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国際比較 学校への所属意識

学校は勉強だけをする場所ではありません。友達を作ったり自分の興味を探求したり生徒が学校で得るものは多様ですが「学校への所属意識」が成績や生徒の幸福度に与える影響が注目されています。日本の生徒は諸外国に比べて「学校への所属意識」が強いのでしょうか?

結論

・日本の学生の「学校への所属意識」はOECD諸国平均程度である
・OECD 諸国全体の傾向として、「学校への所属意識」が高い生徒は、親の社会経済的地位をコントロールした後でも国語の成績が高い
・OECD 諸国全体の傾向として、親の社会経済的地位、性別、移民の背景、国語の成績を考慮した後でも、大学の学位を取得を希望する可能性が高い

学校への所属意識

*OECDデータを元にグラフ筆者作成

学校への所属意識と大学卒業希望

学校への所属意識の指数が1単位増加するごとに、大学卒業を希望する可能性が増加する

分析手法

15才の生徒に対するアンケートの国際比較(2018年のデータ)
下記の1〜3の質問に対して「まったくその通りだ」もしくは「その通りだ」と答えた生徒の割合と4〜6の質問に対して「まったくそう思わない」もしくは「そう思わない」と答えた生徒の割合の平均値

(1)私は学校で友達をつくることができる
(2)学校では自分の居場所がある
(3)他の生徒から好かれているような気がする

(4)学校で仲間はずれにされているように感じる
(5)学校での居心地が悪く、場違いな感じがする
(6)学校で孤独を感じる

編集後記

生徒の学校への所属意識が高いほど成績や大学進学希望が高まる傾向があるというのは実感に合う結果だと感じましたが、例え成績や大学進学率に影響がなくても生徒が学校に安心して通えること自体が大切ですよね。

文責 識名由佳

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参考文献
https://www.oecd-ilibrary.org/sites/d69dc209-en/index.html?itemId=/content/component/d69dc209-en


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