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自作ソロジャーナル遊んでみたログ

最近はまったソロジャーナル/ソロジャーナルRPG/ソロジャーナリングですが、自作したものを遊んでみたのでログです。
このシナリオを遊んだのは2回目です。
1回目は描きたい感じのいいプロットができたので今後漫画にしようと思います。
2回目はちょっとグロいショートストーリーになりました。
星の数ほど見た盗賊と姫という組み合わせですが、今回は王道のストーリーにはならなかったです。
ホラーとかグロとかが苦手な方はご注意ください。(グロ要素軽めです)


↓遊んだのはこちらです。良かったら遊んでみてください↓


~ここからプレイログ~

ソロジャーナル『星の数ほど見た盗賊と姫の物語』プレイログ

■サイコロ結果

場所:ファンタジー世界

盗賊は姫を:生贄にするために攫った

姫は盗賊の:役に立とうとする


■1日目

この洞穴に俺たちの隠れ家があることは誰も知らない
ここまで来れば安全だ。俺たちはソリを降りて大事な積み荷を降ろした。

依頼主あいつらが約束した、城が買えるほどの報酬が出る仕事。
手付金だけでも相当な額だったがまさか本当に成功するなんて。
警備兵にやられて仲間の何人かは死んだようだが、そのぶん分け前が増えていい。

でかい木の箱を数人がかりでソリから降ろした。
この箱は攫った姫の部屋に置いてあった派手な装飾のついたチェストだ。
ちょうどいい大きさだったんでクッションやら布やらを詰めて姫を閉じ込めて運んできた。

蓋を開けると薄手の寝間着を着た華奢な身体がピクリと動き、
優雅な動作でゆっくりと頭を持ち上げる。
髪に編み込まれた布の飾りがシャラシャラと微かに音を立てた。
ぱちりと開かれた緑色の瞳が箱を囲む俺たちを見据える。

ごくりと誰かが喉を鳴らした。
改めて見ても本当に綺麗なお姫様だ。
髪はまるで銀色に輝くシルク、肌は雪のように白く滑らかで陶磁器のよう。
瞳は光を当てたエメラルドみたいにきらきらと緑色に煌めいている。

こんなに美しい生き物を見るのは生まれて初めてだった。
ただ、残念ながらこの姫様はあと数日で生贄として捧げられるらしい。

依頼主によると今年は100年に一度行われる
世界樹に生贄を捧げる儀式の年だそうだ。
その生贄に選ばれたのがこの姫様というわけだ。

■2日目

仲間たちの中で姫を逃がそうとした奴がいた。
見張りに見つかって阻止されたが、どうやら姫を死なせるのが惜しくなったらしい。
あの宝石のような瞳に魅入られたか、それともにじむような唇の赤に惑わされたのか。
もうすぐ大金が手に入るというのに馬鹿な奴だ。

それからは数人のグループを作って交代しながら姫を見張った。
だが姫の周りでは誰もが別人のような振る舞いをする。
みんな頭がおかしくなってしまったようだ。

■3日目(♢10)

仲間たちが言っていたことが俺にも分かった。
俺も何度かあの女の目に吸い込まれそうな感覚を覚えた。
俺たちを心底嫌悪しているあの目だが、近づいて覗き込むと
全てを包み込むかのような懐かしさと甘美な誘惑を感じた。
不思議な心持ちだ。だが同時に恐怖も覚えた。
あの女にはあまり近寄りたくない。

■4日目(♠9)

また姫を逃がそうとする裏切者が出た。しかも今度は一人じゃなかった。
そいつらは姫を助けるために見張りの奴らを殺した。
仲間を殺したら自分たちも問答無用で処刑されることが分かっているのに。
そいつらは処刑される直前まで姫を逃がせと叫んでいた。

全てが終わった時首輪で鎖に繋がれた姫が目の端に映り背筋がぞくりとした。
闇の中で二つの緑色の瞳がらんらんと光っているように見えた。
無垢な姿をしているがあいつは…悪魔なのかもしれない。
俺はあの瞳が怖い。

この日俺たちは夜中になっても起きていた。俺たちはお互いを信用出来なくなっていた。
気が立っているせいで仲間たちの誰かが言い争いを始めた。
言い争いはすぐに殴り合いと罵り合いに発展した。
ケンカはしょっちゅうあったがここまでひどいことはかつてなかった。

頭がおかしくなりそうだ。俺は洞窟の奥のほうで息をひそめる。
明日になれば大金が手に入るんだ。こんなところで死ぬわけにはいかない。

■5日目(♣1)

やっと依頼主との約束の日だ。あの女と過ごすのも今日で最後だ。
引き渡せば大金が手に入る。女は諦めたのか落ち着いている。
今日は瞳に嫌悪の色はなかった。
うっすらと笑みを浮かべているように見えて気味が悪い。

おかしい。依頼主がこない。早く引き渡したいのに。
おかしい。仲間が誰も起きてこない。

ズブリ

ふいに胸のあたりが焼けるように熱くなった
なんだ…?これは…

背中から胸へ尖った槍のようなものが俺を刺し貫いていた。
血に染まってぬらぬらとしたそれは
絡まり合って尖った木の根のように見えた。

ズズッと体中にミミズがはい回るような気がしたかと思えば
その不快な感覚は胸のあたりに集まっていき一気に体が冷たくなった。

「ごくり ごくり」と木の根が俺の血を飲み干したのだ。

ほんの一瞬の出来事だった。
俺の視界は暗転し、もう何もわからなくなる。

■END
「姫様」声をかけられた銀色の髪の少女は、
ベッド代わりにしているチェストの中に詰められたクッションに横になったまま、声のした方向を見た。
黒い布を頭から被った幽霊のようないでたちの集団が洞窟に入ってきた。

「早かったじゃないか」

足を箱の外でプラプラさせながら少女はそう言って笑った。
黒頭巾の集団は儀式が無事に終わったことを確認して安堵したように頷き合った。

世界樹を崇める『信奉者たち』は生贄の血によって次の100年を過ごすための力を得た姫様に恭しく頭を下げた。

~END~

お読みいただきありがとうございました!
ちょっと拾えなかった部分もありますがとても楽しく作れました。
勢いで書いていますので不備がありましたらすみません。

ソロジャーナルRPGこれからも制作もプレイもやっていきます。
気になる方はフォローいただけると嬉しいです。

睡夏 SUIKA


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