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スリッパの天敵。

幼児教育の専門科目のレポート課題。

「子どもの頃やっていた、くだらないけど面白かった遊び」を教えてください。

…え、大喜利ですか?←

真面目に書きました。興味ある方はどうぞ↓↓↓

私は昔から一人遊びが大好きで、遊んでくれる人がいても一人で遊び始める子どもでした。

幼小期・児童期は、よく祖父母の家で過ごしていた記憶があります。実家はアパートの一室で遊べる空間が狭かったので、平屋2階建て・屋根裏付き・庭付きの祖父母の家が、まるで遊園地のように思えて、楽しくて仕方ありませんでした。

玩具や子ども本も多かったのですが、しばしば日用品や家の空間・家具を使って新しい遊びを生み出して、文字通り一日中、家の中にあるものをとっかえひっかえして遊んでいました。



その中で、くだらないけど面白かった遊びは、スリッパの可能性を探る遊びでした。

初めは、両手両足に 1 足ずつはめて、馬や犬など四足歩行の動物の真似をしていました。

祖母宅は玄関から 20 メートル程の廊下が伸びていて、何往復もしていました。

飽きた頃に、周りの大人がスリッパを同じデザイン2足で一組にしていることに気付き、スリッパ立てにあるスリッパの組を総入れ替えするいたずらを思いつきました。いたずらをする中で、スリッパは2足以上でも組むことができるのではないかと思い、4足組み合わせてみました。それをまた両手両足にはめて廊下そろりそろりと歩き、大人達に見せに行きました。みんな温かく笑ってくれました。

その後、スリッパが無限に繋がるのではないかと考えが広がりました。20 足のスリッパを廊下の端から夢中で組んでいきました。完成した作品を、最後尾の踵を持って前に動かしてみると、真ん中あたりから折れ曲がっていってしまいます。真っ直ぐに動くものだと思っていたので、予想外の現象に驚き興奮しました。

最初は大きな蛇に見立てていましたが、途中からトロッコ列車に変わりました。先頭には、叔母が愛用している、小さなクマのぬいぐるみが付いたスリッパを持ってきて、クマを運転手に見立てました。クマの車掌のトロッコ列車は、20 メートル蛇行しながらゆっくりと発進していきます。

2 往復したら、車掌は新幹線に乗り換えます。勢いをつけて真っ直ぐに押し出しますが、3 メートル程の地点で大規模な脱線事故が発生します。

今度は事故を防ぐために、スリッパ同士を離れないようにぎゅっぎゅっと押し込んで組み直し、再出発します。先ほどよりは伸びて、約 5 メートルの地点で内側に反れて止まりました。仕方がないので、手で押しながら走ったり、最後尾に足を入れて大股で歩いたりして進めました。

もう一味ないかと思い、連なったスリッパを直立させて持ち上げてみました。すると自分の方にぐにゃりと倒れてきて、これまた予想外の結果に声を上げて喜びました。長いものや背の高いものは、ずっと真っ直ぐではないのだと悟りました。遠足の小学生の列も夫婦の愛も、ピサの斜塔も映えるアイスクリームも同じでした。…

このような子どもに出くわしたら、どうか温かい目で見てやってください🙇‍♂️彼らは彼らなりに感じて考えて学んでいます。経験が全ての時期ですから、多少の悪戯はお許しください。

くだらないけど面白い。これが全てです。

皆様の明日が、美しく彩りますように。

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