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制限のない開放的な空気を纏う|HOTEL in HOTEL連載vol.7「Shima Hotel 与論島」

「HOTEL SOMEWHERE」というオンラインのホテルへ、いろんなホテルが出向いていただく「HOTEL in HOTEL」連載企画。

ここでは、CHILLNNに掲載されているおすすめホテルの方々に、「HOTEL SOMEWHERE」へと来ていただき、「HOTEL in HOTEL」を実施します。と言っても実際に空間はないので、この記事こそが「HOTEL in HOTEL」。この記事の中だけはオンラインに存在する別のホテルなのです。

「HOTEL SOMEWHERE」の中で語られる日本中の素敵なホテルの物語。是非ご堪能ください。

今回、鹿児島県の離島で一棟貸しの宿を営む「Shima Hotel」様が登場します。

ーはじめに

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人口5,000人の小さな島、与論島。
チェーン店や高いビルはなく、そこにあるのは素朴で美しい景色。
空港から島の北側に10分ほど車を走らせると、鮮やかに輝く青い海がワッと目の前に広がります。
辺り一面に自然が広がるその場所に、赤い瓦屋根の、一際存在感のある建物が見えてきます。

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この場所は、約4年前まで飲食店「島の味八郎」として、20年以上に渡って島内外の多くの方に愛され続けていました。
止むを得ない事情で閉店後、空き家になっていたこの場所を自分たちの手でリノベーションし、Shima Hotelとして生まれ変わったのが、2020年3月のことです。

Shima Hotel正面

ー移住のきっかけ

きっかけは彼(Yusuke)の父からの一本の電話でした。

「与論島に空き家があるんやけど、自分で事業をやってみないか?」

「空き家を活かした事業をしたい」
という目標を持って東京の不動産会社に勤めていた彼にとっては、願ってもいない絶好の機会でした。
わたしにとっても、この挑戦できる環境は、早々に巡り合えるものではないと感じていました。
考えた末、当時漠然と持っていた「理想の未来」に近づけると確信したので、移住し、彼と一緒に起業することを決意しました。
関西で生まれ育ち東京で会社員をしていた私たちにとって、こんな素敵な場所で、宿をやっている自分の姿は、全く想像もしないことでした。

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島の方やお客さまにもよく質問されますが

「与論島が好きで来たんですか?」
「宿をやりたかったんですか?」

もちろん今はYESなのですが、実際の過程は異なります。
私たちの場合は

「①好きな場所&やりたいことがある→②移住起業」

ではなく、

「①チャンスがある→②移住起業→③好きな場所&やりたいことになった」

という順番でした。恵まれていましたね。

ーなぜ宿なのか

巡って来たチャンスに対し挑戦を決めた私たちは、透き通る与論島の海を贅沢に眺められるこの場所をどう活用するのが良いか、何度も何度もシミュレーションしました。
その中で、行き着いたのが、「1日1組限定 絶景貸切の宿」だったのです。

最初から宿泊業を目指していた訳ではなく、一棟貸しにしようと決めていた訳でもなく、自然あふれるこの土地をどう活かすかを考えた結果でした。

画像5▲ ほぼ手作りのバスルーム。元飲食店の厨房の一部をDIYしました。

敷地内に数棟が並ぶヴィラタイプの宿は、特別感はあるものの、周りに建物やひと気があると、完全に開放的な気持ちになれない部分がありました。
1日1組限定という形になったのも、
「この場所の魅力を制限なく堪能していただきたい。」という強い想いからです。

時間に縛られず、その時の気分で自由にやりたいことをやる。
人の目線を気にせず、絶景を独り占めできることを楽しむ。

この贅沢さに気づいたときには、きっと微笑みながら深呼吸をしています。

画像5▲ パノラマオーシャンビューの寝室
画像5▲ 隣接するプライベートビーチ。誰もいない海は格別です。
画像5▲真隣には小さな港が。いつでもふらっと気軽に楽しめる釣り。
画像5▲ 満点の星空を独占。周りを気にせず楽しめます。

この制限ない開放的な空気感が、Shima Hotelそのものなのです。
そして、その空気感を作るために、オーナーである私たちが大切にしていることは、「親しみやすさ」です。
また戻ってきたくなる居心地の良い場所でありますように。
私たちは、お客様を見送る時「いってらっしゃい」と言います。
決まり事ではないのですが、いつしかそう言うようになりました。

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周りには海と自然しかない非日常な環境なのに、まるで家のような自由さでくつろげる、というと昔ながらの生活のようですね。

このスタイルが、本能的な癒しを与えてくれるのかもしれません。

文:山本 真衣 (Shima hotel 与論島)


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