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こだわりに心震える《翠曜日》vol.30

心震えたクリエイティブを、思い出す

①自分の中で恒例となりはじめている、藝大卒展の鑑賞。去年は学部卒の方には行けなかったのだが、今年は足を伸ばしてみた。
木彫りの宇宙飛行士のマトリョーシカ(?違う)に心を奪われた。不気味で、でも木彫りの温かさが残っていて。作者さんをメモるのを忘れてしまったので、わかる方は教えていただきたいのだが、作品の写真は残っているので載せてみようと思う。

2024藝大卒展 東京都美術館にて

ほら、とても不気味で愛らしくて、目を奪われない?1人目のサイズは人間くらいあって、手のひらに乗った2人目と比率を同じくしてどんどん小さくなっていく宇宙飛行士。
これを見たとき、私が前にも似た作品に心を奪われたことを思い出した。
『チェンソーマン』の漫画のとある1ページである。あまりにも“良すぎる”と思った。絶望と混沌、そして無機質さと不気味さと…なんか言語化は勿体ないくらいにとにかく“良すぎる”と思った。

『チェンソーマン』藤本タツキ

ああーかっこいい。よく分からないが、圧倒的な力を持つこれらには、無条件に目を奪われた。
宇宙飛行士というモチーフが持つ力はなんなのだろうか?ひとつには顔がない故の「キャラクター感」と「量産可能性」と、付随して「無感情」それが引き出す「不気味さ」という風にイメージがつながっていくのではないか。宇宙飛行士が居るのは当然宇宙だろうから、宇宙が持つイメージもついてまわる。すると、壮大で未知数で畏怖を抱くような感覚にも、より納得してしまう。
以前にも触れたかもしれないが、《顔が無い》は私にとって大事なテーマで、これからもついてまわる視点だと感じている。
なんだかよく分からないのだが、すごい惹かれる。大学の授業で「自分で展覧会を構想してその図録を作る」という内容に取り組んだ時に、『NO FACE』と題して調べに調べた。でも、そのテーマ自体はすんなり決められたし、もっと前から興味があったものにタイトルを付けただけだという感覚があった。果たしていつから好きだったのか…?


②ついったー(あっ…Xだ、って思ったけどわざわざ取り消すのもなんかアレだから平仮名表記にしてみた)を漁ってたら、
#エンディングが神がかってる映画
というタグがやたらおすすめに出てきた。知らない作品がたくさん。「エンディング」という言葉が指しているのが「作品のオチ」であることもまちまちだったが、エンドロールに注目していた投稿を発見。私もだいぶ前に観た『バクマン。』の映画だった。あのエンドロールは本当に良い!あまりにも愛に溢れた、漫画をテーマにした作品として正解すぎるエンドロール。最後の最後までワクワクさせられるし、遊び心が詰まっていて、最高。Twitterの投稿に拠ると「大根監督はいつもエンドクレジットにこだわってるけどコレはジャンプ愛溢れてて涙出た」ということで、大根監督が気になる。

ああ、『モテキ』もこの人だったんだ!エンドクレジット…憶えてないなぁ。『scoop!』という作品が気になる。いつか観てみよう。

好きなエンドロールの映画作品って言われて、1番に思いついたのは『バクマン。』だったんだけど、他に挙げるのなら…

『魔女の宅急便』:アフターストーリーを会話無しで楽しめるのってエンドロールの特権だと思う。「やさしさに包まれたなら」のイントロって、なんだかわからないけど涙腺が刺激される気がする。涙が出るまでは行かないんだけど、切なくて幸せな感じなんだよなぁ。ジジの人形依頼してくるお母様が本当に大好きなので、あの人が出てくると嬉しくなっちゃうという理由。

『君たちはどう生きるか』:無意識に深呼吸してしまうエンドロールの時間だったように思う。夏の日の映画館の、あの1回分の記憶だけど。絶対に「地球儀」を映画館で初聴きしたくて、必死に色んな媒体の罠を抜けて堪能した。怒涛のジブリを享受した2時間、息を止めていたような感じ。その力がふっと抜けて、ずーっと息を吐いていたような、そんな深呼吸。もう1回みたーい!

『LION〜25年目のただいま〜』:中学生の頃、洋楽という世界を知ってどっぷり漁り始めた時期に、Siaにハマった。Chandelierなどが有名な彼女だが、TSUTAYAでCDをレンタルしてはパソコンに落とし込んで、そこからiPodにダウンロードして優先のイヤホンで音楽を聴いていた。なんか、時代を感じる笑。
そんなことはよくてですね、私がすんごいハマった曲(中毒性もだけど、とんでもなく惹き込まれた)が、Never Give Upというものだった。YouTubeで見つけて、映像含めて飽きることなく再生した。どうみてもofficialじゃない再生数の、lyricsバージョン。

https://youtu.be/20oWsvaGwEs?si=Ylj23qq0CzkXxnPU

これがなんとなく好きで、何度も見ていた。時は経ち高校2年生。この映像はとある映画のもので、この曲はその主題歌らしいとわかった。コロナ禍完全自粛生活、暇を持て余した映画漬けの日々を送っていた私は、待望の『LION』視聴を果たしたのである。非公式YouTube映像しか前情報がない私は、この映画のラスト数秒に、有り得ないほど泣いた。なんにも知らなかったからこそ、じわじわとやられてしまった。そしてかかるこの曲。ダバダバである。


エンドロールの話でした

③こだわり、という点で考えた時、アカネキカクの作品はやっぱりすごいなあと思う。ダンスに興味が無い人でも、バブリーダンスが2017年頃にも流行ったのは覚えているだろう。登美丘高校ダンス部によるブーム、あの作品を生み出したのがakaneさんである。最近では、彼女が手掛けるダンスチームのアバンギャルディがAmerican God Talentや紅白歌合戦に出演していたり、NiziUの韓国デビュー曲HEARTRISの振付を手がけていたり、ダンスシーンの先頭をゆく存在だ。
akaneさん作品(アカネキカク)は、止めがハッキリしたユニークな動きと、緻密でスムーズで難解な構成移動、そして、ダンスが興味無いという人も楽しませる強いコンセプトが特徴だと思う。

こちらバブリーダンスの前年の大会作品!
好きすぎて毎年追ってた。
人を惹き込むダンス作品というのは、いろーーんなパターンがあるけれど、でもやっぱカッコイイし見ていて楽しい。ずっと観てられる。
好きなダンス羅列今度やろっと。

akaneさんがどうやって構成考えているのかだけは本当に気になる。

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