見出し画像

スチールのカメラマンがライブ配信できるようになるまでー配信準備編

カメラマンやライターなどの仕事をしている私が、思い立ってライブ配信できるようになるまでの過程を書き残しています。

前回の記事はこちら。

配信当日までに準備したことについて

前回の記事では、機材の購入について書きましたが、ほかにもいろいろな準備をしました。
やったことはたくさんありますが、列記します。

・必要な機材のケーブル類のリストアップ
・配信ソフトの設定方法と使い方を学ぶ
・スイッチャーの使い方と新しく買ったカメラの使い方を確認する
・実際にYouTubeに接続しての配信テスト
・カメラの電池持ち問題の解消
・OBSを長時間動かしても、PCが落ちたり固まったりしないかのテスト

それぞれ、どういう意図でどんなことをしたのか、書いていきます。

必要なケーブル類のリストアップ

機材の購入についてだらだらと書いたのが前回の記事ですが、スイッチャーや外部モニターの選定以上に大変で面倒だったのが、ケーブル類の選定でした。

カメラとスイッチャーはHDMIケーブルで接続します。
スイッチャー側のHDMI端子はすべて同じ形状ですが、カメラ側はカメラによって形状が異なるので、それに合わせたものを用意しなければいけません。

また、ケーブルには、長さの選択肢があります。
どんな広さの場所でやるのか、広さとカメラの配置、カメラから、配信をコントロールする配信卓までの距離などを想定して、ある程度の長さのものを用意する必要があります。

カメラは、D850、D500、Q2nなので、それぞれの端子を調べ、各カメラをどう扱うのかを検討して、ケーブルの長さを決めました。
Q2nはいちばん広角なのとマイクを内蔵しているので、センターで引き画を撮るカメラ、あとの2台はそれぞれ別角度から、やや寄った画やアップを狙っていくので、そこを加味したケーブル長のものを選びました。

HDMIケーブル以外にも、
・スイッチャーの映像をPCに送るUSBケーブル
・Q2nに給電するためのUSBケーブル
・D850とD500に給電するためのケーブル(ここはちょっと特殊なので、「カメラの電池持ち問題を解消する」で書きます。)
などが必要です。

文字で書いていると自分が分からなくなってしまったので、ケーブルを買う前に、PowerPointで接続イメージ図を作りました。

配信システム接続図_当初のもの

カメラが1台多いですが、私のスイッチャーは4台まで接続できるので、4台でとりあえずの図を作り、これを元にケーブル類を揃えました。

配信ソフトの設定方法と使い方を学ぶ

私がやりたい配信は、複数のカメラを切り替えながら行うライブ配信です。
そのためには、カメラを切り替えるためのスイッチャーという装置が必要であること、さらにそのスイッチャーからの映像を配信するための、配信ソフトが必要ということを、ビデオ撮影や配信をしている友人に教えてもらいました。

おすすめはOBSということで、ソフトをダウンロードしました。
配信ではスタンダードなソフトなので、使っているかたも多いと思います。

さて、ここから配信の設定をしなくてはいけません。
配信とひと言でいっても、YouTubeやツイキャス、SHOWROOMなど、いくつもサービスがあります。
当然、それぞれで設定も変わってきます。

仕事でPCのマニュアルや教本を書いているので、ソフトはその思想が理解できれば機能が分かると思っているのですが、配信ソフトは初めて使うので、どこをどう設定すればいいのか、どの設定が重要なのか、勘所が分かりません。

またしても助け船になってくれたのはFacebook。
友人でつながっているかたが、シェアされた投稿で、「コロナで外での仕事ができないので、こんなことをサービスとして提供します」、という内容のものがあり、そのなかに「ライブ配信についてのレクチャー」がありました。

私の求めていた先生がいた!と、すぐフィードに書き込んだところ、直接連絡してみてください、と。
Zoomを使った有料レッスンを申し込み、レクチャーしていただきました。

レクチャーの当日は機材がすべて揃わなかったのですが、PCの内蔵カメラを使って実際に配信をしながら、手順や設定について教えていただきました。
あらかじめ質問事項をリストアップしてお送りしておいたこともあり、必要なことを1時間で教えていただきました。

おおよそのところを理解できたので、機材が揃ったあと、自分で接続してテストを行いました。
さらに実際のイベント配信をする前にもう一度お願いして、配信の当日と同じように機材をすべて接続して、レクチャーをうけながらテスト配信を確認していただきました。

スイッチャーの使い方と新しく買ったカメラの使い方を確認する

スイッチャーは、複数接続したカメラの映像を、スイッチで切り替える機械です。
使い方に迷うかと思いましたが、購入したATEM mini PROは、ものすごく簡単に使えました。

専用のソフトをダウンロードすれば、PCから細かなコントロールがいろいろできるのですが、私のやりたいこと(複数カメラの切り替え)であれば、特にソフトウェアがなくても問題ないので、今回はソフトは使わず、そのまま物理的なキーを使ってコントロールすることにしました。

Q2nも設定がいろいろ変えられるので、こちらもいろいろといじりながら確認していきました。

使いながら覚えるスタイルで設定を変えて試して、ベストの設定を探しました。こういう作業は楽しいので好きです。

機材の接続とYouTube配信のテスト

1回目のOBSのレクチャーをお願いしたときは、外部モニターがなかったため、実際に配信を行うシステムでの接続テストはできませんでしたが、その後、機材が揃ったところで接続し、YouTubeで確認の配信をしてみました。

自宅の仕事部屋(とても狭い&機材と資料でいっぱい)で、複数カメラを接続してのテストなので、画角も限られましたが、自分で自分の映像を配信してみました。
公開はあまりに恥ずかしいので、限定配信のURLでYouTubeに流しました。
映像と音を確認してくれるかた、とツイートしたところ、何人か連絡いただけたので、DMでURLを送って、ちゃんと配信できているか、確認してもらいました。

カメラの電池持ち問題を解消する

配信はできましたが、機材の問題で解消しなくてはいけないことがいくつかありました。
そのひとつが、カメラの電池の問題です。
ビデオカメラには、一般的にACアダプタなどが付属していると思いますが、私がライブ配信で使おうとしているのは一眼レフなので、電池で動かすことになります。

写真撮影であれば、バッテリー1つで何時間も撮影できますが、ムービーで、しかもライブ配信なので、回しっぱなしです。
その感、カメラのビューファインダー(背面の液晶)が、ずっと表示状態になるので、電池の消耗は写真撮影よりもずっと早くなります。

電池以外の方法はないのかと検索したところ、「パワーコネクター」という製品を見つけました。
カメラにセットできる電池型のアダプターに、ACアダプターを接続できるケーブルがついたものです。

これに、別に販売されているACアダプターを接続すると、コンセントからカメラの電源をとって、カメラを動かすことができます。

さっそく発注!
と思ったのですが、ACアダプターのほうが、生産が中国なのか、欠品状態。

しかたがないので電池でどこまでやれるかをテストすることにして、ダメ元で、ヨドバシカメラに注文しました。

カメラの電池持ちと電池交換をテストする

ACアダプターが手に入らないので、カメラは電池で動かすしかありません。
3カメでの配信を考えていたので、途中で電池がなくなることを想定して、次のような作戦を立てました。

・Q2nはUSBで外部電源がとれるので、時間制限なしに動かせる。それをメインカメラにしておく。

・D850とD500は電池駆動なので、どこまで電池が持つのかをあらかじめ測っておき、残量が25%を切る前に配信映像をQ2nの映像にスイッチャーで切り替え、その間に電池交換する。

ここでの課題はふたつ。
1)電池がどれくらいの時間持つか
2)配信中にカメラの電池交換が可能か

1については、まず使っているカメラメーカーのサイトなどを検索して回りましたが、確証を得られる情報を見つけられなかったので、単純にテストすることにしました。
満充電のバッテリーを用意して、本番と同じ環境で接続した配信状態を作り、カメラの電源を入れてムービーを回しっぱなしにします。

時間を計ると、おおよそ1時間ちょっと持つことが分かりました。
撮影状態によっても変わるので、6割くらいと考えても、30~40分くらいはおそらく大丈夫だろうと思いました。

次に2について。
やはり実際にやってみるのが早いので、本番と同じ環境を作り、途中でQ2nに映像を切り替えたあとでカメラを外して電池交換、電源を入れて再度ビデオにし、映像をそのカメラに切り替える実験をしました。
これも問題なくできました。

これでとりあえず、電池問題は解消。
本当は一眼レフにAC電源が取れるのがいちばんいいので、あくまで一応、ですが。

OBSが耐えられるかのテスト

電池と同時にやったのが、OBSが安定的に稼働するかのテストです。

自分が視聴者として見ていた配信で、OBSの動作が不安定だったり、配信中に固まってしまって配信を中断するといったケースがあったので、自分のPCで安定的に動くか、確認をしておきたいと思い、カメラの電池寿命を測るのと同時に、配信したままにするテストをしました。

PCに負荷をかけるため、作業している裏でOBSを起動して配信したままにして、画像編集やブラウザの操作、PowerPointの編集など、ふだんやっている作業をしてみました。

OBSを動かしていたPCのスペックです。
・Windows10
・Intel CORE i5 8th
・メモリ 8GB

特に問題なく、1時間半以上動作できたので、これは大丈夫と思いました。
またOBSでは、画面にCPUの使用率が表示されますが、これもおおむね7~8%で、特に問題なさそうでした。

ここまででほぼ、YouTubeでのライブ配信の準備ができました。

レクチャーを受けながらのYouTube配信テスト

配信はできているけれど、これでほんとうに問題ないのか、最後まで不安だったので、OBSと配信について教えてくれたかたに連絡して、もう一度レクチャーをお願いしました。
また質問をまとめておき、今度は本番と同じ環境を作って、テスト配信を行いながら教えていただきました。

こちらで配信している画面をむこうで確認してもらいながら、音を流してミキサーの操作を確認するなどしてもらい、そのほかにもいくつかチェックしていただきました。

また、配信の途中で、Zoomを使ったトークイベントを配信する必要が出ていたので、その音声入力や画面を共有して表示する方法についても確認しました。
音声については、ここで確認していたのですが、当日、自分の声だけがYouTubeに乗らない状態になってしまいました…。これについては、次の配信してみた編で書きます。

写真や記事を楽しんでいただけたら嬉しいです。記事や写真を気に入っていただけたら、スキ(左下の♥)を押していただけると励みになります。