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アイドルのブログに命を救われている話

こんにちは、こんばんは、おはようございます。
世界のどこかで誰が書いたかわからないこんな文章を読もうと思ってくれてありがとう。


今日はタイトルの通りの話をします。


「アイドルのブログに、毎日命を救われている」

何を大袈裟な、と笑う人もいるだろう。もしかしたら「わかる」と頷いてくれる人もいるかもしれない。とにかく、私は毎日とあるアイドルのブログを読んで、また明日も生きていこうと思って過ごしているのだ。

順を追って話していく。
2021年、1月。突然、私は某アイドルグループにハマった。自分でも驚いたし、何なら今でも驚いている。家族や友人も「お前が?」と大層びっくりしている。
彼らとの出会いについて話すとまた長くなるので、今回は割愛する。いつかまたどこかで機会があれば聞いて欲しい。今回はブログの話なので。

私が現在進行形で推しているアイドルグループは、メンバーがそれぞれ個々にブログを書いている。更新頻度は各人でまちまちだ。月に一回更新するかしないかというメンバーもいる。
プライベートでの出来事、アイドル活動への思いやファンへのメッセージなど、それぞれ個性溢れる文体で綴られていて、画面の向こうで歌ったり踊ったりしている姿とはまた違う一面が見えて嬉しい。

その中の一人のブログに、私は命を救われた。

彼は「毎日更新」という目標を掲げており、グループ結成日と共にブログが開設された日から、言葉通り365日欠かさずブログを書いているのだ。
内容は、天気から始まり、その日の機嫌や思ったことをまるで友人のように柔らかい文体で伝えてきてくれる。
「笑顔」をモットーにしているわりに機嫌が良い日がほとんど無かったり、ギャグやダジャレなどを書いて自分で突っ込んだり、自分が食べたいものを「今日の献立」と称して書いたり…
私がブログを読み始めた頃は、起床時間予想なるものを毎日欠かさずやっていた。なんだかよくわからないが、これがファンからすれば可愛いのだ。

時には、仕事での失敗や憤りを素直に綴ってくる日もある。そんなときは「話してくれてありがとう」と、まるで隣人のような気持ちにさせてくれる。
365日、雨の日も風の日も楽しい日も苦しい日も、彼はブログを書いている。

いつも最後に「また明日ね」と添えて。

「また明日ね」

これが私の命を今日も救っているのだ。

少し自分の話をしよう。

私は体が弱く、小さい頃からすぐに病気になっては入退院を繰り返していた。大人になってからも体調を崩しやすく、外で働くことが難しい。それでもなんとか生きていた。

去年、ちょうど彼らアイドルに出会ったばかりの頃だ。数年前から患っていた病気が悪化した。命に関わるレベルのものではないし、手術をすれば回復するものではあったが、私は怖かった。
それは、幼い頃から私の中にあった漠然とした未来への恐怖だ。明日、この体が突然動かなくなったら?歩けなくなったら?どうやって生きていこう。
病室で一人、明日が見えない不安に怯えて一睡もできなかった。

そんな時、彼のブログを読んだのだ。

「また明日ね」

短い言葉だ。なんてことのない挨拶だと思う。
でも、また明日なんて大人になって何回言えたろうか。人と触れ合う機会も減った世の中で、たった一言のその挨拶さえ交わせないでいた。
その時、私は思った。

「明日も会えるんだ」

それは魔法の言葉だった。また明日も、このブログを読めるのだ。明日も彼はアイドルという仕事を頑張って、感じたことや思ったことを私たちに教えてくれる。そう思ったら、眠ることが、明日が来ることが、生きていくことがちっとも怖くなくなった。

この文章が彼の元に届くことはないと思う。それでも私は言いたい。

「助けてくれてありがとう」

と。

明日はいつか来なくなるかもしれない。彼がブログを止める日だってあるかもしれない。それでも、「また明日ね」と言える人間でいたい。

そしてこれからも、彼が毎日健やかに過ごして「また明日ね」と誰かに言える世界が続けばいいと願う。

こんな文章を最後まで読んでくれてありがとう。

また明日ね。


※デビュー日→結成日に訂正しております。

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