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#48.傘の下へ誘って/Rihanna - Umbrella ft. JAY-Z

おはようございます。梅雨まっただなかですね。わたしが住んでいる街は、梅雨入り後に何度か激しい雨が来ました。激しい雨じゃなくても、だいたいいつも雨。良くてくもりの天気です。

そんな梅雨の時期に手放せないものは傘。傘をさしてるとスマホが使いにくいのが難点だけど、傘をさしているあいだくらいはスマホをしまって、雨音に耳を傾けてみてもいいかもしれません。

わたしは傘の下でもスマホ使いたいけど。というわけで、今朝は傘にまつわる有名曲です。


梅雨時期の必需品といえば傘。傘はとても個人的で親密な空間を生み出す、そんな感じがします。

たとえば、晴れた日に外を歩くとき、わたしたちは開放的だけど、それは言い換えれば無防備でもありますね。自分がまるごと世界に含まれている、逆に言えば自分は大きな世界の中のほんの一部に過ぎない、みたいな感じがあると言えばいいでしょうか。

けれど、雨の日に傘をさして外を歩くときはちょっと違う。傘と傘の外で降る雨が、世界と自分を切り離すみたいな感覚を覚えます。そのせいか、傘の下では雨の降る外側の世界とは異なった、自分だけの小さな世界が生まれているような、そんな気分が生まれます。

それは相合傘のことを考えるとわかりやすいかもしれない。片思いの相手でも恋人でも、あるいは単なる同性の友達とか、それこそ会社の同性の同僚でも、ちょっとしたことでたまたま相合傘になることがないわけじゃない。

中高校生、あるいは大学生だったら片思いの相手がわかりやすい。マンガやアニメでもよくあるパターンですね。片思いの相手と偶然にも相合傘になった。帰る方向が途中まで一緒だから、みたいな理由で。ここからなにかストーリーが生まれそうです。

あるいはこれが職場だったら、こんなふうに考えることもできます。ちょっと外出しているあいだに雨が降り出して、自分と相手のどちらかだけが折り畳み傘を持っていた。職場まではちょっとの距離なので、その傘に一緒に入って職場に急いで戻る、みたいな。

そのときの雑談で同僚の意外な一面を知ることもある。スマホゲームのガチャにハマってるとか。これはあまりストーリーが生まれそうもないけど。

とにかく、相合傘のようにひとつの傘の下に二人の人間が入ると、なんだか親密な雰囲気が生まれますね。逆に言えば、相手との距離を縮めたいと思うのなら、敢えて自分の傘の下に誘うこともアリかもね。責任は取らないけど。

Rihannaの"Umbrella"もまた、自分の傘の下に大切な誰かを誘う内容になっています。この「大切な人」はパートナーでもいいし、あるいは大事な親友や、親子みたいな関係でもじゅうぶんに通じます。

Rihanna - Umbrella (Orange Version) (Official Music Video) ft. JAY-Z

世界がどんなに土砂降りのひどい雨でも、傘の下で一緒にいればいつか太陽が輝き出す。そんな確信を抱けるのは、一緒に傘の下に入った相手に信頼を抱いているから。いつでも傘の下に入れるよと、そう呼びかけられる相手がいることが、ひとつの幸福ですね。

この曲は、ささやかな親密さや幸福感さえ覚える、傘にまつわる一曲です。

ところで、ここからは余談なんだけど、わたしは大昔、某ユニ○ロで売ってた2本1,000円の傘をいまだに使っています。だいぶ古くなったけど、盗まれてもいいやと気楽に使えるところがいいので。

ちなみに、このとき2本買ったんだけど、もう1本はいつの間にかどこかに行ってしまいましたよ。2本あるからそこまで惜しくはないかなとダメージが少ないのが、安い傘の魅力です。

ものは大切にした方がいいんだろうけど、傘はすぐになくなっちゃうからしょうがないよね。

考えてみれば、傘を意図的に盗む人はそんなにいないような気もします。よほどめずらしいもの(アニメや芸能人にまつわる限定グッズや、プロスポーツみたいなイベントの記念品)でない限りは、メル○リあたりに転売してもそんなに儲からないだろうし。

どちらかといえば、うっかり自分の傘と間違って他人の傘を持っていってしまった場合の方が、ケースとしては多そうです。傘泥棒といえば傘泥棒だけど、傘を持って行った人が自分の間違いに気づいたときにはもう遅い、みたいなこともありそうです。

「あっ、しまった。この傘自分のじゃないや。どこから持ってきたんだっけ。わかんないな。それより、自分の傘は? どこかに置いてきちゃったかもしれないな」みたいに途方に暮れちゃうしかない。

もちろん、傘の持ち主からすれば迷惑だし、傘泥棒に遭ったと思うかもしれないけど、そういう自分だってひょっとすると、知らないうちにどこかで自分の傘と似たような他人の傘をうっかり持ってきたことがあるかもしれない。そんな可能性がゼロじゃないからね。

いま、自分の手元にある傘、本当に自分の傘なのか? と考えると、ちょっと不安みたいな感覚を覚えて面白いかも。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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