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いつも私を追い立てる彼

彼は寒くなる時期になるといつのまにかやってきて、無言のままいつも私を容赦なく追い立てた。私があわてふためく様を見ても、なんとも思っていないようだった。

彼がいる限り、心の休まる暇はない。
早くいなくなってほしいと思うのに、最後の一日だけはわずかな情がふるえて、ほんのすこしだけ彼との別れを寂しいと思ってしまう。
これが今生の別れというわけでもない。
どうせまた次の来訪で、心の余裕を少しずつ削り取られて疲弊するだけなのに。

彼が私に優しくしてくれることはない。いつもいつも、反省を促しては急かすだけ。
それでも、嫌いになんてなれない。好きだろうが嫌いだろうが容赦なくやってくるのだけれど。

そんなことを繰り返して生きてきた。
これからもそうやって生きていくのだろう。

12月を支配する、彼の名はそう、NEN-MATSU.
足音はもう聞こえ始めている。

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