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東京で最も小さな花火大会(5)

 花火が、上がりました。
 
 市販のロケットやドラゴンなどではなく、プロの花火師が打ち上げる、夜空に大きく広がるものです。
 
 間違いなく、花火大会。
 
 周囲でも、声が上がります。「わぁ」とか、「きれい」とか。
 
 告知なしの花火大会。観客もまばらでスペースが充分にあり、なんだかまるで、花火大会を独り占めしちゃったような気分になります。
 
 しかし……、
 
 次が、上がりません。
 
 まさか、1発だけ?
 
 まさかですが、そう思ってしまうくらい、「間」が空いています。
 
 でも、ちゃんと次が上がりました。
 
 うしろの方で、「おい、上がったぞ」という年配の男の人の声。家族に教えているみたいです。
 
 そんな調子で、インターバルを置きながら、3発、4発、5発と上がっていきます。
 その度に、「おい、上がったぞ」という声が付いて……。
 
(つづく)

書き物が好きな人間なので、リアクションはどれも捻ったお礼文ですが、本心は素直にうれしいです。具体的に頂き物がある「サポート」だけは真面目に書こうと思いましたが、すみません、やはり捻ってあります。でも本心は、心から感謝しています。