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厚労省 食品基準審査課 現行の100Bq/Kgの基準値の検証をするための研究を依頼していた事が発覚

2022年10月13日厚労省食品基準審査課担当瀬浪氏に電話取材


瀬浪氏に聞き取りをしたところ、厚生労働省食品基準審査課が同省科学技術課厚生科学課を通して今までの食品基準である100Bq/Kg(一般食)の基準を審査するに際して、研究依頼をしていた事が発覚した。以前2021年7月7日時点で厚生労働省食品審査基準課担当井出氏によると、いつまでにどういった事を検証しているのかを聞いたところ一切お答えできないとの事であった。
今回電話をした際に瀬浪氏によると、すでに2022年8月24日に公開されていた。

研究名は”食品中の放射性物質の基準値施工後の検証とその影響評価に関する研究”である。

研究に関するウェブリンク以下
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/159232?fbclid=IwAR0Rr5o1s_QbAS-wqvCynaj_IldJj-wOjMHsLR48mVku5ThDqqJ4l7wqmdE

以下が研究代表者及び研究分担者になる。

”研究代表者(所属機関)

明石 真言(東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部看護学科)

研究分担者(所属機関)

  • 塚田 祥文(福島大学)

  • 青野 辰雄(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構)

  • 高橋 知之(京都大学)”

研究開始年度自体が2021年からになるので、2021年7月7日に井出氏に電話した時点でこういった食品基準を検証するための研究を行っていた事は知っていたがこちらには情報を知らせなかった事になる。

筆者が気になった点

研究調査に際して農作物102 試料を、令和3 年4 月16 日から令和3 年 10 月21 日に福島市、伊達市、川俣市の産地直売場で入手し、測定をしたとあるが、たけのこが33Bq/Kgが最大値である事と山菜が高いという事がわかっていながら山菜のデータがない事で検証研究をしている事に大変違和感を感じた。

総括研究報告


総括研究報告


総括研究報告

”森林など表土の腐植除去に留まっ ている地点から採取される山菜などの自生植物中放射 性 Cs 濃度については今後も比較的高い濃度にあるこ とを周知しておくことが必要である。”
といった記載があるがサンプリングした具体的な実測値を示したデータが一切無い。

直近の福島市の山菜やたけのこ等のデータ

福島市令和4年度全集計データ(市外から持ち込まれた検体もあり。)
https://www.city.fukushima.fukushima.jp/kankyo-houshasen/bosai/bosaikiki/shinsai/hoshano/sokute/kankyohoshano/documents/sokuteikekka_all_2022y09.pdf


最大値を示したコウタケやサクラシメジを含め、集計には市外で採取された農作物等が含まれています。という記載がある。
葉物や根菜類は検出や基準越えは無かった(検出下限値を何Bq/Kgであったかが不明)


赤シソが二件検出され、うち一件が基準超え


山菜770件測定し72件基準超えタケノコは最大971Bq/Kg。461検体測定し、45件基準超え。それからコシアブラは32件測定し20件基準超え最大値が779Bq/Kgその他の山菜も非常に高い傾向にある上基準超えの検体が多くみられる。キノコ類は45件測り26件基準超え。コウタケは12件中すべて基準超えな上に最大値が54,447Bq/Kg。その他の検体も非常に高い線量値が見られる。


クリは20件測り2件基準超え最大値が756Bq/Kg。


乾燥したたけのこやカラスタケやコシアブラ塩漬けが基準超え。コウタケの煮付が5,345Bq/Kgと非常に高い値。

同じ市から採れたものであるにも関わらずタケノコが研究データで取り扱っている33Bq/Kgよりもだいぶ高い傾向にある。そもそも測った検体数の母数が少ないから33Bq/Kgとなったと考えられる。
そもそも福島市のデータではタケノコや他の山菜やキノコ類の基準超えが大変目立ったがこういったデータを現行の食品基準100Bq/Kgの検証には盛り込まれていない。

研究期間が2023年まで行うという事なので、今後も追加データがある可能性が考えられるが山菜のデータを今後盛り込むのか、サンプリング母数を増やすのかも全くもってわからない。


検証が終わった後

食品基準審査課担当瀬浪氏によると、今までの食品基準値の検証が終わった後に、仮に食品基準を変更することが妥当であると食品基準審査課が判断した場合。一般論として薬事・食品衛生審議会にて審議を行い基準値の変更をする事が考えられるという回答であった。

追記 2022年10月20日 厚生労働省食品基準審査課瀬浪氏及び厚生科学課岡田氏に電話取材した内容

瀬浪氏によると”食品中の放射性物質の基準値施工後の検証とその影響評価に関する研究”という研究報告書は現時点の令和3年度のものだけであり、予算の14,715,000円という金額は令和3年度のものだけである。
現時点で令和4年度の研究が進められており、いつのタイミングになるか不明であるが、令和4年度の研究報告書が出てくる事は事実であるとの事。
それから、令和5年度の研究報告書に関しても来年の令和5年度に研究が行われ、研究が終わり次第いつのタイミングになるかは不明ではあるが令和5年度の研究報告書も出てくる事は事実であるとの事である。

つまり、あと二つの研究報告書をもって食品基準審査課が今までの食品中の放射性セシウム100Bq/Kg等の基準を検証するという事になっている。

厚生科学課岡田氏によると(一般論として)令和5年度の研究の予算は2022年8月末に締め切っており、すでに研究内容と予算は提出している状況下ではあるとの事であった。12月中旬頃に提出した研究予算について財務省から予算が通るか通らないかのフィードバックが返ってくるとの事である。



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