彗星読書倶楽部

人と人を書物でつなぐためのサイト&プロジェクト『彗星読書倶楽部』。 毎週日曜、オンライン読書会を開催しています。 講座イベント『彗星教室』、音声配信など、本に関する企画を今後もたくさん発表します。 https://suiseibookclub.com/

【1日1読】白っぽい星はどんな味がするのか 稲垣足穂「星を食べた話」

ある晩露台に白ッぽいものが落ちていた 口へ入れると 冷たくてカルシュームみたいな味がした  何だろうと考えていると だしぬけに街上へ突き落とされた とたん 口の…

【1日1読】 石と血と鉄とで、 きみと僕は作られている エリティス…

石と血と鉄とで きみと僕は作られている。 (……) いっしょに行こう。勝手に石を投げさせよう。 「頭は雲の中さ」と言わせて置こう。 奴らは感づいていないさ、 友よ、我…

【1日1読】破滅に抗うために、友と爪先立ちで支えるのなら 吉本隆明「落日の歌」

わたしたちは街々の建物のうしろがはに落ちてゆく赤い夕日にむかつて しだいにずり堕ちてゐる わたしたちの構成したすべての建築は刻々と破滅しそうである いまこそ爪立つ…

【1日1読】幼児はわたしにうなずいてくれる 吉本隆明「詩への贈答」

けふの夕日が構成してゐる色のうち 緋色からひわいろにいたるまでの複合色彩を分離し 眠りかかつてゐる幼児にそれをゆび指してやる いちいちうなづくように頸を動かす幼児…

【1日1読】世界は彼によって燃されるために在る 中島敦「悟浄歎異」

悟空は確かに天才だ。これは疑いない。それははじめてこの猿を見た瞬間にすぐ感じ取られたことである。…… この男の中には常に火が燃えている。豊かな、激しい火が。その…

【1日1読】空を飛ぶ野鴨を見上げたアヒルは自分も飛ぼうと試みる サン=テグジュペリ『人間の土地』

野鴨が移住の時季に空を渡ると、彼らが見おろす地上に、不思議な現象が起る。それは家鴨(あひる)たちが、空の大きな三角形の飛翔に誘われるもののように、不器用に飛び上…