#sp06.2023年秋のヘビーローテーション

おはようございます。11月も終わり。今年の秋は最初の方は夏のような暑さが続いたと思ったら、急な寒波が来て真冬のような寒さに一気に突き落とされました。気温の上がり下がりが激しいですね。

さて、今日は11月の第5水曜日。ということで、今回はこの秋のヘビーローテーション。わたしがこの秋(9月、10月、11月)によく耳にした曲を3曲取り上げます。


まず一曲目はFred again..の"adore u (feat. Obongjayar)"

Fred again.. & Obongjayar - adore u (Aragon Ballroom, 4th August 2023)

この公式動画はライブヴァージョン。"adore"は「崇拝する」とか「憧れる」みたいな意味がある。"I adore you"となると、「君が愛おしい」みたいな意味。曲を聴いていただくとわかりますが、君が愛おしい、君が愛おしいと繰り返し言ってますね。

この曲の歌い手は、愛おしく思う「君」のことにすっかり夢中になっています。「君はダンサーのように人生を歩んでる、自分の思い通りになるなら、毎日がパレードになるだろう」と歌うほどに。

「思い通りになるなら」って部分、直訳的に訳すとちょっとグロテスクな雰囲気が出ますが、これは「君」と両思いになりたいと望んでるわけですね。それだけ愛おしく思っている「君」と両思いになるなら、そりゃ毎日がパレードになるってもんですよ。

ただ、ここまで「君」のことを愛おしく思うのは、相手にとってみればちょっと鬱陶しいほどの愛のようにも思えなくもないですが。最初に書いたけど、"adore"には「崇拝する」という意味もあるから、その愛が重くも感じてしまうかも。

まあ、二十代前半くらいまでならそれもありかもしれないけどね。それだけ胸を焦がしているってことで。中年以降で胸を焦がすほどの感覚があるような人なら、何かの病気かもしれないので病院に行ったほうがいいかも?


続いては2曲目。Jungleの"Back On 74"。「ボン、ボボン、ボン、ボボン」のバックコーラスがやけに耳に残る一曲。

Jungle - Back On 74 (Official Video)

この曲のタイトルにもなっている"Back On 74"、直訳すれば「74に戻ろう」となります。74って何だ? このあとの歌詞には「その場所を私の家と呼んで」というフレーズがあるので、まあ番地的な番号かもしれない。「ベーカーストリート221B」みたいな。

ところで、人はいろいろなものを手放す瞬間があります。成長とともに何かを手に入れると同時に、何かを失うみたいなことですね。子どもの頃の純粋な気持ちを大人になって失ったみたいなことから、恋愛と仕事のどちらかを選ばなきゃいけないみたいなことまで。

逆説的に言うのなら、人の歩みというのは、手放したもの、手放してしまったもの、手放さなければならなかったもので構成されているのかもしれない。その人が何を手放したのか、何から離れたのかという過去や経験からその人がどんな人なのかわかる、みたいな。

けど、人が何かを手放すばかり、何かから離れるばかりだけというのもいささか寂しいものがありますね。だからこそ、「私の家」と呼べるような場所があって、そこにいつでも戻れるからこそ、何かを手放して前に進める。そういうことを歌っているんじゃないかな。

あなたは今まで何を手放して、何を手に入れたか? そんなことを突きつけられているような曲でもあります。


3曲目はこちら。DJ Seinfeld & Confidence Manの"Now U Do"。敢えてダサく作ってるんでしょうね、この公式動画は。

DJ Seinfeld & Confidence Man - 'Now U Do' (Official Music Video)

まあ、チャラい曲です。そこまで深い意味はないんじゃないかな。あなたは今まで聞く耳を持ってなかったけど、今はあなたは私の話をよく聞いている。つまり、雑に意訳すると、いまは二人の心が通じ合っていていい感じだ、みたいなことを言ってます。

ところで、人の話を聞かない人っているじゃないですか。たいてい、ひとりふたりくらいは顔が浮かびますね。この人、本当に人の話聞いてるのかな? って思っちゃうような人が、上司とか同僚、友人や知人、それに家族の中にもいるでしょう?

タイトルの"Now U Do"は、"Now you do"ですね。この意味は文脈や状況によって一概には言えないらしい。この歌詞の文脈だと、「以前は~だったけど、今は~」くらいの意味かもしれない。「以前は聞く耳を持っていなかったけど、今は~」みたいに。

聞く耳を持っていないような人には、話の途中で敢えて"Now you do?"と直訳的に切り出してみるのもありかもしれません。「今、何してるの?」みたいな。

「話聞いてなかった」って答えてくれれば、まだマシかもしれないけど、「話聞いてなかった」とも言わないくらいに反応がなければこれは諦めるしかない? しょうがないやと思って、その人とは深く関わらない方がいいかもしれないよ。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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