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【映画】「リリーのすべて」の小道具

画家夫妻が主人公の映画だったので、気になったことを私なりの視点から書きますね。ネタバレを含みます。ご注意下さい。

ふたりとも洋画家です。美術学校時代からの交際を経て結婚したようです。奥様から誘ったとか?

夫は風景画家。
妻は人物画家。
最初は夫が有名でしたが、途中で逆転し、妻が先にパリで個展を開きます。個展の内容は夫の女装姿を絵画化したものでした。この頃より夫は筆を折り、妻の助手を努めるようになります。
ふたりとも作風は具象絵画です。

スケッチをするのは専ら妻です。
画板の上に紙を置き、鉛筆ないしは木炭を使ってしていました。
私の夢を体現化してて憧れました。何ですかって?言いませんよ。ただ、同じ発想をする人がこの世には居るのですね。摩訶不思議。

自宅アトリエで同室で隣り合って制作しています。共用している割にすっきりと片付いた印象を受けました。
譲り合っている感じですね。

制作中はイーゼルに立てかけています。これは現在も一緒ですね。

自前で絵具を作っています。
チューブ式の絵具も併用しています。
自前での絵具の作り方は、美術系の学校で教えられている方法です。拘る絵描きさんは今でも油絵具を自作しますよ。

パレットやら筆洗器やら油壺やらマイナーな部分ですが、何やら現在の形と違っていましたね。

キャンバスへの下書きは木炭です。

木枠に生の麻布を張っていました。
所謂キャンバスの原型です。
キャンバスの裏側、木枠側から撮影しているシーンが複数回あったのですが、どうやら下地を作っていない様です。
麻布を支持体にするには下処理が必要な筈ですが。
制作途中の作品が写っていたのですが、矢張り下地を作っていない様子でしたね。
色が死んでいますよー。

生の麻布に描くのは表現としてあっても不思議ではないのですが、ふたりの作風からいってもそう説明するのは乱暴ではないかと思うのです。

此方がちょっと気になりました。私は油彩を専攻したわけではないのでよく判りません。詳しい方いらっしゃいましたらご教授下さいませ。

画材の扱いの部分だけ、もう一度鑑賞したくなりました(笑)

マニアックですかね?

色んな方がふたりの関係を「愛情」だと言ったり「友情」だと言ったりされてますけど、私は「同士」だと思うんですよね。

同じ絵描きとして。

特に妻にとって夫の女装姿(後にリリーという女性となる)は自己の絵描きとしての開花を助けた言わば恩人なんですよね。

これから夢のない話をします。
妻は本当の意味では生まれついた性と内面の性の不一致に苦しんだ夫を理解していなかったんじゃないかと思います。

自分が夫の内面の性を表に出してしまったんじゃないかという感情を拭い去れなかったのです。

苦悩を解放するためにリリーの死後も彼女の肖像画を描き続けたんですよ。きっと。
リアルに想像すると狂気すら感じるのは私だけでしょうか?
本当に夢がなくなりましたね、すみません。

以上です。
投げ銭歓迎(笑)

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