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プロジェクト全体を見ながら、関わる人たちのカラーを活かせる存在でありたい。|プロデュース事業部 アートディレクター 木村由佳

水星には、多様なバックグラウンドを持つ人材が集まっている。

プロデュース事業部の木村さんは、大学から大学院を通して建築を学んだ後、展示会やショールームなどの商環境のデザイン経験を経て、水星に入社。プロデュース事業部に発足時から参画して、現在は、10月に新設した水星 東京オフィスを拠点に、ホテルの企画・開発から、商業施設の空間設計、ライフスタイル関連のプロダクトのブランディングまで、キープレイヤーとして幅広いプロジェクトを手掛けている。

今回は、そんな木村さんにこれまでのご経歴から成長を続けるプロデュース事業部のチームやプロジェクトの内容についてお話をうかがった。

木村由佳 
1992年生まれ。埼玉県出身。早稲田大学創造理工学部建築学科卒業後 、同大学大学院建築設計/計画分野修了。新卒で株式会社博展に入社。空間デザイナーとして、イベントプロモーションや展示会、ショールームや店舗のデザインを担当。その後、株式会社水星に入社し、現在はプロデュース事業部に在籍。ホテルの企画やブランディングなどの依頼を中心に、空間やクリエイティブにまつわるクライアントワークを主に担当している。


建築を学んだ経験から、空間を関わるものづくりの世界へ

ーー学生時代の取り組みについて教えてください。

大学では建築学科の意匠専攻で、設計やデザインについて学んでいました。同級生は建築やデザインについて考えることが大好きな人が多い環境の中、私は、どちらかというとプロジェクト全体のデザインや見せ方を考えたりすることに関心を持っていました。建築業界の古い伝統が色濃く残っている学校や研究室にどっぷりと浸かりながら、どうやったら業界の内部に閉じることなく、色々な分野の人たちと手を組みながら新しい良いものづくりが出来るのかを考えていました。

ーー前職での経験、具体的な業務の内容について教えてください。

新卒で入社した前職の会社では、イベントプロモーション、展示会やポップアップストアなど、企業を人を繋ぐためのコミュニケーションにまつわる空間のデザインをする仕事に取り組んでいました。
業界内では比較的大きく、チャレンジ精神が高い会社だったので、規模の大きなプロジェクトを手掛けることも多く、営業職・プランナー職・デザイナー職・デジタルマーケティング職・プロダクトマネジメント職・製作職と部署や職種が細かく分かれているのですが、基本的に企画段階からプロジェクトメンバー全体で考えるため、デザイナーも大枠のコンセプト決めから細かいトンマナの調整まで責任を持って関わっていました。
チームで考えた企画案を元に、3Dでモデルを作り、CGパースでプレゼンをして、その後、図面を描いて最終的にはリアルに体験できる空間に落とし込むというのが大まかな仕事の流れです。学生時代に建築を学ぶ中で、小さなものでもいいので、全てを自分でつくる経験をしてみたいという思いから入社を決めました。

業界や職種の枠組みに縛られずに様々なプロジェクトに挑戦出来そうな水星に魅力を感じて転職を決意


ーー前職で経験を積んだ上で、キャリアチェンジを考えた背景、
水星への入社の決め手について教えてください。

企業様からのオーダーに基づいて限られた予算の中でベストな提案を考えるという仕事は楽しくて、自分にとって天職だと感じていました。そんな時に、COVID‐19の流行が業界を直撃して、一時期会社の仕事がほとんどゼロになってしまった時期があったんです。
思いがけずできた時間の中で、これから先の自分のキャリアについて、もっと長期的な視点に立って何を大事にするべきかを考えないと成長が止まってしまうのではないかと思いました。選択肢の一つとして独立も考えていたのですが、そんな時に、業界や職種の枠組みに縛られずに、様々なプロジェクトに挑戦が出来て、今まで出会ったことのない人に出会えそうな水星のプロデュース事業部の仕事が目に留まったんです。

ホテルは、ある一定の期間だけ人が滞在する空間という点では、私が手掛けていたポップアップイベントの空間と似ているところもあり、建物としての空間はずっと残り続けるものでもあるので、消費されて終わりではなく長く愛される空間をつくることが出来るのではないかというところに魅力を感じました。

ーー水星のプロデュース事業部でのお仕事について教えてください。

ホテルの企画・開発案件から百貨店の店内の空間企画、ブランドをより深めてもらうためのメディアのコンテンツ制作など、様々なプロジェクトを担当しています。主な専門領域は「空間に関わるところ」で、プロジェクトの進行管理から、建物の細かい設計や内装のデザインまで幅広く全体をみています。社外の専門家の方々と一緒にプロジェクトを進めていくことも多く、空間の設計やデザインでは、建築家の方々の思いをくみ取りながらクライアントの希望も叶えつつ、ゲストの滞在イメージや社会的な視点を持って全体をまとめていくというのが自分の一番の役割だと思っています。

必要があれば現地に視察に行ったり、スケッチやイラストを描いたり、実際に足や手を動かす機会も多くあります。今年の夏にあった新規のホテル開業に関する大規模なコンペティションでは、社内のメンバーと一緒に建物の図面を描いていました。
私たちはホテルというリアルな体験を提供する空間をつくる仕事をしていますが、その過程は、テキストやオンライン通話でのコミュニケーションが中心になってくるので、中々イメージや手触り感が伝わらないと感じることもあります。そんな状況の中で、図面は重要なコミュニケーションのツールだと考えています。もちろん現地に行って実際の街や土地を見たり、人に会いに行くことも大事にしています。

直近では、沖縄県で2つのホテルの新規開業案件をプロジェクトマネージャーとして担当しています。一つは沖縄本島北部の山の中につくる一棟貸しのヴィラで、もう一つは那覇の都心部に地域のランドマークとなる中規模のホテルを建てるというプロジェクトです。ホテルの新規開業は、予算も大きく、期間も数年単位で、本当に多くの方々が関わるものになるのでひとつひとつ人生を賭けてやっているという感覚なのですが、大きなやりがいを感じています。


※関わっているプロジェクトの一部


自分らしく、私自身の言葉で話せるようになってきた

ーー水星に入社して約2年ですが、ご自身の中で感じている変化などはありますか?

いい意味で肩の力が抜けた気がします。前職の時と変わらず会社の名前を背負っているという意識はあるのですが、より自分らしく、私自身の言葉で話せるようになったと思います。私は元々人前で話すことに苦手意識があって、新卒時代は、毎回MTGの前に自分が話すことをメモにまとめて準備していたくらいでした。年次が上がっても、大手企業のクライアントを相手にプレゼンテーションをする場合は、こんな風に話さないといけないという型があるような気がして、周りが思う理想の姿になれるように必死になっていました。

ただ水星に入社してからは、どんな相手であっても、自分の言葉で自分らしく話すことが大事だと思うようになりました。たとえ上手く説明出来ないことがあっても、社内のメンバーや、取引先の方々が温かく見守ってくれるので(笑)、発言がしやすく関係者との距離も近くなったと感じています。

今、プロデュース事業部では、若手のメンバーも入って来て、一部のメンバーの育成を担当しているのですが、後輩たちに対しても、「型にハマらないで、自分を出して欲しい」と思っています。会議の場ってはじめはどうしても萎縮してしまうことがあると思うんですけど、本当は全然遠慮する必要はなくて、思っていることを発言する方が大切なので、こっちが振り回されるくらいの方が私は嬉しいなと思っています。「わがままであれ」って伝えたいです(笑)


東京に拠点が出来たことで、これまで以上に様々な職種のパートナーさんとの繫がりを広げていきたい

ーー今年10月には水星の東京拠点がオープンして、プロデュース事業部には強力なメンバーが続々と加わっています。成長を続けるプロデュース事業部のチームや木村さんの今後の展望について教えてください。

プロデュース事業部の発足からこれまで、少ないメンバーで様々な案件をまわしていて大変な時期もあったのですが、今年に入ってから建築や広告代理店などの業界大手の企業で経験を積んだ方々が加わっていることもあり、チームとしての今後の成長がとても楽しみです。
また、10月の水星東京拠点のオープンに合わせて、私も生活と仕事の拠点を東京に移しました。水星のプロデュース事業部のプロジェクトでは、建築家やデザイナー、アーティストなど様々なクリエイターの方々とお仕事をご一緒する機会が多いのですが、東京拠点ができたことで、そうしたパートナーさんとの繋がりをさらに広げていけるのではと考えています。プロジェクトを進めている中で自分たちだけではできなさそうなことでも、「絶対にこの人と一緒にやりたい」という熱意が伝われば、自分次第で実際にお声がけすることが出来るので、これからまた新しい出会いをたくさんつくっていきたいです。

常に全体を見ていられる人でありたい


個人的な目標としては、常に全体を見ていられる人でありたいと思っています。水星に転職する時に、自分が関わるプロジェクトについて、職種や担当領域ごとに細分化されない、全部自分で責任を持ってみるという状況をつくりたいと考えていました。
デザイナー時代はあらかじめ予算が決められた状態で降りてくることが多く、もっとデザインの予算を確保してもらえたらいいものがつくれるのにともどかしい思いをすることもありました。
現在水星でプロジェクトを進める時は、はじめの予算の提示から担当しているのですが、最終的なアウトプットのクオリティーを意識しながら、自分で予算を管理して全体の調整が出来る数字も分かるアートディレクターでありたいと思って仕事をしています。

ホテルの企画・開発は本当にたくさんの要素、人が関わるプロジェクトです。予約の導線であるHPから、館内の空間や細かい備品、スタッフの接客など数々の要素が絡み合ってひとつの宿泊体験を演出するのですが、全体のバランスを見て、関わる人たちのカラーを上手く調整しながら、その時自分の描ける最大限のものをつくることに挑戦していきたいと思っています。

ーー最後に水星で働く魅力、一緒に働きたい人物像などについて教えてください。

やりたいことを成し遂げるために、根本からひっくり返して物事を見ること、小さいことは気にせず大きな視点で考えてみることなど、水星に入社してから多くのことを学びました。これまでの、自分に足りていなかった冒険的挑戦的視点を持っている仲間がいることが水星で働くことの魅力だと感じています。

様々な業界からバックグラウンドの違う人が集まるので、何事に対しても敬意を持って望む姿勢が大切だと思っています。







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