婚活高望みクソババア
「下村花子さまですね、ではまずプロフィールの製作から始めたいと思います」
そう言ってアドバイザーは何やらパソコンに向かい作業を始めた。
私は今年で四十五歳、そろそろ結婚したいと思いこの結婚相談所にやって来たのだがこんなところで私にふさわしい相手が見つかるのだろうか?
私はガチャガチャを引く前のようなワクワクした気持ちで椅子に座っていた。
「えーでは下村様、のプロフィールを確認していきますね、えー現在四十五歳で婚姻歴無し、職業は会社員、年収は三百万……お間違いはないですか?」
「はい」
「えーそれでは自己PRと趣味の方をお願いします」
「えっと、そうですね。高校生の頃にミスコンで優勝しまして、さらに大学時代から二十代後半までモデルとして活動していたので容姿にはとても自信があります、趣味はショッピングにエステ。自分に正直に生きることをモットーとしております」
「……はぁ、承知いたしました。では次になにか男性に求めるものなんかはありますか?」
「そうですねぇ……、多くは求めてないんですけどとりあえず私と釣り合う男性ならって感じですかね、とりあえず〝商品〟を見てから絞っていこうかなって」
「……かしこまりました、では検索いたします」
私は久しぶりにドキドキしていた、一体どんな男と知り合えるのだろうと。
これは本当にガチャと言ってもいい気がする、ガチャを引いたあと好きなキャラを
選べるというあれだ。
「お待たせいたしました、下村様にご紹介できる男性はこちらになります」
「お!どれどれ……」
私は自分の目を疑った、なぜならモニターに表示された男共はどれも私とは到底釣り合わないであろう底辺男しかいなかったからだ。
「ちょっと!あんた私の事を馬鹿にしてるの⁉こんな二人、いや……三人合わせてようやく私と釣り合うようなワゴン品みたいな連中をよくこの私に紹介できたわね⁉」
「……下村様、落ち着いてください」
「落ち着けるわけないでしょうが⁉こんなワゴンの住民共を紹介されたのよ⁉ワゴンよワゴン!」
「下村様、落ち着いて話を聞いてください」
「何よ!何が言いたいの⁉」
「下村様、あなたはもう……この人達と同じワゴンの住民なんです」
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