リスニング実践力養成が程遠い話

今、AsteriaというZ会のAI英語学習を進めているのだが、入試レベルとしては割かしレベルの高いところにようやく安定できつつある感じなので、AIが選んでくる問題もそこそこハイレベルな問題である。そこそこ、というのは、まぁ話の概要が分からなくなるほど速かったり聞き取れなかったりはしないな、という意味である。全てを聞き漏らさないでおけるほど簡単ではなく、また、よく知ったトピックでもない。

しかしこれは、これこそ、実践の場における英語なのではなかろうか。

【実践の場における英語】
✳聞き間違いアリ
✳聞き漏らし、聞き逃しアリ
✳未知の話を聞くことアリ

うん、ありそう。

AIの今日選んできた問題が、これがもう難しすぎたのである。というかいろいろショックだった。
だからnoteにほぼ愚痴みたいな感じで、どう難しかったかを書き連ねていこうという所存である。


題材

大学の講義に対して、4人の男女(男女2人ずつ)がテーブルを囲んで振り返りをしている。
大学の講義は、「老化を遅らせるには?」という内容を生物学的な視点で語ったものとみられる。

難しかったポイント

難しかった&ショックだったポイントは、
◆速すぎる、絶対そんなこと言ってない
◆語の切り方がおかしい
◆最後まで話の概要が掴みきれない

の大きく3つである。

◆速すぎる、絶対そんなこと言ってない
どう縮めても、物理的にその言葉はそんなに短い音節に収まらないだろ!!と突っ込みたくなる程の速さである。海外アニメを見てらっしゃる方などはわかっていただけるかもしれない。

ちなみに今日のスクリプトで異常に速かったのは、"I didn't take it that way."である。
「僕はそうは思わなかったよ!」みたいなニュアンスなので、思わず早口で言ってしまうのはわかる、わかるけども。
英会話教室などには一切通わず、中高のみのぬくぬく教育をしてきた私でも、さすがに、たとえばdidn't take はtが連なるので脱落してディドンェイクになるとか、take itはティキットと短くなるとかするのはわかるようになるのだ。だがしかし、これを、音源は、I didn't とthat way に割く時間だけで言い切っている。だから、普通に聞いて、Iとthat wayは聞き取れてもdidn't take it が融合したカオスはまるで聞き取れないわけだ。
ネイティブ、どうやって聞き取ってんの……??(半泣き)みたいな感じであった。慣れか?10回くらいリピート再生して何回か音読練習したが、40分くらいやってスクリプト通り聞き取れる時は来なかったから早々に諦めた。

◆語の切り方がおかしい
センター英語や共通テストでは、リスニング話者にオーストラリア訛り系や中国系、ノンネイティブスピーカーを混ぜている。オーストラリア訛りならまだ発音が風変わりなだけかな、という気がするが、問題は、英語に対して違う言語の影響がかなり出てくる中国系や東南アジア系の英語、そしてノンネイティブの英語だ。
今回ものすごくショックだったのが、その、語の切り方がおかしい英語はまるで聞き取れなかったことだ。というか、ほんとに正直に言ってしまうと、自分が聞けないからそれが英語としてまかり通るのは腹立たしい気もしたのだが、まぁグローバル化しているのだしそれは仕方ない。

今回の音源で理解不能だったのは、
"I think it's a common knowledge at all."
今これを文字として読む分には難しい言葉じゃないし、単語の音節も多いから速く読まれても大したことはないと思う。これをアメリカ人やイギリス人が読む分には。
が、これを、普通に読むなら
アイ スィンク イッツァ コモン ナウレッジ アドォゥル
となるところを
"I think it'saco mmonknow ledgeatall " 
アイ スィンク イヅァコ モノゥ レジュオール
と読まれたら、なんかもう、全然違う英文に聞こえてはこないだろうか。

この読み方の奇怪な点は、common、knowledge を一息で読まない点だ。…というよりは、一息で読んだ後に間隔を空けない、といったほうが正しい。英語は音が流れるように繋がって出来上がるが、他言語の影響を受けると、本来の英語の持つ余白のリズムまで流れ去ってしまうようだ(例外:日本語)。
だから、本来はあまり繋げないような箇所が繋がり、切られないような場所が切られてしまう。

英語は、ちょっと発音が下手くそでも、アクセントと語の切り方さえ合っていれば伝わると言われる。言われてきた。……なのにこれでは!!これが英語として成立するのでは!それすらも英語を英語たらしめてはくれなくなる。アクセントと語の切り方が英語という言語の特徴とならなくなったその時、英語は果たしてどんな言語になってしまうのだろう?

……いやまあ、英語の未来はどうでもいい。大事なのは今、私が中国系やノンネイティブの英語を聞けるようになるかどうかである。
しかし、この辺りは慣れると言っても難しい気はする。ネイティブの聞き手にとっても、こういう話し方は負担にはならないのだろうか。ここまで特異な話し方のスピーカーは共通テストには起用されないと信じてはいる。しかし、いざグローバル世界に足を踏み入れたら、こんな人達は存在するわけだ。うぅ、先が思いやられる。

◆最後まで話の概要が掴みきれない
これどういうこと?かというと、なんの話をしているのか、こちらに全てが伝わった状態ではスタートしないということだ。しかも、会話の随所随所で話題は見えてくるものの、やはり日常会話に近いものなので断片的でもある。
しかも話している内容が大学の講義ときた。これは使う単語が難しくなる。しかも、
「もうさ、教授が「自然のアプローチ」で話を終わりにしたのにはがっかりだったよ!」
といきなり謎の単語と共に突っ込んできたり、
「話題を変えて悪いんだけど、今日の講義の前半部分についてはっきりさせときたいことがあって」と割り込んできて本当に話題を変えたり(当たり前)、
「たとえば僕の場合、健康的な食事をするためのお金と時間の余裕はないんだ。30パーセント減らすって?常にお腹がすいているじゃないか!」と出処のわからない数字と共にいまいち脈絡のない言葉を発してきたり、
……と、結局こいつら何喋ってんだろう…講義どんなんだったんかな…とぼーっと思いながら、聞かれたことに答える感じの問題だったのだ。本当にバイスタンダーである。立ち聞きしている気分だった。いいのかそれは。



まとめると、
グローバル化して、
ますますリスニングは難しい!!!

「世界で通用する英語」を身につける日は、
まだまだ、はるか遠いのだろう…………


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