#29.「今だ!」と感じた瞬間に/Moloko - The Time Is Now

おはようございます。新しい年もまたGood Morning! Musicをよろしくお願いします。

1月ももう10日。三連休も明けて、そろそろ「今年は辰のように上り調子でいきたいです!」みたいな新年のあいさつに飽きたところではないでしょうか。

わたしはタツノオトシゴみたいに、そのへんをゆらゆらさまよっているくらいがちょうどいい感じですかね。それでは今朝は新作です。


大人になるといくら時間があっても足りませんね。仕事に家事に、人によっては子育てに追われ、趣味の時間などなかなか取れないもの。わたしが小説を書くのは今のところ趣味なんだけど、それでも日々の時間のやりくりの中で書いてます。

そんなふうに、小説を書くとき、けっきょく「今だ!」という時間を見つけて書く、みたいな人も多いのではないかと思います。仕事に家事に忙しい人は特に。

Molokoの"The Time Is Now"もまた、「今だ!」という瞬間を歌う曲です。

Moloko - The Time Is Now (Official HD Video)

この曲は恋人との破局を覚悟した人の心理を歌っています。恋人じゃなくて、夫婦でも当てはまるのかもしれない。とにかく、深く愛したはずの人とすれ違いが生まれ、やがて望んでいた未来とは違う未来がやってきたと悟った瞬間を切り取っています。

けれど、やっぱり自分から別れを切り出す勇気はない。逆に恋人の方から別れを切り出してほしいと望んでもいます。矛盾した気持ちだけど、この辺りの心情もまた理解できるものですね。

このまま二人でいても、自分の理想とはほど遠いものになっていくのはわかっている。けれど、自分から別れを切り出す勇気はない。だから、相手の方から別れを切り出してほしい。このままだと、未来はどんどん理想から離れていくから。みたいな気持ち。

自分の理想と現実が違っていて、このままこれを続けていても未来は理想からどんどん遠ざかることがわかっている、みたいなことは、恋愛でも結婚生活でも多々あることです。あるいは仕事でもそうだし、もっと言えば小説の執筆だってそうかもしれない。

その際、自分が取る方法はふたつくらいしかないのかな。ひとつは可能な限り努力して、現状が理想に少しでも近づけるように奮闘すること、もうひとつの方法は、それっきりすっぱりと現状を断ち切ること。恋人なら別れを切り出し、執筆なら書き進めるのを止める。

それとも、第三の方法として、理想から遠ざかっていく現状を楽しむくらいしかないのかな。けれど、それが恋人や夫婦関係ならきついし、現状がより良くなる可能性は、よほどの幸運がない限りはないので、きっぱり別れるしかなさそうですが。

これはたとえていうと、ホットコーヒーを注文したのに、なぜか店側が間違えて苦手なレモンティーが来てしまったけど、値段も一緒だし店も忙しそうだからまあいいや、みたいな感じでそのまま飲んでも、やっぱり代えてもらえばよかったと後悔する感じですかね。

上記のたとえは、わたしみたいに紅茶が苦手な人ならわかってくれるはずです、たぶんね。悪い感じの違和感は悪い感じのままで、それが良い感じに変わることはほとんどない、ような気がします。これは人間関係でも同じじゃないかな。

これが小説の執筆ならば、まだ可能性はありますね。自分が理想としていた結末から、いま書いているところの物語の展開がどんどん離れているけど、そのまま書き上げたら、最初の理想よりも良くなっていた(ような気がする)、みたいなことがたまに起こります。

小説を書いているとき、そういうことがたくさん起こるといいんだけど。

とにかく、なにかしらの違和感を覚えたときは「今だ!」と唱えながら、より良くなると信じられそうな方向に動けば、なんとかなるんじゃないかな。「今だ!」と感じた瞬間に動くしかないのです。


※ひつじのはなし|Good Morning! Musicは、水月羊(the Maverick Black Sheep)が大胆不敵にも音楽(主に洋楽)エッセイを書こうという目論見と試みです。洋楽の曲を聞いての感想や解釈のエッセイ、コラムとなります。気になった曲の歌詞の意味はそれぞれ訳してみてください。また違った見方ができるかもしれません。


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