも根っこの素直さと優しさがある。
エリザベスはわがままだし鼻持ちならないお嬢様って感じだけど、その子の不安な表情とか苦しさとか弱音が表現されていて丁寧だ。アシュレイは苦手な人をすぐにシャットアウトするんじゃなくて、知ろうとチャレンジするのが本当にえらい……
ライアン……サヨコ……うう……つらい……

・未解決事件は終わらせないといけないから

おすすめ度★★★★★
難易度★★☆☆☆
UIがおもしろい。「索引の消えた古い図書館」みたいに会話の順序や話者が混ざってしまっているのを、正しい話者・正しい時系列に並べていく。2つの順序があっているとピタッとくっついていくのが気持ちよくて、どんどん繋げたくなる。繋げていくと最初見えていた事件の形が本当のところとは全く違うことがだんだん見えてくる。物語体験として本当におもしろかった。日本語訳もまったく違和感がなくてハイクオリティ。このクリエイターの作品がもっと遊びたいと思った。

・Replica

おすすめ度★★★★☆
難易度★★★★☆
秘密警察の手下となり同学の友人のスマホから革命に関係している証拠を見つけ出すゲーム。見つけ出すというかこじつけている。バッドエンドだとその友人が自分のスマホから革命分子という証拠を10個以上見つけ出したといわれて処刑エンドなのがぞわっとした。お互いに裏切らせるんだ…
エンド全回収は攻略を見ないと難しい。ゲーム外の映画の知識とかが求められるので…パスは周回しても変わらないので、回収するときは秘密警察側の指示者より先回りしてしまったが、主人公の台詞が変わっていて、作りの細かさにびっくりした。
悪い冗談みたいに証拠を捏造されて犯罪者に仕立て上げられる恐怖を感じた。実際に過去にあったことだし、現在も同様なことが起こっているかもしれない。それが自分の身に降りかからない保証はどこにもない。

・Legal Dungeon(リーガルダンジョン)

おすすめ度★★★★☆
難易度★★★☆☆
警察の検察宛の意見書を作成するゲーム。SOMIの罪悪感三部作の2作目で、その名の通り良心の痛みを感じながらも1周目でまっすぐエンディング12に辿り着いてしまった。すごい強かな清崎蒼になった。その後いろんな分岐を回収していって、事件の全体像が見えて本当にぞっとした。めちゃくちゃおもしろい。一度クリアした書類作成はほぼスキップして分岐回収できるし、その分岐もワンクリックでわかりやすく変えられるのでエンド回収の煩雑さもほぼないです。おもしろい体験ができる上に法律の勉強にもなって一石二鳥だった。



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