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#35.空を飛んでいるかもしれない/Olivia Dean - UFO

おはようございます。知っていると恥ずかしい知識みたいなものってありますよね。なんでそんなこと知ってるんだ? みたいな。やたらに変なことに詳しいみたいな知識も。たとえばUFOなんかどうなんでしょう。ということで、今朝は新作、UFOの話です。


わたしは一度だけUFOを見たことがあります。UFO、すなわち未確認飛行物体。つまりはなんらかの物体が空を飛んでいる(ように見える)んだけど、その正体がはっきりとはわからないもの。飛行機でも気球でもなく、鳥でもアドバルーンでもない。だから未確認。

わたしが見たのは小学生の頃です(学年的なものはいつだったか曖昧)。とにかく小学生のときに、家の前で空を見上げていたら、浮かんでいたんですよ。UFOが。

目撃したUFOは、いわゆる葉巻型。円筒形の真ん中が楕円的に膨らんでいるような形をしていて、オレンジ色に輝いていた。夕方だったからUFOの表面が夕陽を反射していたのかもしれない。このとき兄弟も一緒に目撃したから、わたしの錯覚でも想像でもないのです。

ちなみに葉巻型以外にもUFOの形はいろいろあって、一番有名なのが半円形にスカートを履いたような形のもの、いわゆるアダムスキー型ですね。マンガやアニメでもいちばん描かれる形じゃないかな。そういうベタなUFOは見たことないから、一度見てみたい。

今から考えると、たわいもない空想の産物でよくあれだけ騒いでたなという気もしないでもない。たわいもないもので騒いでいただけ平和だったということかもしれないけど。

とにかく「なんだかかよくわからないもの」が空を飛んでることに、人間はなんらかのロマンや恐れを抱くのも理解はできます。「なんだかよくわからないもの」が存在して、空を飛んでるってそれだけでいろんな想像を掻き立てられるし。

そういった「なんだかよくわからないもの」は、UFOみたいなものに限らず、わたしたちの身近に存在しますね。自分の気持ちだって場合によっては「なんだかよくわからないもの」になってしまう。それが好きな人を思う気持ちならなおさらそうかもしれない。

Olivia Deanの"UFO"は、自分のやり場のない思いをUFOみたいに空に飛ばして、そしてあなたの手にうまく着地することを願っている曲です。

Olivia Dean - UFO (Take 1)

ここで自分の抱えるやり場のない気持ちを向けている相手が片思いの相手なのか、それとも冷え切った関係の相手なのか、どちらでも受け取れそうです。あるいは関係が良好でも、自分の心の微妙なものを伝えきれないもどかしさ、という解釈もあるかもしれない。

とにかくここで抱えているやり場のない思いが、うまく相手に届いて欲しいという願いは理解できますね。この曲の歌詞の中に"No GPS, No ETA"とのフレーズがあります。位置情報もなければ到着予定時刻もわからないとの意味かな。

曲のタイトルがUFOの英字3文字だから、GPS(位置情報)もETA(到着予定時刻)もそれにかけているのでしょう。「自分が今、なにをしているのかもわからない」という歌詞に続くので、やり場のない思いを抱えた自分の不安定さを示していますね。

それこそUFOみたいな「なんだかかよくわからないもの」のように。

とにかく、自分の心が「なんだかかよくわからないもの」を抱えてしまったら、空を見上げてみるのもいいかもしれないね。その「なんだかかよくわからないもの」の着陸する場所が見つかってほしいと祈るように。

わたしがUFOを目撃したのも空を見上げていたとき。そのときの自分がなんのために空を見上げていたのかは覚えていない。子どもだったから、きっとたいした理由なんてなかったのかもしれない。

けど、大人になった今、そんなふうに空を見上げると意外なものが見つかるかもしれない。自分の心が抱える「なんだかかよくわからないもの」がすっと解消されたり、それこそUFOなんてものも。

大人になったらぼんやりと空を見上げる機会なんて少なくなってしまいますね。だから、ときどき空を見上げると、意外なものが空を飛んでいるかもしれないよ。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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