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#46.もし、当選してしまえば/Panic! At The Disco - High Hopes

おはようございます。わたしの住んでいる町では、日曜日は震えるような寒さでしたが、昨日は暑いくらいの気温でした。もうすぐ梅雨入りしてもおかしくない時期なのに、寒暖の差が激しすぎです。おかげで服装選びが難しい。困ったものですね。

さて、今朝は旧作。2023年4月19日にX(旧Twitter)への投稿を再構成したものです。


「高望み」をしたことのない人っているのかな。「高望み」の内容も程度も、それはその人の置かれた状況にも左右されるので、ひと口に「高望み」と言っても実に千差万別だと思うけれど、ここではあくまでもあなた自身にとっての「高望み」。

「高望み」、辞書的には「自分の能力や身分、そして身の丈を超えた望み」みたいな意味になる。「そりゃ高望みだよ」なんて言うときには、「そんなこと実現するのは無理だ」とか「どう考えてもそれは手に入らないよね」みたいな、実現不可能性を含んでいますね。

わたしの立場を最初に言っておくと、「高望みくらい別にいいじゃん、高望みなんていくらしたってタダだし」くらいのもの。

もちろん、なんでもかんでも「高望み」してもねって気持ちはある一方で、「そりゃ高望みだよね」みたいなことばかり言うのも良くない気がします。特にものわかりのいい大人みたいな顔で、そんなことを言ったり言われたりすると、逆に良くないんじゃないかな。

というわけで、わたしの「高望み」は、ひとまずリアル書籍を一冊出すこと、くらいになりますか。まずはリアル書籍を一冊出すほどの分量のある小説を書きなさいって話ですが。

ということで、今日取り上げる一曲は、Panic! at the Discoの"High Hopes"。そのタイトルどおり、「高望み」することの素晴らしさを高らかと屈託なく歌います。

Panic! At The Disco - High Hopes (Official Video)

この曲は母親が口にした言葉を引き合いに展開しています。雑に訳してまとめると、「小さな困難で諦めないで。口にしたことを叶えなさい。途方もない夢を抱いたことを忘れないで」といったような母親の言葉に、この曲の主人公の独白みたいなものを重ねます。

この曲の主人公はお母さんが言った教えを胸に、いつも高望みしてきたんだと主張しています。絶対に成功するんだって、いつだって高い望みを胸に抱いていた、みたいな感じで。

ただ、この曲の主人公が置かれたいま現在の状況はわかりません。いつだって母親の言葉を胸に高望みしていたと歌っていますが、その望みが叶ったのか、あるいは叶わなかったのか、それについてははっきり言及していません。

それとも、今まさに「高望み」の夢を実現するために、努力や奮闘をしているところかもしれません。そのあたりはこの曲を聴く人それぞれの受け止め方次第、ということになるのでしょう。

それにしても、人々が「高望み」するのはいくらでも自由だけど、その「高望み」したことを実現できる人は、ほんのひと握りです。ひと握りどころかひとつまみくらいのものかもしれない。それが「高望み」の特徴でしょうか。

つまりは、「高望み」しても望みは永遠の望みのままの人もいるだろうし、望みを叶えようと必死で努力する人もいるわけですね。当たり前ですが。けど、どっちの人が優れているだとか、そういうわけでもない。

永遠に高望みを抱いたままの人だって、それはそれでいいような気もします。別に高望みなんてものは(もちろん「高望み」の内容にもよるけど)、ある意味じゃ宝くじみたいなものととらえたい。

宝くじだってそれを買ったあとは「こんなもの当たるわけないよな」と思いつつも、当選発表の日まで楽しい夢を見られるもの。もし、当選してしまえば儲けもの。それくらいでいい気もします。

そう考えてみれば宝くじを買う行為も、ある意味では「高望み」と言っても良さそうです。だから悪いって話でもないけどさ。ひとつの考え方として。

ところで、この曲はいかにもアメリカ的な自己啓発が漂わせる匂いもしなくはないんだけど、ここまで「高望み」することを明るく歌うのも、いかにもアメリカ的でありますね。

それくらい屈託なく「高望み」の素晴らしさを歌えるくらいの人や社会の方が勢いがあるのかもしれないな、とも考えるところです。

この曲の歌詞の中に"weird"って単語が出てくるけど、これには「変人」のほかに「へんてこりん」みたいな意味もあるようです。へんてこりんな人はいつもすべてを求めていた、と歌うわけですね。

やっぱりアメリカでも「高望み」する人はへんてこりんな人みたいな位置付けがあるのかな。そのへんはよくわかんないけど、それでも「高望み」しちゃうようなへんてこりんな人を肯定しようという姿勢も良いですね。

身の丈にあった「中くらいの望み」や「低い望み」ばかり追求する人ばかりいても、あまり成長はなさそうです。人間的にも、人間がたくさん集まって出来上がった社会全体で見ても。高額の宝くじが当たるかもしれないな、と思う社会って悪くはないんじゃないかな。

というわけで、やけにものわかりのいい大人にならないように、気をつけよう。


さて、今回のGood Morning! Musicで、過去X(旧Twitter)に流した投稿の再編集版(旧作)の更新は終了します。

今後は隔週(二週に一度)のペースで新作を更新する予定です。あと、ときどき特別版も更新するかもしれません。こちらは気分次第ですが。というわけで、これからも引き続き、よろしくお願いします。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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