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editing: 【職場いじめ・ハラスメント】the concept of bullying and harassment at work: the European Tradition


Prefece

I would like to express my gratitude to Professor Dieter Zapf for providing me with the paper

Abstract

1980年代後半から1990年代初頭にかけて発展した職場でのいじめとハラスメントの概念について、「ヨーロッパの伝統」と呼べる職場いじめ研究の中で発展し、他の地域でのいじめに関する視点が生まれた経緯を紹介し、議論する。
まず、ヨーロッパ諸国および世界中でいじめの概念がどのように発展し、重要性を増してきたかを展望する。
次に、現象のさまざまな主要な定義特性、例えば頻度、期間または持続性、権力の不均衡、いじめっ子と被害者の地位や立場、客観的および主観的ないじめ、対人関係のいじめと組織的ないじめの違いなどを提示し、詳述し、展望する。
さらに、いじめが独自の概念であるのか、それとも攻撃や対人関係の対立の単なるサブ概念と見なされるべきかについて議論し、前者の見解を強く支持する。
最後に、これまでヨーロッパの職場いじめ研究を支配してきた概念モデルについて展望する。


Introduction

  • 1990年代にヨーロッパを中心に職場いじめやモビングが交流し、共鳴を得て国の問題とされて「1990年代の研究テーマ」とまで呼ばれるようになった

  • しかし、現在からみると、2000年代以降、職場いじめん関連出版物は1990年代をはるかに上回った (Nielsen & Einarsen, 2018)

  • Niesen et al. (2010) による職場いじめの発生率のモデレーター分析では、81.3%の研究が2000年-2008年に発表された

  • いじめと欠勤の関連に関する系統的レビューでは、半数以上が2011-2016年に報告された (Nielsen et al., 2016)

  • 職場いじめは、部下・同僚・上司への体系的虐待で、長期にわたると社会的・心理的・精神的な問題を引き起こしうることは種々の見解で共通

  • 職場での極端な社会的ストレス (Zapf et al., 1996)、トラウマイベント (Nielsen & Einarsen, 2012; Tehrain, 2004)

  • これは、英語圏ではworkplace bullyingフランス語圏ではharassmentと呼ばれる

  • 多くのヨーロッパ諸国ではmobbingとよばれる

  • mobbingは英語の「mob」から派生し、もともとは動物の攻撃性や群れの行動を説明する用語 (Munthe, 1989)

  • Heinemann (1972) は学校場面で仲間グループによる子供の被害を説明し、Leymann (1986, 1990) が組織メンバーへの体系的な虐待を説明した

  • 「いじめ」という用語は、多くの状況で攻撃的に振る舞い、複数の対象に対して攻撃的に行動する加害者の説明により適しているかもしれない

  • 「モビング」の概念は、1人以上の加害者によって体系的に嫌がらせ、虐待、社会的排除を受け、その結果として深刻な被害を受ける対象者の経験により適している (ZapfとEinarsen、2005)

  • 「ハラスメント」の概念も加害者により適しており、性的嫌がらせやより深刻な虐待や違反の単一のエピソードを含む、より広範な概念

  • したがって、「いじめ」と「ハラスメント」の概念は、加害者と対象者に焦点を当てていると思われる

  • Leymann (1996) は、成人間のいじめは微妙で間接的な形態の攻撃を示すためそれを反映すべく「いじめ」よりも「モビング」を選択した

  • しかし「いじめ」という用語を使用する人々の間でも、関与する行動はしばしば言葉による、受動的で間接的な性質を持つことが示されている (Einarsen、1999; KeashlyとHarvey、2005; RosanderとBlomberg、2019)

  • 職場いじめは間接的・受動的・微妙なニュアンスで行われることから、いじめっ子の一般的なステレオタイプである支配的で無礼で攻撃的な人物像は、少なくともほとんどのヨーロッパ諸国で見られるいじめの多くのケースには典型的ではない

  • *コメント:この点がわが国に浸透してほしい。あの人はしない、私にはしていない、そんなことする人に見えない、という人物像と、職場いじめ (mobbing) は関係がなく行われている点である*

  • したがって、本章では、「ハラスメント」、「いじめ」、「モビング」という用語を、職場での攻撃的な行動や社会的排除の体系的な表示、および職場でそのような虐待を体系的に受けているという認識の両方を指すために用いる

The development of a new concept: some historical notes

  • 職場いじめの関心は、1980年代のスカンジナビアで始まった

  • 学校の子供たちのいじめへの研究に部分的に触発されたものだった

  • 故ハインツ・レイマン教授は、スウェーデンの労働監督局での仕事中に、文献にみられなかった体系的な虐待と社会的排除の一連の事件に遭遇し、「Mobbing-Psychological Violence at Work」を世界で初めて記述した (Leymann, 1986)

  • Leymannは関与する人ではなく、作業環境に由来しているとし、ワークデザイン、リーダーシップ実践など組織要因と心理社会的作業環境の相互作用によると確信した









Reference

  1. Einarsen, S. V., Hoel, H., Zapf, D., & Cooper, C. L. (2020). The concept of bullying and harassment at work: the European tradition. In S. V. Einarsen, H. Hoel, D. Zapf, & C. L. Cooper (Eds.). Bullying and harassment in the workplace: Theory, research, and practice (3rd ed., pp. 3-53). Boca Raton: CRC Press.

  2. Nielsen, M. B. and Einarsen, S. (2012) Outcomes of exposure to workplace bullying: A meta-analytic review.
    Work and Stress, 26 (4), 309-332.

  3. Nielsen, M. B. & Einarsen, S. (2018). What we know, what we do not know, and what we should and could have known about workplace bullying: An overview of the literature and agenda for future research. Aggression and Violent Behavior, (42); 71-83.

  4. Nielsen, M. B., Matthiesen, S. B. and Einarsen, S. (2010) The impact of methodological moderators on prevalence rates of workplace bullying. A meta-analysis. Journal of Occupational and Organizational Psychology, 83(4), 955-979

  5. Nielsen, M. B., Indregard, A. M. and Øverland, S. (2016). Workplace bullying and sickness absence – A systematic review and meta-analysis of the research literature. Scandinavian Journal of Work, Environment & Health, 42(5), 359–370.

  6. Tehrani, N (2004) Bullying: A source of chronic post-traumatic stress? British Journal of Guidance and Counselling, 32 (3), 357-366.

  7. Zapf, D. & Einarsen, S. (2005). Mobbing at work: Escalated conflicts in organisations. In S. Fox and P. E. Spector (eds.), Counterproductive work behaviour. Investigations of actors and targets (pp. 271-295). Washington,
    DC: American Psychological Association.

  8. Zapf, D., Knorz, C. and Kulla, M. (1996) On the relationship between mobbing factors, and job content, the social work environment and health outcomes. European Journal of Work and Organizational Psychology, 5, 215–237.

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