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坐骨神経痛って何?簡単な判断材料

こんにちは!
出張トレーナーの菅谷智紀です!

さて今回のテーマは『坐骨神経痛』
良く聞くワードですが、
具体的にどんなものなのかは詳しく知らないって方が多いかと思います。
また、
腰付近に痛みがあるけど、これってただの腰痛?
それとも坐骨神経痛?
こういった時の一つの判断材料をご紹介します。
この記事でザックリ理解しましょう!
※坐骨神経痛はかなり奥が深く
一言で説明するのはかなり難しいという事だけご理解を。



坐骨神経ってどこの神経?

坐骨神経は小指程の大きさがある
体内で最大(最太・最長)の神経です。

どこからどこへ走行しているのかザックリチェックしましょう。
下記の画像をご覧下さい。

日本トレーニング指導者協会 JATIテキスト引用

赤線になっているのが坐骨神経です。

ザックリ言うとこんな感じ!
①腰

②梨状筋の下を通過

③骨盤外へ出る

④大臀筋と大腿二頭筋(太もも裏)の前を下行

⑤膝窩(膝の裏側)

⑥下腿部(腓骨側と脛骨側に分かれる)

こちらのイラストを見ると非常に分かりやすいです。

https://www.stroke-lab.com/speciality/8924

引用:【2022年最新】坐骨神経とは?機能や分岐、痛みの原因となる神経や障害とその評価まで。

坐骨神経の支配

坐骨神経が支配している場所をざっくり覚えておきましょう!
結論、
腰から膝の後ろ側

膝から下全体
です!
つまり、
腰から膝の後ろ側か膝下全体のどこかに痛みが出る場合は、
少なくとも坐骨神経痛である可能性があります。


坐骨神経痛って病気?

坐骨神経痛って良く聞くけど病気なの?

結論、坐骨神経痛は病気ではありません!!
症状の事ですね。
極端に言えば、
腰痛や肩こりなどとイメージと一緒です。
もちろん、その原因は一つや二つではなく、
本当に様々な原因で症状が発症します。


坐骨神経痛の代表的な原因

ではどんな原因で坐骨神経痛になる事が多いのか。
”よくある原因”を紹介します。
基本的には、
坐骨神経のどこかが圧迫される事で痛みやしびれに繋がります。

▪腰椎椎間板ヘルニア

もはや説明不要の腰痛原因ですね。
ちなみにレントゲンで椎間板は映らない為、
MRIが必要です。

▪腰部脊柱間狭窄症

背骨の神経の通り道が狭くなることです。
狭窄症の発症は年齢と比例します。

▪梨状筋症候群

臀部の肥大や固まりにより坐骨神経が圧迫されます。
この梨状筋症候群が原因で
坐骨神経痛を訴える方が多いですね。


とある研究結果

2005年の研究です。
原因が分からない人を対象にMRIを実施した所、
下記の原因が究明されました。
1位:梨状筋症候群(68.7%)
2位:近位ハムストリング症候群(4.7%)
3位:末梢神経巻き込み(3.0%)
4位:坐骨腫瘍(1.7%)

昔から坐骨神経痛の原因の多くは
梨状筋にあると言われますが、
やっぱりこうして研究してみると
案の定って感じがしますね( ;∀;)
(10人中7名ですからね💦)

ちなみに梨状筋がストレッチされた際に、
坐骨神経が圧迫され痛みが出ます。
※基本的に坐骨神経は梨状筋の下を通過していますが
梨状筋の中を通過している場合に、ストレッチされ痛みが出ます。
梨状筋が原因での坐骨神経痛は内股の方に多いです。

って事は殿筋(お尻周り)のストレッチをした際に
痛みやしびれが出る場合は、
坐骨神経痛である可能性が高く、
ストレッチされても痛みやしびれが出ない場合は
坐骨神経痛では無い可能性が高くなるという事ですね。
もしくは、
梨状筋ではない他の部位が
坐骨神経を圧迫している可能性が高いです。


対処法

原因となりうる事がいくつもある為、
「対処法はコレ」とは言えないのが現状です。
※逆を言えば、坐骨神経痛はもちろん、
腰痛や肩こりも「原因はコレ」と
一つに特定する事はかなり難しいです。
姿勢が悪い場合なら、なぜ姿勢が悪くなるのか
肩が上がる場合なら、なぜ肩が上がるのか
根本原因を見極めそこにアプローチする必要があります。
ですので、
ここでの結論は「分からない」
となります((+_+))

※原因が分からないのに対処なんて出来ない。

ただ、いくつかのテストを用いて
原因を一つ一つ探っていく方法はあります。
そこをご紹介します。

SLRテストの応用

一般的なSLRテストは、
仰向け姿勢から片脚ずつ股関節の屈曲動作をして、
何度上がるか、また何度上がった所で
痛みやしびれが出るかを確認するテストです。

仰向けで片脚ずつ持ち上げる

このテストで屈曲角度が70°程度で痛みが出る場合は、
SLRテスト陽性と判断されます。
しかし、坐骨神経は関係なく、
単純にハムストリング(太もも裏)の筋緊張による
痛みの可能性もあるため、
安易に判断はできません。
ですので、判断基準を一つ追加します。
足関節(足首)の力を抜いた状態でSLRを行った際に、
痛みがどう変化するかを確認しましょう。
もし、痛みの原因がハムストリングの筋緊張だとしたら
純粋にハムストリングにの痛みが出ますが、
坐骨神経が原因の場合なら
膝下まで痛みが出る事があります。
ですので、足首の力を抜いてテストした結果、
膝下まで痛みやしびれが出る場合は
少なくともハムストリングの筋緊張では無いと判断できる訳です。


簡単なエクササイズ

原因によって対処法は異なるという話をしましたが、
ここでは「神経ではなく筋肉が原因」
の場合の対処法をご紹介します。

▪ハンドニー
四つん這いになり、
対角線の手足を持ち上げます。
その際に、手足が上がりすぎないように注意です。
(上がりすぎると腰が反ります)
この姿勢で深く呼吸を繰り返しましょう。

▪仰臥位ジャックナイフ
仰向け姿勢で両膝を抱える様な姿勢で
臀部~太もも裏を伸ばしましょう!
画像でチェック⇓

まずは両膝を曲げたまま


余裕があれば両膝を軽く伸ばす

筋肉が原因だと思って
このストレッチを実施した際に
膝下にしびれや痛みが出る場合は要注意です。


まとめ

坐骨神経痛は複雑すぎて一言で
「〇〇が原因だから〇〇で対策しよう」
とは言えないという事は分かっていただけたかと思います。

最後にちょー無理矢理ざっくりまとめるとこんな感じ↓
▪坐骨神経は人体で最も太く長い神経
▪基本的には梨状筋の下を通過する
▪坐骨神経が梨状筋の中を通過している事で梨状筋が伸ばされた時にしびれや痛みが生じる事が多い
▪原因不明の患者へMRIを実施した所、約7割が梨状筋症候群であった
▪足関節を脱力したSLRテストで膝下にしびれや痛みが出る場合は坐骨神経痛である可能性が高い

最後までお読みいただきありがとうございます!
ではまた!


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