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短歌

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2023年10月の記事一覧

うたの日に出した短歌26

うたの日に出した短歌26

10/19 題「無花果」
2割引の無花果を買う お砂糖と妬み嫉みと合わせて煮込む

10/20 題「午睡」
短めの午睡から覚めた14時街は未だ微睡んだまま

10/21 題「うっちゃり」
布団を背に駆け寄ってくる子を持ち上げ腰そらし投げる 決まり手:うっちゃり

10/22 題「蘞/刳/醶」
蕗の薹は蘞味があるのが良いのだと云った父と同じ歳になり

10/23 題「カボス」
「唐揚げにはすだちが合

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うたの日に出した短歌25

うたの日に出した短歌25

10/14 題「盗」
好きなおもちゃを盗られないようにソファーの座面の隙間に隠してる猫

10/15 題「粋」
粋なとこ見せようと無理に背伸びして そういう所割と好きだよ

10/16 題「季」
夏の間は夏期休業と謳った店 今もずっと休んでいる

10/17 題「地方局の番組」
ひとり旅ビジホのテレビをつけてみる 最近見ないと思ったらここに

10/18 題「倫理」
倫理的に道徳的に考えて俺はお前

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うたの日に出した短歌24

うたの日に出した短歌24

10/9 題「電子レンジ」
冷凍パスタ チンと鳴るのを待ちながら鼻歌に乗せオリジナルダンス

10/10 題「自由詠」
良薬を口いっぱいに詰め込んで 苦いねとふたり笑い眠り

10/11 題「自由詠」
白飯の中にぽつんとしそ梅干し 味消えるまで種をしゃぶる

10/12 題「里」
泥付きの里芋を水から茹でる 君のためだけの丁寧な暮らし

10/13 題「ラムネ」
ラムネ瓶中のビー玉が欲しいとせがむ

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うたの日に出した短歌23

うたの日に出した短歌23

10/4 題「栗」
彼岸の入り 風が涼しくなった頃食卓に並ぶ栗ご飯

10/5 題「乱数」
「Hey Siri、量子乱数ジェネレータ」「それより私と踊りませんか?」

10/6 題「レシピ」
年の瀬は母に教わったふすべのレシピの記憶を辿ることから始める

10/7 題「蜻蛉」
仲見世をパタパタ歩く和装美人 かんざしの先の蜻蛉玉揺れる

10/8 題「瑠璃」
刺青ってなんで刺青って書くんだろう 君の

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うたの日に出した短歌22

うたの日に出した短歌22

9/29 題「ガリ」
初任給握りしめ家族で行った寿司 ガリばかり食べる母のいじらしさ

9/30 題「朝」
今朝の朝刊 遠くの国の惨状とワンピースの1面広告

10/1 題「食/喰」
ケンタッキー軟骨まで綺麗に食べる そこが告白の決め手でした

10/2 題「LEGO」
妹がレゴで作った父の顔だけがバラされず飾られている

10/3 題「ルイボス」
家庭訪問 母が少し見栄を張りルイボスティーをカッ

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うたの日に出した短歌21

うたの日に出した短歌21

9/24 題「です」
大嫌いな上司にメールを出す時は「death」のつもりで「です」と打ち込む

9/25 題「秋桜」
河川敷並んで咲いている秋桜 君も星だよみんなみんな

9/26 題「サイ」
我先と間違い指さし数えつつ口に運ぶミラノ風ドリア

9/27 題「笛」
口笛を軽やかに鳴らす父の横口を尖らせひゅーひゅー言う子

9/28 題「ジャスミン」
遠くの町へ越してった君を思い出しよく飲んでたジ

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お弁当

お弁当

わたし用の梅干しといもうと用のカリカリ梅と母からの愛

実家の卵焼きはしょっぱい味でいつもいちばん最後に食べた

昨日の夕飯がおでんだったから今日のお昼はおでん弁当

運動会 タッパーに敷き詰められたペンネとおにぎりをプラフォークで

いつからか変なふりかけが入ってて数少ない母のユーモアだった

母の作るおにぎりはいつも混ぜご飯で春の花畑のようだった

ランチバッグに季節の果物を入れる母 さくらん

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