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ド失恋後のマッチングアプリ譚

大学を卒業したあとも、大学で出会った女の子の後輩といまだによく酒をのみに行く。

私たちはお互いお酒を飲むこと好きで、おそらくのみたがりで酔いたがりなのだ。
月に一回はのみに行くペースを保っている。

桜が散って新緑のまぶしい季節、その日は新宿三丁目にある『呑者家』に入ってビールを煽っていた。

気温が徐々に生ぬるくなるような季節にふさわしく、私と後輩はマッチングアプリについて熱く語り合っていた。


というのも、昨年のクリスマスの一週間前、私は手痛い失恋を体験した。

高校一年生の頃から8年付き合った彼氏(都庁勤めの公務員)に振られ、その元彼氏は即職場の女性先輩と付き合いだした。という感じであっけなく乗り換えられてしまった。(元彼氏はその女性に気持ちが移ったのは決して私と付き合っている間ではなく別れた後だと熱弁していたので乗り換えというより急行電車の待ち合わせか?という驚きの速さだった)

当時24歳だった私の受けたショックと言うと、私史上それはハンパなものではなく、その報告をラインで知らされた瞬間に身体の震えがはじまり、深夜にもかかわらず唐突な吐き気に襲われて胃は空っぽとなり眠れない夜を過ごすことになった。朝になったら何か変わるんじゃないかと思ってあた。こんなにも早く明けてほしいと願う苦しい夜が訪れるなんて、生きていることは恐ろしいな!!!と、人生というものに心から絶望した。

翌日からの憔悴の仕方はまさに憔悴の見本と言うべき程、見事に無様なものだった。私が食べ物の中で一番好きな白米が全然食べられなかった。

そんなことあるんだーウソー漫画ですか?と笑える状況下にあった。当時は笑えなかったが。
1週間は食べ物をロクに摂れなくて、心の問題で肉体に支障が出るなんて人間の体って不思議!って思った。理屈じゃない体調の変化に驚いた。

つらい失恋したから、ご飯が食べられないから、気力がないから、といった理由で仕事を休むということは社会人としてあるまじきことだろ…怒

とフリーターのくせに謎のプライドがあったため、仕事を休むということだけはしなかった。

が、職場では社用パソコンで暇さえあればとにかくハウコレやモデルプレスなどの恋愛まとめサイトをめっちゃ見ていた。もうめちゃくちゃ読んでた。最悪である。検索履歴が地獄になってたと思う。

「失恋後にやってはいけない5つのこと」

「立ち直るためにすべき10のこと」

的なコラム記事をハチャメチャに読み漁って、もう自分恋愛アドバイザーになれるんじゃないの?と思えるほどの質より量を読みこんだ。ネット上のライターがテキトウに妄想して書いているだろう本当か嘘かわからないそれらのエセ知識でもって自分の精神を必死に立て直そうしようとしていた。

だけれどやはり一向に元彼氏への執着(決して愛情ではないなにか)の気持ちは捨てられなかった。

そんな中で転職し、新しい職場の生活にもまだ慣れていない頃に自分の中で何かが壊れた。


「もうとにかく他の男性を見てみるしかない!!」 という思いが爆誕。


そしてGW休暇中にマッチングアプリをめちゃくちゃやりはじめた。

設定したプロフィール画像は酔っ払った時に友達に撮られたブレブレの写真。プロフィール文は「やっほーい」みたいなふざけた一言のみ。真剣真摯にアプリをやっている人たちに喧嘩売ってる。一万回反省するべきだと今では思う。


そんなテキトーに始めたアプリでも女性側の登録者は少ないのでどんな人でもそこそこ「いいね」的なものがくる。おそろしい。

メッセージのやりとりもそこそこに、緊張で吐きそうになりながら待ち合わせた新宿駅へ。どーもー!と漫才の入りのような空元気の挨拶で突っ込む。

最初に会った人は意外にもいい人?で普通にコミュニケーションのとれる人だった。その男性は、坂口健太郎と綾野剛を足して2で割ったような清潔感のある男性だった。今考えれば私が関わったことのない恐ろしく綺麗な顔をした男性だった・・・。一般的にイケメンと呼ばれているのではないだろうかと思うし、絶妙に服のセンスなどもよかった。

そして居酒屋で2時間ほど会話をし、円満に解散した。

初対面なおかつお見合いのような面接のようなそんな複雑な前提で会う異性とサシでお酒をのむということは、かなり気合いがいる。自分は酒なしだったらまず無理だろう。マジキツイ無理。

なので酒の力は偉大であって、どんなに緊張していても多少はゆるい雰囲気になれるのがありがたい。
こういう時、お酒があると楽だな〜〜と思う。
自意識をとっぱらってくれる、自分を楽にしてくれるなと思う。

アルコール依存者のようなヤバい意見だと思う。

それからは水を得た魚のように何人かの男性とのみにいった。


果たしてマッチングアプリで私は出会うことができたのか、元彼氏とのSNSは相互フォローを断つことはできたのか。

乞うご期待!


という感じで、飲み屋で後輩に事細かくマッチングアプリおすすめ!的なプレゼンをしたのでした。

結果的に5つアプリをやったのだがその結果については…どうでしょうね。


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