#sp10.小さな喜びを積み重ねて/年末特別版

おはようございます。

さて、毎週水曜日更新のGood Morning! Music、今回が年内最終更新です。ということで、今回は年末特別版としてダンスミュージックを中心にまとめました。

今の時期、年末の大掃除や正月の準備に忙しいかと思いますが、面倒くささが先立ちますよね。そんなとき、少しでも気分を盛り上げて、年末年始を乗り切ろうというわけです。年末の慌ただしい時期ですが、お楽しみいただければと思います。

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Dimensionの"DJ Turn It Up"は、これからクラブに行くから盛り上げておいて、そして体が止まらないように音量を上げおいて、とDJに呼びかける曲。これからクラブに行く高揚感にあふれた曲です。

これから自分が出かける場所を温めておいて、というのはベテラン歌手がステージに臨むとき、みたいな趣があります。それくらいの感覚で年末の帰省や買い物、遊びに出かけると、気分も上がるかも?

Dimension - DJ Turn It Up (Official Video)

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Skrillex、Fred again..、Flowdanの"Rumble"も、クラブのDJにフロアを盛り上げておいてと求めています。ここではクラブをジャングルに見立てています。いろんな雑多な人々が寄り集まって騒ぐから、クラブはジャングルみたいなものですね、たしかに。

この曲では、そんなジャングルの中の殺人者だと自分を見立てています。そこには生命さえ脅かすライバルもいるし、銃弾さえも飛び交う。だから、覚悟しとけよ、とクラブに行く前の気合を入れているみたいなふうにも聞こえます。

ところで、"runmble"とは「低い音が鳴り続ける」とか「人々のざわめき」みたいなことを指すようです。年末年始はどこに行っても人混みだらけのまさにジャングル。そんなジャングルに向かうとき、「オレは切れたナイフだ!」みたいな気合を入れてみては?

Skrillex, Fred again.. & Flowdan - Rumble [Official Audio]

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愛というのは不思議なもので、そこにあるように見えてもちゃんとしたカタチで目に見えるような類のものでもない。「これが愛だよ」と指し示すことができるようなものではないから、人は言葉や仕草で愛を証明するしかない。

人によっては高価なアクセサリーとかファッション関係の小物、あるいは現金や預金の量が愛だという人もいるかもしれないけど。

Hannah Laing(feat. RoRo)の"Good Love"は、私はあなたに対して十分に愛を持っているのに、それを証明するものはなにもないと、訴える一方で、ありのままの自分でいられたらいいのにとも願います。

なかなか難しいですよね。ありのままの自分でいることって。仕事や家庭であっても。だから、人々はいろんな表現をするのかもしれない。歌ったり、踊ったり、写真を撮ったり、小説を書いたりね。それもまた、ある種の愛のカタチかもしれない。

Hannah Laing feat. RoRo - Good Love | Official Visualiser

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あなたにとっての「楽園」とはどこですか? と聞かれたらなんと答えればいいのかと考えてしまうのは不幸なことなのか。家庭と答える人もいれば、スーパー銭湯だと答える人もいるかもしれない。でも、具体的な場所がとっさに出ずに考えてしまうこともあるよね。

楽園というのは、心が開放感を覚える場所とでも言えばいいのかな。心が開放感を覚えれば、それはどこでも「楽園」になるとも言える。そういう意味では具体的な場所でなくてもいいはずです。音楽を聞いてるときでも、小説を執筆しているときでも「楽園」はあるはず。

King Of The RollersとKaty Bの"Paradise"は、私を楽園に連れて行ってと望みます。セクシャルな意味が込められているんだろうけど、まあ、心に「楽園」をもたらしてくれる人なら、一緒にいてもいいんじゃないかな。

King Of The Rollers + Katy B - Paradise (Official Video)

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今のような真冬の時期には太陽の光はありがたいものです。その光にあたるだけで暖かさを感じて、ちょっとした幸福感に包まれますね。そんな光に包まれると、思わず暖かな春がやってくるのを想像します。

Swedish House Mafiaの"Ray Of Solar"というタイトルはそのまま「太陽の光」の意味。太陽の光を浴びて「逃げる」こと、想像を広げて「逃げる」ことを歌っています。なぜ逃げるのか、その理由は明らかにされていません。

まあでも、日常生活の中で逃げ出したくなることはいろいろありますよね。仕事や家事から逃げ出したいし、小説の執筆からも逃げたい。逃げないことで身体や精神が壊れるとか傷つくという事情があるならおおいに逃げてください。

でも、いろんな事情から逃げられないときもありますよね。なにもかも投げ出して逃げたいけど仕事しなきゃいけない場合とか。そういうときは、宝くじで10億円当たったという想像に逃げるしかないけど。

Swedish House Mafia - Ray Of Solar (Official Music Video)

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もういくつ寝るとお正月、と歌う童謡がありますが、なにか楽しみなものを待つこと自体もまたひとつの楽しみでもありますね。待つこと自体が楽しみ。子どもなら遠足の日が来るのを待つのも楽しいし、あるいは誕生日やお正月が来るのを待つのも楽しみです。

けれど、子どもの頃と比べると、大人は待つこと自体を楽しむ機会が減っているような気もします。たとえば誕生日が来ることだって、人によっては憂鬱かもしれない。そこまでいかなくても、子どもの頃の誕生日と比べると、その日を待つ楽しみも薄くなります。

その代わり、大人は自由に自分の楽しみの日時を設定することができるし、それを楽しみに待つこともできます。週末に遊びに行くこととかね。それがあるからこそ仕事で人の話を聞く時間だとか、パソコンの再起動を待つ時間も、少しは耐えられるものになるかも。

saluteの"wait for it"も、大人になっていろんな場面で待つことを歌います。待つこと自体がささやかな楽しみみたいにも響きますよ。自分の誕生日が来るのが憂鬱な人は、自分だけの楽しみの日時をどんどん設定しましょう。

salute - 'Wait For It' (Official Audio)

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大きな物事を成し遂げるためには、小さな物事の積み重ねが大事、と書くと安っぽいビジネス書とか道徳の教科書みたいですが、それだけそう言われる機会が多いってことは、やっぱりそれなりに真理を突く言葉だからなのかもしれない。

これは仕事とか日常生活ばかりでなく、友だち付き合いとか恋愛も同じ。同じ場所で偶然会ったとか、ちょっと目があったとかね。これが片思いの相手なら、こんな小さなことでも舞い上がるってもの。

Jorja Smithの"Little Things"は、そんなふうに主に恋愛面でのほんの小さなことが自分を前に進ませてくれると歌います。そして偶然、同じ場所で出会った片思いの相手に、一緒に一晩過ごそうとまで誘います。舞い上がりすぎという気もしないでもないですが。

そういう意味では、幸福と喜びがあふれている曲です。大人の方は、仕事や家事などの中で小さな喜びを積み重ねていきましょう。

Jorja Smith - Little Things


さて、今年5月からnoteにて連載してきたGood Morning! Music、年内の更新は今日で終わり。来年は1月10日から再開予定です。

本当は新作だけを隔週連載する予定だったんですが、せっかくnoteも作ったんだから、以前にX(旧Twitter)に流した旧作も一緒にまとめて載せておこうということで、新作と旧作を交互に掲載してきました。

するとけっこうな数の旧作のストックがあったわけですね。それでけっきょく毎週掲載になりましたが。この旧作はまだしばらくストックがあるので、来年もしばらくは新作と旧作の交互掲載になる予定です。

最後になりましたが、お読みいただきましてありがとうございます。また来年もよろしくお願いします🎶


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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