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スチールのカメラマンがライブ配信できるようになるまでー機材購入編

日曜日に、初めてのライブ配信をしました。

私はビデオカメラマン&配信エンジニアとして配信を行いました。
友人のアーティストが演者として、演奏と歌を披露してくれました。

配信のお知らせとして書いたnoteがこちら。

当日の配信アーカイブ。

リハーサルでさんざんやったのですが、いろいろやらかしていて消してしまいたいくらい…。ですが、もちろん残しておきます。

なぜ配信をしようと思ったのか

私はスチールのカメラマンです。
主に撮影しているのは、幼稚園や小中高校などのスクールフォト、それからウェディング。子供写真専門スタジオでも撮影させていただいています。

ですが、今回の騒ぎで仕事が激減。
入学式は半分くらい延期になって、年間で撮影を担当している幼稚園も先が見えない状況です。
来月からは撮影も再開できるかもしれませんが、しばらくは様子見が続くでしょう。

私は音楽が好きで、月に1度か2度、ライブハウスや小さいホールに、好きなアーティストさんの歌を聴きにいくのが楽しみです。
ライブハウスもアーティストも苦しいときが続いています。
今回のことでチケットを持っていたライブはすべて延期か中止。

まだ緊急事態宣言が出る前、いちばん最後に行ったライブは、下北沢でした。
そのとき、来られない人、行くのは難しいという人のために、ライブ配信が行われました。
現場で配信の様子をチラ見しながらライブを観て、帰宅してからすぐにその配信のチケットを買いました。
配信を行っていたかたは一人でやっておられたので、もしかしたら私もできるんじゃないか…そして無謀にも、「もしかしたら、手持ちの機材を使ってやれるんじゃない?」と思ってしまったのです。

そんなわけで、機材を買いそろえ、配信ソフトの使い方を学び、ライブ配信にこぎ着けました。
このnoteは、「ツイキャスでラジオ配信(それも3回くらい、お遊びみたいなもの)しかしたことのないスチルカメラマンが、YouTubeLiveで配信をした」記録です。

必要なものを調べる

配信をするといっても、手元にあるのはカメラとせいぜい三脚くらい。
配信に必要なものはなにか、それを調べるところから始めないといけません。

私がしたい配信は、
・複数のカメラを使ってそれを切り替えながら
・リアルタイムで

行う配信です。

それにはなにが必要なのか。
自分でもたくさん検索しましたが、Facebookで「ライブ配信がしたい」と書いたところ、ビデオ撮影を仕事にしている友人が必要なものをすべて教えてくれました。
感謝の言葉もありませんが、そのアドバイスに従って、必要な機材を揃えていきましたが、これがけっこう、時期的なもので品薄のものが多くて大変でした。

スイッチャーとビデオキャプチャーボードを買う

カメラを切り替えるのに必要なものとして、まずスイッチャーがあります。
当初、友人が候補としてあげてくれたのはBlackMagic社のATEM miniでしたが、在庫がまったくなく、メルカリでは定価の倍以上で取り引きされる始末。
たぶんですが、配信をしようと思った人が増えたこと、また、製造や部品の供給元が、中国だったんじゃないかと思います。

ATEM miniが扱いやすそうで、価格も6万円台と安かったのですが、手に入らないので、あきらめてRolandのV-1HDというスイッチャーを買いました。ほぼ倍くらいの金額でしたが、次に安いのがこのモデルくらいしかなく、友人のおすすめ機材でもあったので、そちらを注文しました。

結果的にこのRolandのスイッチャーは、実際の配信で使うことはありませんでした。
理由はふたつあって、配信テストをしようと準備しているあいだに、ATEM miniの上位機であるATEM mini PROが発売されたこと、そしてV-1HDにはUSB出力でPCに映像を直接出力する機能がなかった、ということが要因です。

後者については、メーカーに確認したところ、ビデオキャプチャーボードを使う必要があるとのことでしたが、どのビデオキャプチャーボードなら相性がいいのかといった情報はなく、調べても見つけられなかったので、とりあえずI/Oデータの GV-US2C/HDというモデルを購入しました。
ハードウェアエンコーダー内蔵で、配信用PCの負荷を軽くできるという点が気に入って選びました。

ですが、ATEM mini PROの発売が決まり、レビュー記事を読むと、V-1HDとGV-US2C/HDでやろうとしていることは、ATEM mini PRO一台で楽にできてしまうことが分かりました。

もともとATEM mini が入荷したら、V-1HDは中古で売ってしまおうと思ってヨドバシカメラに予約を入れていたのですが、すぐに電話してキャンセルしました。
かわりにATEM mini PROを予約したかったのですが、まだ販売システムに登録されていないので、登録されたらネットショップで予約してほしいと言われました。
うーん。

そこが待てない私…。いいのか悪いのかわかりませんが…。
その場でビデオ機材の専門店を検索し、ATEM mini PROの予約を入れました。
発注時点では入荷は7月との噂もあり、いつ入荷するか分からないままでしたが、とりあえず手元の機材でテストを進めるつもりで、届いたら機材変更し、使わなくなるものは売ってしまおうと考えていました。

外部モニターが品切れ

スイッチャーからの出力状態を確認するのに、HDMIモニターが必要と思ったのですが、これがまた品切れにつぐ品切れでした。
資金が潤沢にあるわけではないので、できるだけ安く、また現場への持ち運びを考えると、できる限り小さいものが理想です。
高画質なものは要りません。

これも中国製が多いからだと思いますが、ことごとく品切れでした。
結果的に在庫が復活するまでひと月近くかかったように思います。
この間、実際に接続してのテストなどができず、配信について調べたり、カメラの仕様を確認して必要なケーブル類を揃えたりしていました。

ATEM mini PROが到着!

外部モニターが買えないまま、配信ソフトの使い方などを勉強しているところへ、注文していた業者さんから「ATEM mini PRO入荷しました!」との知らせが届いたのが、GWの前半だったと思います。

すぐに送ってもらい、マニュアルを読みました。
マニュアルの日本語がしっかりしていて、また項目の説明などもとても分かりやすく、これは使える、と思いました。

カメラを接続して、切り替えが問題なく行えることなどをテストし、ようやくAmazonの在庫が復活したので外部モニターを調達しました。

ムービー用カメラを買う

本来であれば撮影にはムービー用のビデオカメラを使うところですが、私はカメラマンなので、一眼レフを持っています。
これをカメラとして使うことにしました。
幸い、純正マイクもひとつ持っていたので、一台はこれで音も録れます。

ただし、一眼レフをムービーカメラとして使ううえでは、懸念事項が複数あったので(これは別に書きます)、一台だけカメラを買い足しました。
Q2nという、マイク内蔵カメラです。

これを選んだ理由は、次の3点です。

・内蔵マイクの音がよい
配信をされていたアーティストさんに、音響についてうかがう機会があり、現場でいろいろ試したが結果的にこれで録った音がよかった、とのことでした。
別のアーティストさんからも、おすすめされました。

・めちゃめちゃ広角が撮れる
レンズが35mm換算で16.6mm。かつ、160度の角度で撮影できます。
手持ちの機材には35mm換算で15mmからのレンズもありますが、それだけ広角でマイク内蔵なのはやはり便利。
狭いスタジオやライブハウスで引きがなくても、広く全体の画を押さえられます。

・レンズが明るい
すごく小さいのにF2.0。明るいです!

メーカーのサイトを見に行ったところ、「ミュージシャンのためのカメラ」とのコピーが。

フォトグラファーなので、画は作れる自信があるけれど、正直、音は分かりません。
マイクがふたつあっても困ることはないので、とりあえずこれだ、と思い、即購入しました。これは在庫がありました。

ここまでで買ったもの

Q2n
・スイッチャー ATEM mini PRO
・HDMIケーブル 2本 D500とD850用
・HDMIケーブル 1本 Q2n用
・外部モニター
・USBケーブル スイッチャーとPCの接続用
・ビデオ三脚 1本

スイッチャー Roland V-1HD とビデオキャプチャーボード GV-US2C/HDは、ヤフオクで無事、必要なかたにお譲りしました。

ケーブルについてはかなり悩んだり迷ったりしたので、次のnoteにも、選ぶときに考えたことを書きました。

上記の機材に、いま使っているカメラ3台とレンズが加わります。
カメラを立てるのに必要な三脚も、2本あるのでそれを使います。
たぶんこれで、一人でできる最低限のシステム。

次は、機材購入以外で、当日までに準備したことについて書こうと思います。

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