まだ

まだ 喘ぎ続けている
浮上したい 飛びたい と
まだ 天空に光があふれていると
想いはまだ 消えてはいない

おまえ もう諦めたんだ
泥沼に沈んで
もがくことも 希望も
捨てちまったんだ
断ち切って まぎらせて
何もかも もう終わったんだと
過ぎちまったんだと
嘘をついている

酔っ払って誤魔化して
傷つくために 人を傷つけて
悲しむために 人を悲しませる

まだ ぷすぷすと 燃え残っていたよ
まだ 灰の下に 小さな火種があったよ

そして 何かが燃えようとする
そして 何かが深く呼吸しろと言う

鳥でなくても 風でなくても
炎とはならなくても
走り続けなくても

人として ただ ”人”として
歩いていけばいいんだと

思えるように なったよ
――それは 決して卑怯なことでも
偽ることでもない
自分なんだ と 思えるよ


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