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reducing teacher stress

概要

本実験では、教師のストレス症状を緩和する典型的な介入の効果を検証した。30名の高ストレスの教師が無作為に介入群と対照群に分けられた。彼らは環境、パーソナリティ、情緒の側面を自己報告あるいは観察者評定で評価された。
介入は、教師のストレス症状を緩和することが示された要素で構成される包括的な内容であった。
その結果、介入群は対照群よりも1.02SDストレス症状得点が低く、23/39の尺度で介入群のほうが望ましい効果が認められた。
ただし、対照群はウェイトコントロールだったため、ホーソン効果による介入群の効果の可能性も考えられた。

問題と目的

  • 労働者のストレス因子は明らかにされていることから、それを緩和する典型的な介入法の効果検証が本研究の目的

  • ストレスの概念に関する新たな知見と、教職のストレス要因の特定結果から、教師のストレスへの短変量介入は無益である可能性がある。ストレスはさまざまな側面で作用し、常に予測できないため、ストレスマネージメントは多くの研究と理論に基づくストレス要因を考慮した総合的な観点から考案および実施する必要があると考えられる。同様に、教師のストレス軽減に効果的だと示唆されているすべてのプロセスを組み込むと介入が強化されると考えられる

方法

対象者

介入

2時間×12セッション
レクチャー、ディスカッション、小グループによる進捗と問題の共有、視聴覚教材の提示、筆記テスト、宿題
介入は2名の臨床心理士が実施
先週の取り組みを冒頭で振返る

セッション1

  • 管理の詳細、プログラムの内容、そのプロセスの説明

  • 心理士はグループ形成プロセスをマネージメントし、参加、尊重、オープンネスの規範及びリラクゼーション反応をマネージメント

セッション2

  • ストレスの概念

  • ストレス、苦痛、ユーストレス (快反応を及ぼすストレス)、タイプA/Bパーソナリティ、その他のストレス兆候

  • ストレスの段階、一般的な原因、結果、症状

セッション3

  • 仕事に基づくストレス、役割葛藤ストレス

  • 参加者固有のストレス要因、ストレスログ

セッション4

  • アサーティブネスの定義、重要性、攻撃性との区別

  • 自己主張と自信の関係

セッション5

  • リラクゼーションと呼吸

  • 筋弛緩トレーニング

  • リラクゼーション反応は自動的になるまで練習

セッション6

  • 瞑想

  • より深いリラクゼーションと自己実現を達成する手段として説明

  • 全てのセッションはガイド付きリラクゼーションあるいは瞑想の短いセッションから開始

セッション7

参加者の栄養評価 (食生活)

セッション8

  • 運動、ミニリラクゼーション、ストレッチ

  • 身体運動の評価

セッション9

  • ホリスティックな生活、こころ、体 (はあ?)

  • 自分と環境への気づき、選択と個人の創造性への気づきとして定義されるマインドフルネス

  • 人生のバランスをとる

セッション10

  • 絶望と化学的ストレスへの対処

  • ストレスによる絶望についてディスカッション、

  • ストレスを減じる方法の検討

  • 内分泌の簡易な説明

  • カフェイン・ニコチンなど交感神経刺激薬が活動ベースラインを上昇させる仕組み

  • アルコール・マイナートランキライザー・バルビツール塩酸塩・麻薬などストレスベースライン低下の薬剤

セッション11

  • サポートシステム、生活ストレス、教師のストレス

  • 職場と私生活の双方で適切な社会的サポートシステムを持つことの重要性を討議

  • バランスを保つため、ストレスに関する情報・対処法・テクニックを日々活用する必要あり

セッション12

これまでのワークショップの振り返りと今後の計画

(あらゆる構成要素について教育したことになるが、、)

測定

Structured Clinical Stress Interview (SCSI;セルフレポートよりも豊富な資料が手に入るとして使用されているが具体的な内容が記載されていない)
介入前の評価はブラインド

  • Self-Report Measures

  • Derogatis Stress Profile (Derogatis, 1987; 77-items, 11 subscale)

  • Occupational Stress Inventory (Ospow & Spokane, 1983; 140-items,14 subscale)

  • Teacher Stress Measure (Pettegrew & Wolf, 1982; 70-items, 14 variables)

第三者評定及び各質問紙との相関は中程度といえる

データ分析

ANCOVA (pre-test scores were covariated out)によってポストテストの群間差を検討
t-testにより介入群のプリポストを比較
(ということで分析方法はかなり古いことになる)

結果

平均効果量は1.02
介入群は改善が認められる

(介入のある程度の概要は分かったという程度)

文献

  1. Bertoch, M. R., Nielsen, E. C., Curley, J. R., & Borg, W. R. (1989). Reducing teacher stress. The Journal of Experimental Education, 57(2), 117-128.

  2. Derogatis, L. R. (1987). The Derogatis Stress Profile (DSP): Quantification of psychological stress. Advances in Psychosomatic Medicine, 17, 30-54.

  3. Osipow, S. H., & Spokane, A. R. (1983). Manual for measures of occupational stress, strain and coping (Form E-2) Columbus, OH: Marathon Consulting and Press.

  4. Pettegrew, L. S., & Wolf, G. E. (1982). Validating measures of teacher stress. American Educational Research Journal, 19(3), 373-396.

  5. Selye, H. (1956). The stress of life. New York: McGraw-Hill.

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