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PANTA&HAL/ステファンの6つ子~隠れ名曲、名演コレクション。

 割とあっさりこう書いてますが、隠れ名曲、名演の判断基準というのは結構難しいと思ってます。
私にとっての隠れ名曲、名演の基準としてはオリジナル・アルバム未収録かどうか?ベスト盤にはなかなか収録されない曲などについて書いていきたいと考えています。
勿論、熱心なファンの方々には全然隠れてねーよ!と突っ込まれることがあるかもしれませんが、ひとつお手柔らかにお願いします。

 2回目になる今回はPANTA&HALのシングル「ルイーズ」のカップリング曲「ステファンの6つ子」を取り上げてみますね。
「ルイーズ」といえば林美雄さんのパックインミュージック」の人気コーナー「ユアヒットしないパレード」で、3週連続で1位になったり、1980年上半期では2位になる位の人気曲でした。
PANTA&HALとしてのセカンド・アルバム、鈴木慶一さんプロデュース『1980X』からのシングル・カット曲で、そのカップリング曲が「ステファンの6つ子」だったというわけです。

・PANTA&HAL『プラハからの手紙・PLUS』(VICL-5144/ビクター)
「ステファンの6つ子」収録CD。

・「Rock Steady 1980年5月号」(インターナショナル音楽出版)
PANTAさん表紙の当時の音楽雑誌。「Rock Steady」は後の「ミュージック・ステディ」に発展します。

 この曲にはエピソードがありまして、PANTAさんの自伝「歴史からとびだせ」(JICC出版)によりますと、PANTAさんのお母さまが看護師をやっていた時期に不慮の事故で入院した少年の話をPANTAさんにしたところ、彼が転院後に「音楽なら寝ていても聴けるから」ということで頭脳警察のアルバムを送ったりしたそうです。
ペガサス座の“ステファンの5つ子”にインスパイアされた作品で、彼のために書かれたのでした。
 おそらくアルバム『1980X』のアルバム・コンセプト(これはPANTAさんの作品の中でもかなりハードなコンセプトだと思っています)と合わないために未収録となったと思いますが、翌年発売されたライヴ・アルバム『TKO NIGHT LIGHT』にライヴ・ヴァージョンが収録されています。
このアルバムを単行本(確か「ひのまる劇場2巻」で絶賛したのが、江口寿史さんだったことを付け加えておきます。
この曲に限らず、PANTAさんのアルバム未収録曲やヴァージョンは『プラハからの手紙・PLUS』が紙ジャケット化されなかったので、聴くことが困難になりつつあります。
これはなんとか解消してもらいたいですね。

 PANTAさんの作品にはロマンティックな部分とハードな部分が両立していて、その辺が佐野元春さんに「他のミュージシャンとは違う」と言わせたのだと思っています。(佐野さんの発言は「ミュージック・ステディ創刊号」より)

・PANTA「歴史からとびだせ」(JICC出版)。
PANTAさん初の自伝。帯文は五木寛之さんによります。
画像をタップすると、2017年の「ステファンの6つ子」のライヴ映像を見ることができます。

 この本はDVD(アルバム『PISS』発売記念ライヴ~ですから1989年ですね)付きで加筆された形で2009年に再発されました。現在でも入手可能な模様ですよ。
ちなみにDVDに収録されているのはなぜか頭脳警察時代の曲が多いです。

 「ステファンの6つ子」は割と演奏頻度が高い曲で数々の映像が残されていますね。
今回はオフィシャルの2017年の映像のリンクを貼りました。

 noteで私が最初に書いた「1981年の冬休み」と繋がる内容にしてみました。
つまり、今回も鈴木慶一さん、PANTAさん、林美雄さん(書籍の「歴史からとびだせ」にもコメントを寄せています)に水道橋博士の関係(他にも名前を出したい人はたくさんいますが)を考えて読んでいただけたら嬉しいです。
やはりツイキャス参加者の皆さんにも感謝します。ありがとう。
次回は全く違ったところから選んだ曲にしてみたいと考えております。

 ではまたー。


 

 

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