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絵本#3 「おかあさんはね」と「ずっといっしょ」

 長男への絵本の読み聞かせについて,今日は英語が原作の絵本,「おかあさんはね」と「ずっといっしょ」について書きます.

 子育て中の友人とおすすめの本を紹介しあったときに教えてもらったのが「おかあさんはね」と「ずっといっしょ」でした.どちらもこどもに「あなたが大事だよ」という気持ちを込めて読めるのでいい絵本だなと思います.

 ただ一点気になるのは英語では「I」なのに日本語では「おかあさん」となっていることです.それぞれ英語のタイトルと比べると

  • 日本語:おかあさんはね ,英語: I wish you more

  • 日本語:ずっといっしょ, 英語: I'll never let you go 

です.「ずっといっしょ」の方はタイトルではわかりませんが本文中に一箇所だけ

日本語:ほら,おかあさんだってはずんじゃう
英語: Iook, I'm bouncing, too!

という箇所があります.我が家は夫や祖父母も読み聞かせてくれるのですが,そのときに「おかあさん」が主語になることが引っかかります.英語なら「I」のままだから問題ないのに… これは日本語と英語の違いなので訳す上で仕方がないのですよね.「ずっといっしょ」の方はその点を意識してか,ほとんど主語が省かれて書いてあります.(さすが俵万智翻訳!)

 これらの本を読み聞かせていて,大学生の頃読んだ鈴木孝夫さんの「ことばと文化」という本の自称詞についてが思い出されました.

日本語は「相手から自分がどう見えるかで自分を表現する」ということが書いてあったと思います.言語の文化的な違いが絵本で見えてくるのはおもしろいなと感じました.
 余談ですが,同じく鈴木孝夫さんの「日本語と外国語」も日本語における漢字の役割について書かれていてとても興味深かったです.漢字のおかげで身近な対象を表す言語と学術的な対象を表す言語が乖離しにくいというのが目から鱗でした.小中学生でなんでこんなに漢字を覚えなきゃいけないんだ!と思ったことがある方は,読んでみると発見があるかもしれません.


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