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恋人だった人

数ヶ月前まで、私のことが世界で一番好きな恋人がいました。

彼は音楽をしていて、どんな気持ちも言葉にするのが上手でした。
一方で私は自分が思ってることも考えていることも何も分からず言葉に出来ない不器用な女の子です。
その上恥ずかしがり屋で彼への愛の言葉もなかなか上手く伝えることが出来ませんでした。

彼は誰かに愛されたがっていました。

毎日大学で会うと1番に素敵な笑顔でおはようをくれて、今日も可愛いと褒めてくれました。
バイトが終わると「今から帰るよ」とLINEが来て、私たちが大好きだった猫を見つけると写真を送ってくれました。
私がなにもかも嫌になって泣いていると、静かに抱きしめてくれました。
寝る前には必ず電話で大好き、愛していると伝えてくれて私は眠りにつきました。

彼が私にたくさん愛をくれたのは紛れもなく私のことを愛してくれていたからでしょう。
しかし、いくら恋人でも無償でこんなたくさんの愛をあげることなんて到底できません。
今思えば自分にして欲しいことを私にしていたのだとよく分かります。
人間は誰だって見返りを求める生きものです。

私は彼にたった一言「好き」と伝えるだけで精一杯でした。
彼のようにたくさんの言葉で愛を伝えるのも甘いキスをするのも上手にできません。

今になって気づいて、後悔しても遅いと分かっていますが、彼が私にくれた好きをもっと彼に返すことが出来ていたのならもっとお互いに歩み寄って恋人として隣を歩けていたのかなと思います。

私はもっと自分の思っていることを、きちんと理解して上手く言葉に出来なければ友情でも恋でも上手くいかないと思いました。

私が私を知るためにnoteを始めてみようと思います。

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