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あなたにもできる中間報告会

構想発表をしてから、一年で、今度は中間報告会をしなければならなくなります。この間、あっという間に時間は過ぎてしまいます。また、途中で、構想から練り直して別の研究テーマになっていることもままあります。が、それは問題ではありません。あなたにも中間報告会、できます。

まず、目的を考えましょう。修士論文の完成に向けて、自分の研究の進捗状況を報告し、先生方や先輩・同輩(・後輩)からアドバイスをもらうことが目的です。

結果を報告するわけではないので、結果や結論が出ていなくてもよいです。その点は心配しなくてもよいです。思ってもみなかった分析の視点や、気づかなかった特徴や、もっと賢い分析方法や、知らなかった関連文献などを教えてもらって、自分自身の研究を、よりよくするチャンスです。自分の限界を突破できるチャンスです。Bくらいしかねらえそうにない研究をAまでアップできるチャンスです。

ただし、このチャンスを生かせるかどうかはあなた次第です。「Garbage in, garbage out.」です。発表を聞いてくれた人から、どうやったらよいアドバイスをもらえるでしょうか。良いアドバイスがもらえるような発表をしなければよいアドバイスはもらえません。(そりゃそうでしょ?)アドバイスしようと思っても、しようがなければ、できないですよ。(でしょ。)

先生がたや同じ分野の仲間たちは、それなりの専門家なわけです。その人たちが興味を持って聞いてくれることがまず第一に必要ですね。(どっかでも言ったな、これ。)あなたが興味があることではなく、研究分野の研究テーマとして興味深い内容でないと。そして、それについて調べようと思っていること(Research Question)がわかったら、どうしてすごいか、そのすごさ(「研究の意義」とも言います)をわかってもらえるように説明する必要があります。

具体的な先行研究の成果を踏まえて、その先、まだわかってないことを調べようとしていて、そのために、自分は、何をどうやってきたか、どんなデータを、どうやって集めてきたか、どうやって分析しようとしているか、できれば、実際、試しに部分的にでもやってみてどんな結果が出たか、このあとどうしようと思っているか、を説明するのが中間報告会です。

自分が関連すると思って集めた文献のリスト、集めたデータの説明、そしてデータ分析の仕方など、全力を挙げて、具体的に、わかりやすく整理して、説明してください。

それが具体的であればあるほど、具体的なアドバイスができます。困っていることを具体的に説明してくれたら、「If I were you, I would ….」と、思いついた解決方法を説明できますでしょ。「分析方法をどうするかいろいろ考えています。」と言うだけでは、「あ、そうですか。」としか言えないですわね。

専門家の頭の中は、専門知識が詰まっていて、未知の問題にどう取り組むかという問題解決を考えることが仕事なので、取り組むべき問題を聞いたら、どう解決するかということを、いわば自動的に考えてしまうわけですよ、仕事柄。なので、そういう人に求めるべきことは「答え」ではなく、目的と問題を提示することで、アイデア(解決法)が出てくることを期待しましょう。

まとめると
1)研究テーマとその意義の説明
2)先行研究から自分のRQへの流れ
3)RQに応えるべく、自分が何をどの様にしようと思っているか
4)で、現時点で、何が(データ、分析方法、試行の結果)どうなっているか、をできるだけ具体的に、整理して、わかりやすく説明する
5)困っている点、思ったようにいかない点など、具体的に報告するということですね。

ああ、もう一つ、中間報告会で報告して自分の時間が終わったら、オワリではなく、それが出発点ですからね。質問やコメントをしくれた先生や時間の都合でしてくれなかった先生(って結局全員じゃん)に、アポを取ってできるだけ早いうちに意見をもらったほうが良いと思いますよ。せっかく浮かんだアイデアも、時とともに忘れてしまいますから、、、

Luck is what happens when preparation meets opportunity. -Seneca

以上、杉浦正利

参考


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