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#08.誰だって初めての場所に/ABBA - Dancing Queen

おはようございます。6月最終週です。本格的な夏はもうすぐですね。夏になったからといって、特に何かするわけでもないんですが。

今週は2022.10.19.にツイッターに流したものの再構成、旧作版になります。


わたしはいわゆるディスコという場所というか空間に行ったことがない。そもそもディスコというものが流行った時代(といっても、日本と欧米ではたぶん違いがあると思うけど)には、物心がつくかつかないかというくらいの年齢だったはずなので。

と言いながらも、ディスコミュージックはそれなりに聴いています。やっぱり聴いていて楽しいよね。週末に恋人や気の合った友人とディスコに出かけて踊るのもわかる気がします。

ここはちょっと余談だけど、考えてみれば欧米の若者(若い人に限らないかもしれないけど)って、ディスコに限らず、100年くらい前から音楽に合わせて踊ってるよね。

ジャズのビッグバンドの曲だって、そもそも若い人がダンスホールなんかで踊るための音楽だったし、今もクラブではEDMがじゃんじゃん流れている(と思う。欧米のクラブになんか行ったことないけど)。

日ごろの鬱屈とかイヤなことを忘れて踊るというのは、ある意味では楽しく健全な娯楽なんじゃないかな。少なくとも、週末にもかかわらず部屋であれこれ思い悩んでいるよりも。

といいつつも、少年や少女が初めてディスコに行こうとしても、それはそれでまた新たな悩みみたいなものが生まれたりもするんですが。たとえばそれは、新しいクラスや職場に飛び込む前の不安や悩みみたいなものですね。

生まれて初めてディスコに行くのは、未知なものに飛び込むことと同じ。だから、その空間がどんなところなのか、自分がその空間になじめるのかどうか、不安な気持ちを抱えます。

そんな不安を抱えた少女の背中を押す曲が、ABBAの"Dancing Queen"。

Abba - Dancing Queen (Official Music Video Remastered)

今さら説明不要の超有名ディスコミュージックです。

この曲の主人公は17歳の少女。その少女が今まさに初めてダンスフロアに飛び込もうとしている。少女にとっては未知の空間。うまくなじめるのか、うまく踊れるのかといった不安や恐れを抱えて。

17歳というのが微妙に絶妙ですよね。ダンスフロアに行くのを止めるほどには若すぎないけれど、今ごろになってダンスフロアデビュー!? と驚かれない年齢という感じで。

この曲は、そんな少女の背中をやさしく押します。未知の世界、初めての世界に飛び出そうとしている人に、怖がらなくてもいいよと告げる曲です。考えてみれば、ダンスフロアは誰でもウェルカムな空間なんだから。

これから初めて未知の空間に飛び込もうとしているけれど、それゆえに不安や恐れを抱えている人にもぴったりな曲だと言えるのではないでしょうか。

これはダンスフロアに限らず、職場や学校などに、そういう人が来たら、受け入れる側はウェルカムな雰囲気を出そうよ、ということも含んでいるような気もします。誰だって初めての場所に飛び込んで、それなりにやってきた経験があるんだから。

考えてみれば、小説を執筆する行為も毎回毎回が初めてのことだらけですね。初めから終わりまで立ち止まることなく、迷うことなく、恐れることなく、執筆できる人はいないんじゃないかな。中にはそういう人もいるかもしれないですけど(うらやましい!)。


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