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■グッときた生徒さんの水彩画

水彩教室の生徒さんが描いた水彩画で、
驚くような傑作に出会うことがあります。

そこで今回は、魅力的な水彩画、心打たれる水彩画を
14点をご紹介します。

※まだまだ沢山あって、選ぶのが難しかったのですが、
他の方の作品はまたの機会にということで・・。

では、早速ご覧ください。

見事な構図の工夫


「とうがらし」 特別水彩画講座 NNさん(女性)

描写が適格なことは言うまでもありませんが、驚くべきは 巧みな構図づくりです。 一束の唐辛子がモチーフの この 一見シンプルな構図ですが、それを全く感じさせない 動的な画面表現へと変化させて います。辛子一本一本の形状がくねくねと曲がり、 あらゆる方向に向いた様子は、単純なりがちな構図を見事に打破しています。 辛子それ自体が音楽のようなリズムで舞い踊っているかのような楽しさを感じます。


モチーフへの深い愛情

「October 」 特別水彩画講座 NNさん(女性)

冬枯れした紫陽花やほおずき、蓮の花托などが一つ一つ丁寧にそして繊細に描かれています。 制作にかなりの時間を要したと思いますが、決して重々しくならず、それでいて鑑賞者を 少しも退屈させない魅力があります。特に細密な箇所、省略する箇所と抑揚をつけて 描いているところが、単なる描写に留まらない芸術作品に昇華させている理由でしょう。 きっと作者は深い愛情を持って制作に取り組んだことでしょう。

ユニークな背景の扱いが魅力

「チューリップ」 特別水彩画講座 ITさん(女性)

チューリップのなんと立体的なことでしょう。厚い花びらの質感もよく出ています。 そして何より、背景の扱いが秀逸です。周りの松虫草を描写的にではなく、デザイン的に、 模様的に描かれて絵いるところが、何とも個性的で興味深いです。まるで後ろに美しい 壁があるかのような不思議な感覚にさせられます。ずっと見ていたい作品です。


極めて高い完成度

「皿の玉ねぎ」 特別水彩画講座 ITさん(女性)

非常に完成度の高い作品です。光に照らされた玉ねぎの質感がとても印象的です。 背景の色は玉ねぎと補色関係ある紫系の色を多用していて、目を引く配色になって います。通常ここまで描き込むと、ムラが出来たり重々しい作風になったりしますが、難なく完成されていることに感嘆します。

透明水彩らしい作風

「杉木立の中で」 藤沢金曜水彩画教室 KT(女性)

奥行きを感じさせるバランスの良い構図で描かれ、鑑賞者をこの風景の中に誘ってくれます。実際の風景はもっと暗く鬱蒼した雰囲気だと思いますが、それを全く感じさせない軽やかな作風になっているところに、この方の力量を感じさせます。杉の幹を様々な明るい色で、枝葉や草はも遠くへ行くほど淡くシンプルに描かれ、正に透明水彩らしい作風になっています。


楽しく明るいイラスト表現

「かわいい家」 藤沢金曜水彩画教室 DEさん(女性)

題名の通り可愛いお家ですね。家や玄関・窓の輪郭線を強めに、色彩は淡くして 極力画風が重くならないように配慮し、それでいて濃くすべき箇所はしっかりと 塗り、メリハリのある仕上がりになっているあたりは流石です。 鑑賞者をとても楽しく明るい気持ちにさせてくれる作品です。


月夜の陶酔の世界へ

「月来香」 藤沢土日水彩画教室 NMさん(女性)

題名にある「月来香」とは、月下美人の別名ですが、月夜に咲く透けるような 白い花びらがとても美しいですね。2輪の月下美人のうち、手前は複雑な形、 後ろはややシンプルな形にすることで、作品に変化や動きを出しています。 更に背景に散りばめられた雪のような白い光によって、どこか謎めいた陶酔の 物語へと私達を引き込んでくれます。


日常の何気ない街の風情

「路地」藤沢金曜水彩画教室 STさん(男性)

料理屋の厨房を主役にした作品だと思いますが、午後の何気ない光景を捉えた ほんのりと心温まる作品だと思います。まず厨房の中にいる料理人に目がいきますが、 ひたむきに作業する姿がどこかデフォルメティックで、ほっこりとします。 外壁の木目も温かい感じがすますし、更に右横の電信柱、左下の黒猫、遠くに見える 乳母車を押すお母さんが、下町の雰囲気を作り出し、見事に名脇役を果たしています。


彫像と空間表現のバランス

「十戒」藤沢金曜水彩画教室 STさん(男性)

「十戒」と題されたこの作品、威厳に満ちた彫像と背景とのバランスが絶妙 だと思います。大理石の彫像の流れるような陰影表現、それに合わせるために、 背景を敢えて濃くせず、微妙な濃淡で空気が漂うように描かれたな空間表現に、 心地よさを覚えます。


小気味よい配色

「青いオウム」 藤沢金曜水彩画教室 SSさん(女性)

鳥の難しさは羽根の表情に囚われずに、全体的な立体感を出すことです。 しかし作者は1枚1枚の羽根を丁寧に描きながらも、オウムのふっくらと したボリュームを見事に表現しています。また背景とオウムの配色が とても美しいこと、滲みの配置も絶妙なことは注目すべき点です。


野菜の素朴な美しさ

「籠の野菜」 藤沢金曜水彩画教室 MTさん(男性)

可愛らしい野菜が籠の中で色とりどりに並んでいて、鑑賞者を楽しませてくれます。何とも言えない味と言いますか、プロの絵描きには真似ができない素朴な力を放っています。各野菜が立体的のような、そうでないような、とにかく不思議な感覚の中にも、ほっとさせられる作品です。


まさに日に向かう命

「向日葵」 ヨークカルチャー大船教室 TM(男性)

向日葵は僕も何度も描きましたが、花びらの開き具合が上手く描けなかったり、 種の部分が濃くなってしまったりと、結構難しい花です。作者はこの花の難点を 克服し、一つの秀作に仕上げていることに感動します。 向日葵が太陽に向かって 、静かに力強く生きている様子が伝わってきて、私たちも元気に生きなくては、 そんな思いにさせられます。


花と葉の構成力

「水の妖精」 ヨークカルチャー大船教室 TM(男性)

水連の花と葉が水面の上で美しく構成されています。2輪の開いた花、所々につぼみ、 そして大小の葉というように、巧みな形作りと配置でバランスを取っています。 更には葉の色や濃さが一つ一つ違うところに、目を奪われます。実際の状態がどうなって いるかではなく、私はこう描きたいという強い意図が感じられます。 題名にある「水の妖精」らしく、清らかでどこか可愛らしい雰囲気が漂っています。



寂びのある和の世界

「水面の紅葉」 ヨークカルチャー大船教室 KMさん(女性)

池の白い波紋が、ひときは目を引きます。静寂の中、唯一動的なもの(波紋)が秋の石庭に 表情を与えています。 池の色はこげ茶と紫を混ぜたような暗い色をしていますが、水の透明な 質感が完璧に表現されていて、凛とした美しさがあります。実に難しいモチーフだと思います が、ここまでの高い完成度の作品は決して多くないでしょう。


今回のお話しはここまでです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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