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ダイバーシティが防ぐ危うい意思決定

「短期的な緊急措置のための意思決定」が、その後に長い期間にわたって影響し続けるケースがあることを指摘された篠田さんのnote。

読んでハッとしました。

特殊なケースだからと、見逃されがちな瞬間的な意志決定。実はこれから先の未来をつくる不可逆的な変化になるかもしれない。そのリスクを端的に指摘されていたからです。

ビジネスにおける2種類の意思決定

「意思決定」と言われて思い出すのは、意思決定には2種類あるという話で一時期話題になっていたのAmazon創業者のジェフ・ベゾスの話。

「タイプ1の意思決定」はあとから元に戻すことは難しい類の決定です。

ベゾスはそれを一方通行のドア(one-way doors)と呼んでいます。例えば、会社を辞めて転職すること。タイプ1の意思決定をしたら、もう後戻りはできません。

「タイプ2の意思決定」は簡単に戻ることができます。

ベゾスはこの決定を双方向のドア(two-way doors)と呼んでいます。例えば、サービス運営において新しい料金体系を導入するようなこと。重要な決定ですが、少しの時間と労力をかけることで取り返すことができます。

全ての場面で、より厳しい「タイプ1」の意思決定をすれば安全かもしれませんが、スピードは落ち、イノベーションも生まれません。

大事なのはまず目の前の意思決定が「タイプ1」か「タイプ2」なのかを間違えないことだとジェフ・べゾスは語っています。


ハッとしたのは、そこに例外パターンがあったから

なんで冒頭の記事を読んでハッとしたのかというと、「タイプ2の意思決定」の中に、実は「タイプ1の意思決定」が潜んでいるんだということに気付かされたからです。

ジェフ・べゾスが語った「その決定がタイプ1かタイプ2かを見誤るな」というポイント。ただ、それを見誤らなかったとしても、結果的に変わるという話もあるんだな、と。

では、やっぱりすべて「タイプ1」と捉えて意思決定した方がよいのでしょうか。そんなことはないでしょう。すべてに同等のリソースを投下して意思決定していられませんし、スピードも落ちていきます。

では何をしたら?というと、その「意思決定の瞬間」の質を高めていくことが、まず考えられるのではないかなと思います。

「意思決定の瞬間」の質を上げる=ダイバーシティ

意思決定をする瞬間の質をどう高めていくのか。

ビジネス上のほとんどの意思決定は、協働的になされます。そのため、「そこに関わる人がもっているバイアスは、集団浅慮と合意形成を経て増幅されるのだ」と、下記の記事では述べられています。

バイアスによる集団浅慮が意思決定の質を落とすのだとすれば、そのことが決定される場に、多様な角度から視点を提供し、「捉われた考え方」を外せるかが大切だということでもあります。

だからこそ意思決定の場のダイバーシティが重要になります。

ではなぜ、意思決定の場のダイバーシティを高めようという意思決定がなかなか効力をもって下されないのは、それこそ集団浅慮ゆえの意思決定がされ続けてしまっているからかもなーと思います。

意外と「案ずるより産むがやすし」なのかもしれません。

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