見出し画像

家が安全ではない人のために #stayHOTELstaysafe と伝えたい

こんにちは。日々のホテル経営に思いを巡らす連載マガジン『ホテル経営企画室』へようこそ。

最近はアパホテルの軽症者・無症状者の受け入れ開始や、楽天・三木谷さんのホテル提供の呼びかけなどがホテル業界では話題です。

アパホテルや三木谷さんが新型コロナウィルスの軽症者・無症状者の受け入れを決定したことに関して、総合的に見ていい決断であると感じています。当初より、今回のパンデミックの最大の懸念点は医療崩壊であったため、多くの軽症者・無症状者の病床を医療機関ではなく宿泊施設にて確保することは合理的であり、医療の負担を減らし、宿泊施設の経済的維持にも効果的であると考えています。

実は、金曜日に、大阪府の陽性患者を受け入れるホテルの公募が開示されたため、私たちのホテル『HOTEL SHE, OSAKA』でも申請してみたのですが、100室以上の規模がないと難しいようでした。効率性の観点から仕方ないことかと思いますが、おそらく他の都道府県でも同じような規定が設けられるものかと思われます。

ホテル業界に身を置いている感覚から言いますと、軽症者・無症状者を受け入れたいと思っているホテルは無数に存在しています。実際問題、緊急事態宣言が間も無く発動される状況下で、ほとんどのホテルは稼働がゼロに近い状態になっています。そんな中で、たとえ陽性患者であったとしても、微々たる金額であったとしても、顧客を受け入れるという意思決定は非常に合理的であり、かつホテル業界における多くの経営者が望んでいる判断です。

先日話題になりました楽天の三木谷会長のこちらのツイートにもある通り、現時点で既に744施設が軽症者・無症状者の受け入れに対して前向きです。

もちろん、運営の効率性の観点から大規模なホテルや、駅に近いホテル、病院に近いホテルが選ばれていくことは合理的であり、仕方ないことだと考えています。

では、私たちのように中小ホテル事業者ができることは一体なんなのでしょうか?大手のようにたくさんの客室もなければ、駅直結でもない、そんな私たちのホテルも、ブレーカーを落として眠らせておくだけではなく、社会に貢献できることがきっとあると思うのです。


家が安全ではない人のために、
ホテルがシェルターになる

『家で過ごそう』

感染症拡大の防止のためにもっとも効果的で、そして現在もっとも呼びかけられているメッセージです。もちろん、私も家で過ごしています(余談ですが、毎日仕事するかスキンケアするかしかすることがないので肌質がどんどん良くなっています)。

でも、視点を変えれば STAY HOME という言葉では救われない人々がいます。家庭内暴力や虐待に苦しむ方や、そこまでいかなくても、家庭内の不和を抱え、苦しんでいる方などにとって、外出自粛は家族のトラブルを増幅させてしまいます。そのようなストレスから逃げ出したい、距離を置きたいという方も、少なからずいらっしゃるでしょう。


また、生活のために家で過ごしているわけにはいかない方々がいます。医療関係はもちろん、スーパーやドラッグストア、鉄道やバスなどの公共機関など、社会生活の維持のために、在宅ではできない仕事に従事している方々がいます。そして、帰宅したら家族の子供や高齢者にウィルスをうつしてしまうかもしれない不安と戦いながら働いている方々がいます。

実際に、三世代で同居している家庭がクラスターとなってしまうケースも懸念されています。


もちろん、家にこもれるのが一番です。家で踊るのが一番。
家から一歩も出ずに、布団にくるまってNETFLIXをみて過ごしたり、zoom飲み会をしたり、slackを駆使して在宅ワークをしたりできるのが一番。

でも、世の中には様々な事情で、その『家』が安全ではない人がいます。
社会を守るために、家にこもっているわけにはいかない人がいます。

決して少なくはない、そんな方々と、その家族のために、私たちホテルがシェルターとなって守りたい。そう願い、新しいプロジェクトを仕込んでいます。

その名も、『HOTEL SHE,LTER(ホテルシェルター)』。

詳細は、来週月曜日に予定されているリリースをお待ちいただくか、待ちきれない方は前回の記事をご覧ください。

現在はこのプロジェクトに全力を注いでいます。どうか楽しみにしていただけますと幸いでございます。


感染拡大防止を踏まえたホテル運営ガイドラインの
オープンソース化をしよう

『HOTEL SHE,LTER』プロジェクトを進めるにあたって不可欠であり、現在のホテルシーンにとっても必要であるプロジェクトとして、コロナウィルス感染拡大防止を前提としたホテル運営ガイドラインの作成を進めたいと思っています。

現在、私が何よりも心配していることは、


ここから先は

2,811字 / 5画像 / 1ファイル

ホテルプロデューサーの龍崎翔子が日々考えていること、これからやろうとしているアイデア、実現までの取り組みなど、ヒント満載のコラムをお届けす…

よろしければ、ぜひサポートをお願いします💘いただいたサポートはホテルのさらなる満足度向上のために活用させていただきます🙇🙇