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短歌

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2023年11月の記事一覧

うたの日に出した短歌33

うたの日に出した短歌33

11/23 題「スパゲッティ」
スパゲッティも折られたくないだろうから大きいお鍋でぐらぐら茹でる

11/24 題「咎」
入浴後楽しみにしてたガリガリ君を食べた父を咎め立てる子

11/25 題「ダーリン」
ねえダーリン帰りに牛乳買ってきて(飾り付けの時間稼ぎがしたいの)

11/26 題「紫」
メビウスもわかばもセッターもマルボロも燻る紫煙は同じに見える

11/27 題「斗」
今朝少し寝坊した

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鳥

閑古鳥が合唱するような店だけどあなたが来てくれればそれで

「もしもしオレ息子だけど」カッコウはサギよりオレオレ詐欺が上手

上野の未来を見つめるハシビロコウ 口を大きく開けて笑う

鳩が私目掛けて滑空飛行 どちらが避けるかチキンレース

柵の中鮮やかなフラミンゴたち自然と私の右足も浮く

ここ最近インコとしか喋ってない 声が少し似てきた気がする

当たり前のように後ろを付いていきペンギンのつもり

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うたの日に出した短歌32

うたの日に出した短歌32

11/18 題「恨」
貴方はもう気付かぬでしょう私が貴方を一生恨んだ事を

11/19 題「どんぐり」
どんぐりを通貨として使用する子 クヌギはコナラ5個分の価値

11/20 題「リップクリーム」
色付きのリップクリーム忍ばせて放課後に寄るジャスコのプリ機

11/21 題「楽器」
君の部屋には珍しい楽器がありどれの音色も知らず過ごした

11/22 題「渦」
様々なクレヨンで吾子が描く渦をカレ

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うたの日に出した短歌31

うたの日に出した短歌31

11/13 題「切」
卒アルのページで切った指先の滲む血に似た表紙の色

11/14 題「ほとばしる」
やや柔い茹で卵をレンジにかける 小爆発でほとばしる黄身

11/15 題「ポトフ」
厚切りのベーコンをかごに入れる母 今日の晩飯はポトフかカレー

11/16 題「石焼き芋」
湯気の立つ石焼き芋を骨ばった手で割り大きい方をくれる祖母

11/17 題「ウーパールーパー」
食育として1年間お世話し

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うたの日に出した短歌30

うたの日に出した短歌30

11/8 題「町中華」
真夜中の町中華にて町中華味の麻婆豆腐を食べる

11/9 題「惑」
年齢も不惑になってまだ私は朝餉のご飯かパンかを悩み

11/10 題「自由詠」
あと一つ そろそろ止そうか止すまいか 考えながらつまむ銀杏

11/11 題「次」
次はいつ逢えるのだろう 名残惜しく絡めた指を解けずにいる

11/12 題「節」
ガリガリ君片手に御節の予約をし どこかで聴こえる鬼の笑い声

うたの日に出した短歌29

うたの日に出した短歌29

11/3 題「ノア」
私の作るノアの方舟にはハシビロコウをたくさん乗せる

11/4 題「節」
節分って年に四回あるんだよと年に四回聞かされている

11/5 題「瀬」
生き死にの瀬戸際に来て君はまだ今晩の飯のことを考え

11/6 題「金」
金縛り指一本も動かせず頭上から降る知らぬ女の声

11/7 題「音楽室」
カーペットの毛玉ちまちま摘みながらエーデルワイスを聴き流してる

うたの日に出した短歌28

うたの日に出した短歌28

10/29 題「群馬/栃木」
75年ぶりに出来た路面電車に乗って街の餃子屋巡り

10/30 題「「珊瑚」と「百」を詠み込んで」
姫百合を手に海岸で佇む君の着けてる珊瑚のピアス

10/31 題「500週間あれば何とか出来そうなこと」
500週先の私はもう少し素直になれているのだろうか

11/1 題「木」
生ハムの原木家にあったなら残業時間がちょっとだけ減る

11/2 題「青」
古ぼけた豚の貯

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うたの日に出した短歌27

うたの日に出した短歌27

10/24 題「ムエタイ」
微笑みの裏に隠した感情を足先に乗せスパーリング

10/25 題「スモモ」
百円玉握りしめて駄菓子屋で買うすもも漬け汁まで飲み干す

10/26 題「北極星」
星空も見えぬ街で北極星の代わりとなったスカイツリー

10/27 題「壺」
陶芸家が丹精込めて一つひとつ焼いた壺漬けカルビ用の壺

10/28 題「頭痛」
重だるい頭の痛みで目を覚ます 朝日差し込まぬカーテンの隙

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