見出し画像

注文住宅のステップbyステップ【土地/工務店/ローン/節約テク】

注文住宅は、非常に難しい。必要な知識と行動が多すぎるためだ。

「家は家族の幸せを左右する」と考え、「土地、工務店、間取りはこれで本当にいいのか?」と毎度悩みすぎて、不眠気味に私はなった。

しかもちょっと油断すると、コストが平気で数百万変動する。

本記事の想定読者は、「注文住宅が気になる。流れや、損を防ぐポイントを知りたい」「どういう人なら注文住宅がいいの?」といった方である。

そういった方向けに、注文住宅を建てるまでの流れをステップ・バイ・ステップで紹介し、失敗を防ぐための情報を整理・提供する。


注文住宅における三大要素を知る

まず、「注文住宅は、つまるところ以下をどうするかだ」と認識しよう。

  • 土地

  • 建物

  • お金(予算ぎめ、資金確保)

どれかを決めたら次を決める、という感じではあまり進まない。
それぞれの意思決定が相互に影響するため、同時並行で情報を得ていくことになる。その結果、プロセスが複雑になり、混乱しやすい。

その中でも比較的シンプルでわかりやすい手順を以下に記載する。

いくらの住宅ローンを組めるか確認する

基本、「住宅の購入=債務者になること」だ。以下をまず明らかにしよう。

  • 自分がどれくらいの生活レベルを求めていて、

  • 月々の住居費をどれくらい拠出できて

  • 住宅ローンでいくら借りられるか

借入額は、世帯年収の5倍程度に収めておいた方がいいと思われる。世帯年収が1000万なら、5000万。実際は7倍程度は借りられるが、無理は禁物。

上記動画で、最適な予算を確認いただきたい。

勤続期間、転職予定、出産予定の確認

住宅ローンの審査を通るには、大概、融資を受けるタイミングで、「同一企業にて現在にわたるまで、2年以上働いている」ことが前提だ。転職するなら融資されたあとである。

また、出産のタイミングは注意。大変残念な社会であるが、多くの銀行が、融資予定日で夫婦の両方が育休期間中だと、融資してくれない。

おそらく、融資実行前の数ヶ月は育休ではなく業務をしていることが必要である。育休に入るなら、融資実行後がおすすめである(稀に育休中でも融資する銀行もあるが、金利は少し悪い)。

土地の相場感を得る

30坪程度のまともな建物がほしいなら、2500~3000万は建物と諸費用で想定した方がいい(2000万を下ると品質が悪くなりがちなので推奨しない)。総予算からそれを引いた金額が、土地の予算だ。
5000万が予算なら、2000万で土地を得る必要がある。

その土地の予算で、暮らせるエリアを、athome等を検索してイメージをつかんでおこう。多くの場合、大都市や駅からは遠くなることがわかる。

https://www.athome.co.jp/tochi/souba/kanagawa/city/

ここで、「うわ、田舎すぎ。無理だ。」となったら、今は注文住宅を諦めて収入をあげるか、田舎や地方を許容するかの二択である。

注文住宅のリスク/リターンを確認する

注文住宅は、リターンも大きいが、ネガティブリスクも大きい。想定されるリスクを許容できなければ、推奨できない。

注文住宅のリスク

注文住宅を建てる代表的なネガティブリスクは、以下である

  • 定住のデメリット

    • 転勤、収入ダウン、近所トラブル、学校トラブルで引っ越しは難しい

  • 都市や駅から遠くなりがち

  • マンションより価値の低下が早い

  • 計画的にやらないと、タイミング良く入居できない(注文住宅の場合、土地探し含め、1.5年かかる)

などである。その他にもあるかもしれない。

これらリスクを許容できない人であれば、定住や注文住宅は推奨できない。

ただ逆に言えば、これらリスクを受け入れられるなら、注文住宅はとてもいい。リターンが大きいのである。

注文住宅のリターン

  • 夏涼しく、冬暖かい状態を、少ない電気代で実現できる

    • 日本の大半の家は、逆である。

  • 生活にあった間取りに

    • リモートワーク用の書斎や、時短につながる動線にこだわれる

      • 結果、家族の時間を増やせたり、ケンカを減らせたりする

  • 騒音を減らせる

    • 集合住宅は、隣の音や自分の音に気を使うが、建物の断熱性/気密性を上げれば、外部の音はかなり遮断できる。幹線道路沿いでも静か。

  • 駐車場が無料且つ、近い

    • マンションは駐車場が有料。しかも、下に降りるのに5分かかる。

    • 戸建てであれば、駐車場がすぐ。目的次第では時短。

  • 賃貸に比べて総居住費が安くなる場合がある

    • ローン完済後も、建てた家にずっと暮らすのであれば、人生の総住居費が、安くなる(土地/建物でいくらでも変わる。我が家の場合、老後に狭い部屋に引っ越すことを加味しても、賃貸だと60年で3000万程度多くかかる計算)

      • なお、もし日本がインフレするのであれば、この傾向は顕著に

    • ちなみに、老後2000万問題の2000万は「持ち家前提」。賃貸の場合、夫婦で5000万程度必要という試算もある。

  • 庭がある

    • 程よい庭は良い。緑は良いものだ。

  • 犬が飼える

    • 犬を飼える。子供が巣立っても寂しくない()。

これらリターンのために、リスクを許容できるなら、注文住宅を勧める。

建売は?

残念ながらまともな建売住宅は日本に少ない。夏暑くて、冬寒い。間取りも家事動線を考慮していない建売が多い。考慮しなくても、安さと立地の良さで売れてしまうためだ。詳細は以下にて。

我が家の場合

定住にはリスクが伴うが、我が家の場合は、「夫婦でリモートで働けるよう、頑張り続ける」という身も蓋もないソリューションでこのリスクを抑えようとしている。

だがリモートでも働き続けるには、「自分は監視がなくても、ITを活用して、自律的に価値を出せますよ」ということを証明し続ける必要があるので、やや賭けではある。

また、注文住宅のリターンは、先述のリスクに見合うと考えた。
暖かい家と温かい家庭を築く手段として、注文住宅はあり、と考えた

他の選択肢もみて、納得できるか考える

さて、リターンがリスクを上回ったとしても、それがベストとは限らない。
住まいの方法は、大きく分けて以下がある。

  1. 購入 - マンション(新築)

  2. 購入 - マンション(中古)

  3. 購入 - マンション(中古+リノベ)

  4. 購入 - 戸建て(建売の新築)

  5. 購入 - 戸建て(中古)

  6. 購入 - 戸建て(中古+リノベ)

  7. 購入 - 戸建て(注文住宅を新築する)

  8. 購入 -戸建て(規格住宅を新築する)

  9. 賃貸 - マンション

  10. 賃貸 - 戸建て

この時点で、10個もパターンがあり、それぞれ一長一短で迷う。

選択肢を一切検討しないまま決めるのは、推奨しない。
どの選択肢を選んでも、「なんでこれ選んだんだろう」といつかはなるからだ。
だが、他の選択肢もみて、リスクを受け入れたうえでの選択であれば、気持ちの面で大きく違ってくる。なので選択肢は見渡しておこう。

ざっくりした選び方を提案すると、以下である。

  • 定住のリスクに対処できる

    • 購入。できないなら賃貸。

  • 都会がいい/駅近マスト/資産価値重視

    • マンション

  • リスクを理解しつつ、リターンを享受したい

    • 注文住宅、規格住宅

      • こだわりが多いなら、注文住宅

これら選択肢を見渡した上で、注文住宅が一番自分に合うと考えられるなら、注文住宅がおすすめである。

マンションの方が資産価値的に有利?

マンションも資産価値と駅チカを考えると大変魅力的ではある。だが、以下の点が気がかりであった。

  • 4LDK or 書斎のある間取りは少ない(夫婦リモートのため必要)

  • 家事動線や時短を考えた間取りがない

    • 大半が田の字間取りで、洗濯動線が悪い。

  • リモートワーカーなので、駅チカにそこまでメリットは感じない

  • 広さや設備の割に高く感じる

  • 大都市のマンションを買って、仮に子供が自立する頃(20年後?)に資産価値が向上しているかわからない。

    • 仮に上がったとして、同レベルのマンションも価格は上がってるので、グレードを下げたマンションに引っ越さないと、資産価値向上のメリットを享受できない。

といったことをふまえ、選択肢からは消えた。
マンションの資産価値の話をする際は、
- 資産価値の推移を読みきれない
- いつ売却し、どこに引っ越すのか
を意識したほうがいいと思われる。

建設エリアを決める

多くの工務店が「建設地が事務所から車で一時間以内」であることを条件にしている。よって建設エリアに次第で、選べる工務店が変わるため、建設エリアを決めよう。
子育て家庭の場合や、実家との距離、通勤時間、人口が増加傾向かどうかなどを見ると良いと思われる。

良さそうな土地の候補を出す

確定である必要はないので、希望エリアから、候補となる土地を探そう。

ここで探す目的は、後ほど土地を一緒に探す/決めるビルダーに本気度を示すためである。
土地探しは大変なので、ビルダーもあまりやりたがらないのだが、施主が本気になれば、いくらか協力してくれる。少なくとも、こちらが提案した土地の良し悪しをビルダー視点で伝えてくれる。
この協力を引き出すためにも、あなたが良いと思える土地を探しておこう。

athomeか、nifty不動産で土地を探そう。
athomeは、土地の場所を示してくれることがメリットである。
nifty不動産は、各不動産サイトをまとめて検索してくれる。

100点満点の土地は絶対にないので、自分にとって何が大事かを決めて選ぼう。

ただ、以下の条件を満たすことは推奨したい。ここの注意点を意識するかで、場合によっては数百万以上コストが変わってくる

  • 地震と水害に強いこと(ハザードマップで確認)

    • 地盤が弱いと、地盤補強で+100万〜

    • 土地次第で火災保険(水害)の価格も変動 (30年で+30万〜

  • 都市機能誘導区域内 or 居住誘導区域

    • 人工が増加傾向だと最高

    • 長持ちする家を作っても、地域が長持ちしないと引っ越しを余儀なくされ、コストに

  • 日当たりを確保できる

    • 方角はあまり気にしないでいいが、あまりにも建物/木々に囲まれすぎた土地だと、良い設計士でも日当たりの苦慮することになるので、そこは設計士に相談。

      • 日当たりがないと、ソーラーパネルや暖房費に影響 +30万〜

  • トラブルが発生するようなインフラが地下に入ってない

    • ガス管、水道管が他の敷地を経由してしまっているなど

      • 他の地主などに支払い発生する可能性あり +10万〜

  • 上下水道(配管が敷地内に引き込みあり)

    • サイトに、「上下水道」と書いてあったところで、これは前面道路にあることを指しているだけで、本当に入っているか、入ってたとして使える状態かは不明なので、不動産屋に確認スべし

      • 水道の引き込みは、+100万~

  • 給排水が特別な手法(ポンプアップ等)なしでできる

  • 外構費用が妥当な金額に収まる

    • 外構費用がどれくらいかかるか、工務店/設計事務所に聞いておこう

      • 広かったり、角地で道路に多く面していたりすると外構費用は高い

      • 道路と土地の高低差などによって、擁壁は+200万〜

  • 境界が明瞭(トラブル防止)

  • 子育て世帯なら以下

    • 保育園や学校の選択肢があり、近い

    • 病院が近い

    • 車があれば、必要な生活品を揃えられる

その他、土地探しはいろんな考え方がある。各自検索を。

躯体性能/デザイン/住宅設備を学ぶ

なぜ勉強が必要かというと、ここで勉強しないと「そもそも自分は何がほしいのか」「そのためにはどんな引き出しがあるか」が言語化出来ないためである。そしてそれ故ビルダーが選べず、選べたとして、ビルダーに要件を伝えられないためである。そしてそれは後悔に繋がる。

したがって、躯体性能、空調、デザイン、間取り、設備については多少の勉強をおすすめする。

躯体性能について

上記の内容は、以下のページの対談をすべて読めば概要は書いてあるので、読んでみていただきたい。

デザインについて

デザインをよくするには、費用がかかる。ただ、費用をそれほどかけずにできるデザインがある。それが、「引き算のデザイン」である。これをまずしないと、高い家具を使ってもおしゃれにならないので気をつけよう。

  • 引き算のデザイン

    • 「線」を減らす

      • 建具(窓、ドアなど)の高さを揃える

      • 窓の枠をなくす(三方/四方クロス巻き込みにする)

      • 照明計画を考え、天井をきれいにする

      • 巾木、見切り材を薄くする

      • エアコンを目立たない場所に

      • カーテンなしに、視線を遮れる設計

    • 使う色を2, 3色に抑える

線を減らすとどういう効果があるかは↑を見ていただきたい。


注意:インスタ/ルームツアーに踊らされない

インスタやルームツアーを見て好みのテイストを探しておくのは勧める。ただなんとなく見ていると、踊らされる。自分が本当に欲しいデザインや予算感がわからなくなる。インスタのおしゃれアカウントは多くが紹介料ビジネスをしているので、3割引きで見よう。

褒められるための家ではない。家族が暖かく暮らすための家だ。


住宅設備について

住心地や光熱費を大きく左右する設備について学んでおこう。あとから欲しいとなると、予算を大幅にオーバーしてしまうためだ。

  • 太陽光パネル(容量次第だが、120万~

  • 蓄電池(必須ではないが、150万〜

  • キッチン(ちょっとこだわると100万~

  • ユニットバス(こだわると50万~

  • 洗面台(こだわると30万~

間取り/プランを学ぶ

家は3000万の買い物なのだから家づくりや間取りの有名な書籍は、読んでおこう。
これらを読むことで、いい設計士/プランの目利きが良くなるし、自分たちがしたい暮らしもイメージしやすくなる。

また、『間取りの學校』という素晴らしいコンテンツがある。見ているだけで面白いし参考になるのでぜひ見よう。


推奨:「居場所」について学び、考える

これは筆者が家を建てた後に少し後悔したことだが、もう少し「心地の良い居場所」について考えればよかったと思っている。

あなたは今の家で「なんかリビングに居たいと思えない」となって個室に閉じこもった経験はないだろうか?

たとえば、

  • 家族で喧嘩をしたとき

  • 一人で落ち着いて読書したいとき

  • 仕事/学校で嫌なことがあってその表情が見られるのが嫌なとき

そういうときに個室に閉じこもると、せっかく家を作ったのに、家族の時間が減ってしまう

そこで、「家族の気配は感じるけど、視線は遮られる居場所」を作ろう。

この考え方のエッセンスをもらうには、有名建築家の 伊礼智の書籍や動画を見るといい。

伊礼智は、家のサイズは小さくしつつも、その空間を豊かにし居心地のいい場所とすべし、という考え方である。共感できる方はぜひ取り入れていただきたい。(モデルハウスなどで体感することをおすすめしたい)

ただ、居場所を作るのはよく座れる段差を作る(小上がり、ベンチ、下げた床、椅子など)ので、掃除コストが増える。掃除ロボットも使いにくい。そこのトレードオフは考える必要がある。

要望書を作る

「どんな生活をしたいか」を言語化した要望書を用意しよう。これは後ほどビルダーに伝えるために、Google Doc等で共有できる形にしよう。

要望書には、以下の項目を記載していこう

  • 注文住宅を考えている背景

  • 予算

  • 現在の家族状況

  • 求める基本スペック

    • Ua値、C値、耐震等級、耐火性

  • 求める生活

  • 検討中の土地

  • 入れたい住宅設備

    • 太陽光、高級キッチン、造作洗面台、など

求める生活を言語化する際は、LDK20帖とかそういう粒度ではなく、以下のような粒度で言語化しよう。

  • 冬でも半袖で過ごせる

  • 子育てがしやすい

  • 家族が程よい距離感でつながれる

  • 庭を楽しみたい

  • 夫婦が、互いのオンライン会議に干渉せずにリモートワークできる

  • 家事が時短できる。家事を家族でできる。

なぜLDK20帖みたいな言い方がイマイチかというと、そういう伝え方は、設計士のポテンシャルを引き出せないからである。細かく指定しすぎると、設計士が自由な発想ができなくなり、単調な間取りになりやすい。

あまり考えたくない人向けの要望書

とりあえず、あまり考えたくない人は、以下を要望書に記載して、さっと理解してくれる(&追加で丁寧にヒアリングしてくれる)工務店に出すのがおすすめだ。

  • HEAT20 2.5クラスの断熱性能がほしい

    • 付加断熱、ペア/トリプル樹脂サッシ、高性能ドア必須

  • C値が0.7を下回ってほしい

  • 日射遮蔽/日射取得を意識した軒や窓の設計をしてほしい

  • 耐震等級3を許容応力度計算で取得してほしい

  • 防蟻は、ホウ酸 or/and ターミダンシートでしてほしい

  • 省令準耐火構造を取得してほしい

  • 家事動線をよくしてほしい

  • 引き算のデザインを意識しほしい

細かいところの満足感をあげるためにはもっと勉強が必要だが、これで大外しはしないはずだ。

工務店/設計事務所を決める

工務店/設計事務所(以下、ビルダー)を選ぼう。
個人的には以下の条件で探していたが、とてつもなく厳しい条件である。

今の自分なら工務店に求める条件

  • Must

    • 家を長持ちさせられる

      • 結露計算をしたうえで、壁/屋根の構成を決めているか

      • 耐震等級3(構造計算)

      • 効果が持続する防蟻(ホウ酸系防蟻剤 and/or 防蟻防湿シート)

      • 省令準耐火構造の仕様に準拠可能

      • 施工精度を高める工夫がある

        • 自社大工、現場公開、第三者検査、チェックリストなど

      • 建築後の定期点検が一定以上の頻度である

    • 夏涼しく、冬暖かい家を作れる

      • 日射遮蔽、日射取得のシミュレーションをできる

      • HEAT20 G2.5 以上(付加断熱の施工実績が豊富)

      • 澄家などの全熱交換換気システムを採用した経験が豊富

      • 壁掛けエアコン1,2台で、快適な温熱環境を実現した実績が豊富

      • 建てたここ5件の平均のC値が0.7を切っている

      • 無垢床材の採用実績が豊富

    • 設計力

      • 一級/二級建築士がプランニングをする

      • 設計士のヒアリング技術が高い

      • 敷地をうまく使ってくれる

      • 家事動線を意識した過去の間取り等を見せてくれる

      • まともな外観で作ってくれる

      • 3Dパースを契約前のプレゼンテーションで見せてくれる

      • 仕様書、図面、設計図をもらえる

    • コミュニケーション

      • オンラインでもやり取りが円滑にできる

      • こちらの疑問点に明瞭に回答してもらえる

      • 着工後、進捗の報告を定期的にしてくれる

      • コンセント, 照明, 位置/寸法を、施工前に立会確認可能

  • Want

    • 財務状態が安定している

    • 補助金を取得するためのノウハウを熟知している

    • 外観や内装のデザインのテイストが好み

条件について

これはとてつもなく厳しい条件であり、これを満たす工務店に出会えたら、奇跡だと思って良い。まず後悔しないであろう。
だが現実は、最初の結露計算で大概が脱落する。「結露計算ってなんですか?」と言われて終わる。

だが、長持ちを大切にするならば、結露計算はめちゃくちゃ大事である。
結露というと、窓の結露が想像されるが、壁内結露というのもある。

そして壁内結露が発生すると、建物の断熱性は下がり、柱は腐って耐震性は落ち、シロアリに食われやすくなるわで、何もいいことがない。

なので結露させないことがとにかく大事になる。

より詳しくは、こちらを参照されたい。

プロが作成した工務店リスト

上記のような条件を概ね満たせるであろう工務店のリストを、住宅業界の識者数名が公開している。網羅しきれてはないが、参考にはなる

  • 家づくり百科

    • ハイレベルな工務店が多いが、その分価格が高く、且つ、順番待ちなる可能性が一定ある

  • 工務店同士の勉強会の参加者リスト

    • 業界では有名な工務店が複数参加している勉強会のため、参考なる

  • 松尾和也(住宅の断熱界隈で有名)氏の講座受講者リスト

    • 断熱に関して一定の意識を持っている可能性が高い

  • 構造や耐震について発信している構造塾が作成したリスト

    • 住宅性能に関して一定の意識を持っている可能性が高い

(ただ、どのリストも、これだけで自分にあった工務店が見つけられるかというと難しいので、よりよい探し方・比較検討の仕方を考え中。)

資金計画書を出してもらう

良さげなビルダーを見つけたら、要望書を出そう。
「この土地でこんな暮らしをしたいです!できますか?できるなら、ラフに資金計画書を作っていただけますか?」
と聞こう。

その反応を見たり、条件を満たしているかの確認のやりとりをしながら、ビルダーを決めよう。

工務店か、大手ハウスメーカーか

それぞれメリデメあるが、良い工務店/設計事務所にするのがおすすめだ。

同じ性能/デザインで比べたとき、大手ハウスメーカーは高いことにくわえて、我が家が求める性能(特に気密)をそもそも出せないためである。(一条工務店などは例外)

もし地元にいい工務店が見つけられない、という方におすすめの全国展開している、高性能住宅を提供しているビルダーは以下である

  • ヤマト住建

  • 一条工務店

  • スウェーデンハウス

  • ウェルネストホーム(一部地域対象外)

どうしても大手ハウスメーカーなら、

  • 気密測定を別途依頼し、最低でもC値が1.0、できれば0.7を下回ることを約束できるか確認しよう

    • できないのであれば、高断熱に意味がなくなるのでおすすめできない



住宅ローンを複数選び、仮審査を通す

現時点では、以下が個人的におすすめである。

  • 住信SBIネット銀行の住宅ローン(2023-06-21 で変動金利0.325)

    • 契約時に40歳未満なら、三大疾病にかかったら、ローン残額50%免除になる団信がデフォルトで付随

  • auじぶん銀行

    • auユーザーなら、圧倒的な低金利となるが、auの利用に縛られるので、格安SIMとの差額は意識しよう

  • みずほネット(2023-02-13 で変動金利0.375)

    • オンラインで全て完結し、つなぎ融資が不要(分割融資可能)

なお、

  • 金利は変動

  • 頭金は最小限

  • 金利があがるまでは、繰り上げ返済なし(その分は資産運用しよう)

  • ペアローン or 連帯債務

    • 住宅ローン控除を最大限得るため

    • ペアローンつき離婚は泥沼なので、夫婦関係、要注意

でよいと考える。

選んだら、仮審査を申し込もう。これが通ってないと、土地の購入ができない。審査が通るか不安なら、複数の銀行で審査を頼んでおこう。


契約日と着工日について、補助金が切れるタイミングを見計らう

ここ数年は、100万程度の補助金が一定条件を満たせば得られる。だが、毎年空白期間があり、タイミングが悪いと受け取れないとっても不平等な制度である。事実、我が家はドンピシャで空白期間に入ってしまい、100万を受け取りそこねた

私のような失敗をしないためには、契約日が新補助金発表の直後であれば直後であるほどよい。逆に、補助金の発表から10ヶ月とか経ったタイミングで契約すると、契約日と着工日の都合上、補助金が得られない可能性高くなる。その場合は、新補助金の発表を待ったほうがいいケースもある。ビルダーと要相談である。

(追記:あまりのクレームの多さに、2022年発表の補助金に関しては国交省が制度を改善したが、これが続くとは限らない)

土地を決めて、売買契約を結ぶ

土地を決めて購入しよう。

必ず、ビルダーに、以下を確認してから購入手続きに進もう

  • 求めているプランが実現可能か

  • 日当たりは設計次第で確保できそうか

  • 値段が妥当か。値引きできる要素(後述)があるか。

  • その他注意すべきことはあるか

購入する際、「いくらで買いたいです」の申込書を書くタイミングが、唯一の値引きチャンスである。

  • 地盤改良が必要そうな土地ならその費用

  • 水道管の引き込みが必要そうならその費用

  • 解体が必要ならその費用

  • 土地に高低差があり、深基礎が必要ならその費用

  • 擁壁を作るための費用

  • 残土処理の費用

  • 周辺の近い条件の土地の価格

などを加味して、不動産サイトに書いてある価格より値下げした価格で、買付要望を出そう。特になにかなくとも、端数は切り落とせるケースが多いと思われる。

また支払いの時期は、以下を確認して決めよう。

  • ローンの本審査に必要な書類を銀行に確認

    • 「建築確認申請書などは、後日でも良いです」という銀行もある

  • ローンの本審査に必要な書類が揃うタイミングをビルダーに確認

ビルダーを信じて一緒に設計

ここまで来たら、あとは自らの要望を正確に出しつつ(ここが難しい)、ビルダーに従えばよい。

あるあるの失敗だけは避けられるように、注文住宅失敗動画や、間取りチェックリストは一通り見ておこう。

引き渡されたらあとは稼いで暮らすだけ

おめでとう!
あとは必死にローンを返しつつ、家族の時間を大事にするだけだ!Bon voyage!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?