『スミス理論』 組織体制編

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前書き

弊社で研究している組織経営理論を載せています。
割と教科書的なオーソドックスな内容が多いかもしれません。
書きかけですので、ぜひご意見ください。随時更新していく予定です。

筆が進み次第、価格を変更いたします。
将来も読みたい方は100円のうちに買っておいていただけるとよいと思います。
ただし、数量限定です。













経営と執行

【経営】
『経営』とは、事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。

【執行】
『執行』とは、事業目的を達成するために、意思決定を実行に移し、事業を管理・遂行すること。

である。

【経営と執行の分離】
『経営と執行の分離』とは、意思決定の行為者と意思決定の実行の行為者を分離することにより、各責任の分離を実現すること。

ちなみに『経営と所有の分離』についてもメモを置いておく。

【経営と所有の分離】
『経営と所有の分離』とは、事業における意思決定の行為者と事業の所有者を分離することである。
この際に所有者の代理人として監査者が設置される。

さて、『経営と執行の分離』に戻るが、これは何を目的として行われるのであろうか。











【経営と執行の課題】
事業経営におけるイシューは大きく『意思決定の問題』と『実行の問題』に分けられる。

『意思決定の問題』は、「社内ルールを適切に作れるか」や「市場選択を正しくできるか」といったイシューがある。
一方で、『実行の問題』は、「社内ルールの遵守を徹底させられるか」や「ユーザニーズを拾い上げられるか」といったイシューがある。

事業を経営する上では常に『意思決定の問題』なのか『実行の問題』なのかという疑問がつきまとう。

つまり、「ルール策定は適切であったが、それを遵守させるオペレーションが作れていなかった」のか「そもそもルール策定がイケていなかった」のかといった疑問である。
または、「市場選択は悪くなかったが、市場におけるユーザニーズのヒアリングがイケてなかった」のか「市場選択がそもそも間違っていた」のかといった疑問である。

基本的にまず、この分離を完全に行うことは不可能であり、もしそれをやろうとすれば現場からかけ離れた机上の意思決定が行われてしまう。

しかし、この分離を行わなければ適切なPDCAを回せない。
それは経営側も執行側もである。












【分離できていない事例】
よくあるストーリーを挙げておこう。

AIの受託開発を行う中小企業のS社は、「300万円でこんなAIが欲しい」といった要望を数十社ものクライアントからもらった。
しかし、A社はこれまで、主に億単位の規模の案件しか受注しておらず、数百万円の量産型の製品開発は事業モデルが異なる。つまり、新規市場と出会ったのだ。

そこでS社長は、「300万円でこんなAIを開発して、量販するぞ」という決定をした。これを新事業Aとしよう。

二年後、新事業Aは赤字でクローズした。

さてこの事業の失敗要因はなんだったのだろうか。
「300万円でAIを提供するという原価計算が間違っていた」
「CPAが間違っていた」
「顧客の『欲しい』は『買います』ではない」
といった説がよくある話ではある。

一方で見逃されがちでありながら最もよくある敗因は
「適切な責任者を設置できなかったから」
である。
これを挙げている書籍には私は出会ったことがない。
何故ないのかと言うとそれを言ってしまったらお終いだからである。

しかし、事業において最も重要な変数は、仮説を持ってあらゆる変数を把握、分析し、マネジメントできる責任者である。

この調整不能なハイパーパラメータと見なされがちな変数こそが最も重要な変数であり、その決定こそが取締役が背負う市場選択と同時に最も重要な意思決定である。
つまり、経営と執行を分離することによって、執行者を経営の変数とみなした上で考えるのである。

しかし、経営と執行の分離ができていない企業では『責任者の選定』というビッグイシューは挙がってこない。
彼らにとって責任者は自分たちであり、その選定という選択肢は初めから存在していないのだ。


















生産効率とミッション

人が業務に取り組む上では『効率』ほど重要なものはない。
ではどのように効率を最大化するべきだろう。

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