#31.卑怯な手段でのし上がってもね／Sophie Ellis-Bextor - Murder On The Dancefloor
おはようございます。強い寒気がやってきたせいで、わたしの住む街も昨日からとんでもない寒さです。それでも雪は降らないんだけど。とにかく暖かくして適当にやり過ごしましょう。今日は新作です。
人にはそれぞれが抱く目標があると思います。たとえば仕事での出世や、学校の成績やスポーツでの良い成績。わたしみたいに小説を書く人はプロデビューや本の出版みたいなものまで。たいていはライバルというか、同じ目標の人もまた一緒に競争している。
けど、実力ではどうしても勝てない相手という存在が出てきますね。そんな相手に対抗心や敵愾心を抱くあまりに、姑息で卑怯な手段で相手を陥れようと考える人もいないわけじゃない。そうなると、目的を遂げるためなら手段を選ばない人も出てくることもある。
でも、そんなタイプの人は映画や小説やマンガでは出てくるけど、現実世界にいるのかな。本当はいるのかもしれないけど、姑息というか卑怯な手段は表に出ないこともあるから、わたしたちからはわからないだけかもしれないけど。
とにかく、目的を遂げるためなら手段を選ばないキャラクターというのは、小説でもマンガでも、映画でもアニメでも出てきますね。たいてい卑怯で姑息な手段を使ってでも主人公を蹴落とす、みたいな描写はたくさんあります。
たとえばバレエのマンガでたとえると次のような感じです。イメージとしては昔のバレエマンガ。
次の公演のプリマドンナをバレエ団員の中から選ぶことになる。貧しい家庭出身の主人公はプリマドンナに選ばれようと一生懸命、必死で努力する。足に血豆を作りながらも。その姿を見た団員たちも次のプリマドンナは主人公だと確信しはじめる。
けれど、主人公のライバルはそれが面白くない。このライバルは金持ちの家庭出身で幼少の頃からバレエのエリート教育を受けているから実力は十分。けど、性格もいけすかなくて、ことあるたびに主人公を軽蔑し、ときに意地悪なことをする。
次の公演でプリマドンナに選ばれようと焦るばかりのライバルは、焦燥感からついに姑息で卑怯な手段に出る。主人公のトゥシューズにこっそりと画鋲を入れてしまう。主人公がケガをすれば、プリマドンナは自分にまわってくるから……。
Sophie Ellis-Bextorの"Murder On The Dancefloor"も、そんな内容の曲。タイトルを直訳すれば「ダンスフロアの殺人者」ということになります。
Sophie Ellis-Bextor - Murder On The Dancefloor (as featured in Saltburn)
上記の公式動画を見るとわかるけど、ダンスコンテストに出場したこの曲の主人公（ここではこの曲を歌うソフィ・エリス・ベクスター自身が演じる）がライバルを蹴落とすべく、ドリンクの中にあやしげな薬を入れたり、床に小型のバターを置いたりとしていますね。
動画自身はコント的で面白いんだけど、実際にこんな人がコンテストで優勝したりなんかしたら、そりゃちょっと違うよねという違和感を抱きます。
でも、この動画の中では姑息な手段まで動員して勝者になったソフィが笑顔でハイヒール型のトロフィーを大事そうに抱えているところに、現実のいち側面を皮肉に描き出しているようにも思えます。
実際にそういう姑息で卑怯な手段でのし上がった人や勝利や栄光をつかみ取った人が、現実世界にはいるんだろうなあと思えるからね。それがどこまで本当なのかどうかはわかんないけど。
ところで、ここからは余談みたいなものですが、このSophie Ellis-Bextorの"Murder On The Dancefloor"は、もともと2001年12月発売の曲。このとき、イギリスのシングルチャートで2位に入ったんですが、今年2024年1月にふたたび2位に返り咲いた曲です。
その理由は、アマゾンプライムビデオで配信された映画『ソルトバーン』で使用されたから。わたしはこの映画をまだ観てないけど。
このチャートの返り咲きは、姑息で卑怯な手段を使ったというわけじゃなく、実力でのし上がったものですね。皮肉を含んだ良い曲だから、映画に使われることになったのだろうし。やっぱり長期的にモノをいうのは実力ですよ。
※ひつじのはなし｜Good Morning! Musicは、水月羊（the Maverick Black Sheep）が大胆不敵にも音楽（主に洋楽）エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。
□お問い合わせなどは、以下のgoogleフォームまでお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？