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たまたま日本に生まれたという「既得権益」の納得感

この前、ある動画で成田悠輔さんがぼそっと言っていた一言が、妙に腑に落ちたのでメモがてら書いておこうと思う。

たまたま日本に生まれ育ったというだけである意味の既得権益を世界全体から見ると持っていると思うんですよね

成田悠輔 x 日本の教育 【KIDSNA】Youtubeより

私は日本人として生まれて、30年近くこの国で生きてきたものの、半年とはいえ留学をして海外生活を体験し、英語に対してもそこまで抵抗がなく、同僚にも外国人が多く、周りの友達も海外志向な子が多いという、たぶん日本の中でほんの数パーセントに入る特殊なセグメントにいるのだと思う。

恥ずかしながら、昔は、海外に興味がない人や英語を勉強する意欲のない人を少し軽蔑さえもしていた節があった。ただ、少し成長して、社会人として働く中で、それは間違っていると気付いた。

海外に出ると言っても色々だが、例えば、自分に縁もゆかりもない国で、移民として仕事を探すとなると、当然その国の自国民が優先された後に残ったわずかな枠の中で、後進国・先進国問わず、世界中から集まった人たちの中で選ばれる必要がある。

彼らが移民として働きたい動機は様々だが、(合計すると怒られそうだが、笑)合計すると世界人口の3人に1人以上を占めるインド人・中国人の状況を考えてみたい。莫大なマーケットポテンシャルを考えたら、彼らのことが羨ましいかも知れないが、実際に住んで働くとした際に、過激な競争、環境、政治的要因などを考慮した時に、ある程度まとまった層が、国外に出たいというのは正直うなずける。

一方、日本はどうだろうか。日本の世界的プレゼンス低下や人口減少と暗いニュースが続くが、何だかんだ1億超の人口がいて、仕事をしようと思った時に条件を選ばなければだいたいの人が就職できて、国が真っ二つに別れて紛争が始まるようなこともなく、日本語というニッチ言語と独特の空気読み文化という城壁に守られた聖域で、他の国と比べ、相対的には割とぬくぬくできる人が多い国だと思う。

そういう意味で、私たちは(というか私たちの多くは)、たまたま日本に生まれただけである種の既得権益を持っている。既得権益と言うとネガティブだが、それはその人個人の一個性であって、タレントであって、それを最大限行使する個人の生き方はありだと思う。

じゃあ、なぜ特に秀でたスキルがあるわけでもない私が、それでも海外に出たいか?
正直これは、ただの好き嫌いだと思う。損得ではどうやっても納得できないオタクの趣味やの世界ってあると思うけど、そんなもんだと思う。

ただ、そういう人がいてもいいと思う。それが多様性につながって、たまたま日本の社会との架け橋になって役に立つ日が来るかも知れないし、こないかも知れない。それでも一人一人が、自分の力を一番伸ばせて幸せと思えるところにいればいいともう。それが国内でも海外でも。



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