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教育エビデンス 感情のコントロール
嫉妬や怒りや自己嫌悪などネガティブな感情と付き合うのは大人でも時に難しいですよね。色々な感情が湧くことは自然なことですが、それを押さえつけるのではなくどう上手く付き合うかは学ぶことが可能です。子どもの頃からそういったスキルを鍛えられると幸福度が高まりそうですよね。今回はソーシャルエモーショナルラーニングのプログラムの中でも「感情のコントロール(Emotional Regulation) に効果のあったプログラム」についてご紹介します。
【キーテーマ】
感情・ソーシャルエモーショナルラーニング
【結論】
アメリカで実施された感情コントロールのプログラムのうち以下については、強いエビデンスが認められている。
Tools of the Mind
幼児教育
プロフェッショナル育成と包括的な幼児教育プログラム
「ままごと遊び」や「協調性」「仲間への配慮」といった教室の文化を活用し、子どもたちが読み書きや算数、科学の基礎力を身につけると同時に、親社会的行動や学習への積極的なアプローチを促進するプログラムで、すべての指導と学習活動の設計に実行機能と自己規制の発達を組み込んでいる
教師がポジティブな教室文化を作り、意図的な遊びの学習を促進し、低所得者や少数民族、二言語学習者の生徒の学力格差をなくし、潜在能力を最大限に発揮する自己調整学習者を育成するために必要な理解とツールを身につけることを目的としている
問題行動の改善や良好な人間関係構築にも効果が認められる
Second Step - Social-Emotional Learning
幼児教育〜小学生、中学生
幼児〜小学生向けプログラムでは22〜28週間の全4ユニットのカリキュラム
共感性、感情の扱い方、問題解決のスキルを学ぶ
中学生向けプログラムは1回あたり20分程度の週1回のセッションを26週行う
強い感情の取り扱い、クラスメイトの理解と良好な関係構築、クラスメイトとの深刻な紛争を避けたり解決したりするための知識やスキルやマインドセットを学ぶ
問題行動や良好な人間関係の構築、成績の向上やグロースマインドセットの育成にも効果が認められる
Incredible Years (IY): Classroom Curriculum + Parent Training Program
幼児教育〜小学2年生
恐竜のキャラクターを使った社会プログラム
60レッスン、2年間のプログラム
このプログラムでは、クラス運営戦略、社会的行動、反社会的行動を減らすことに重点を置いている
問題行動を起こしている生徒の保護者とは、同時に毎週2時間の子どもの問題行動を減らすセッションを提供する
問題行動の改善や良好な人間関係構築にも効果が認められている
【実験デザイン】
ジョンズホプキンズ大学の研究所が感情のコントロールを目的とし、効果測定が実施された複数のプログラムを分析し、強いエビデンスがあると認められたものを選定した。
エビデンスレベル:ランダム化比較試験
【編集後記】
学力試験では決して測れない生徒の感情のウェルビーング向上や良好なクラス運営に関してエビデンスのあるプログラムがすでにあるというのは心強いですね。測られていないだけで日本の学校でも多くの取り組みが実施されているのだと思います。成績だけでなく生徒の心の健康に効く実践が広まるといいなと思います。
文責:識名 由佳
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過去記事のまとめはこちら
Emotional Regulations / Evidence For ESSA. Retrieved July 26, 2022, from
https://www.evidenceforessa.org/programs/social-emotional?field_measured_outcomes=%5B66%5D
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